【9選】ハーモニカならこれ!演奏に深みが出るハーモニカご紹介
人々から愛され続ける名曲に彩りや懐かしさ、優しさを添えている温もりのある楽器、ハーモニカの音色。実はハーモニカにも様々な種類があるのをご存知でしたか?今回は楽曲に人の温もりを与えるハーモニカの魅力とその種類についてご紹介していきます。
ハーモニカは奥深い
手軽に始めやすい、私たちにとって親しみやすい楽器の筆頭に挙げられる楽器の『ハーモニカ』。フーッと息を吹き掛ければ音を出す事が出来る、子供からお年寄りまで楽しめる素晴らしい楽器だと思います。
トランペットやサックスの様に、綺麗な音を出すまでには時間がかかる楽器に比べると、非常に始めやすい楽器の一つと言えます。しかし、それだけにとても奥が深い楽器という事も言えるでしょう。
ミスター・タンブリンマン/ボブ・ディラン
ハーモニカといえば、私が真っ先に思い浮かべるのが、フォークの神様、『ボブ・ディラン』です。
初期の彼はアコースティック・ギターとボーカル、そして自身の演奏によるハーモニカだけの非常にシンプルなものです。しかし少ない音数がかえって強烈で力強く、今聴いても胸を打つ音源をたくさん残しています。
この名曲『ミスター・タンブリンマン』は後にバーズのカバーによってより有名になります。
その12弦ギターのきらびやかな演奏と、美しいコーラスワークは勿論素晴らしいのですが、私はこのオリジナルの無骨な演奏が、とりわけハーモニカの泣き声のような音色がいつまでも心から離れないのです。
この人の心を鷲掴みにするような、小さなボディから放たれる音の存在感は一体何なのでしょう?時として、意図している以上に心を揺さぶってしまうパワーを持っているのは、演奏者の息遣いがダイレクトに音に現れる楽器だからでしょう。
ノット・フェイド・アウェイ/ザ・ローリング・ストーンズ
ローリング・ストーンズの本当に初期の時の演奏ですね。バンドの名付け親であり、リーダーであったブライアン・ジョーンズの演奏するハーモニカがバンドの演奏を引っ張っています。
初期の頃のブライアンの存在感は半端なく、ミック・ジャガーでさえ、彼のバックバンドの1人の様に見えてしまう程です。
女の子のたちにキャーキャー言われているのも、ボーカルのミックよりもどちらかといえば、ハーモニカを演奏するブライアンの様に見えます。
私もこのハーモニカが吹きたいが為だけに、バンドを結成したくなってしまう程の格好良さです。
掌に隠れてしまう程の小さな楽器ですが、その存在感は主役級です。そんな底知れぬ魅力を持ったハーモニカの選び方を次でご紹介しましょう。
ハーモニカの選び方とは
ハーモニカには大きく分けて3つの種類があります。
さらにその3種類の中にも色々なタイプがありますので、ご紹介していきましょう。
ダイアトニック・ハーモニカ
『ダイアトニック・ハーモニカ』は吹き口が一列に並んだ、皆さんがよく知っているハーモニカの形状をしているものです。吹いた時と吸った時で違う音が出る様に設計されています。
その中でも、学校の音楽教育などで使用される教育用ハーモニカ、ブルースハープなど決まったキーの演奏に使用される10穴ハーモニカなどがあります。
小学校などで使用するなら教育用ハーモニカ、フォークソングやロック、ブルースの弾き語り演奏などで使用するなら、10穴ハーモニカがおすすめです。
複音ハーモニカ
『複音ハーモニカ』は上下に2つの穴が並んでいる形状のハーモニカで、『トレモロ・ハーモニカ』などと呼ばれることもあります。
1つの音に対し、微妙にピッチをずらして調律された2つの穴から同時に音が出る為、ビブラートがかかって、綺麗な響きを出します。
日本では昔から人気があったタイプで、これからハーモニカ教室へ通おうと考えている方や、初心者の方に大変おすすめなハーモニカです。
クロマチック・ハーモニカ
『クロマチック・ハーモニカ」は、ハーモニカ横に付いているスライドバーを押すことによって、♯や♭の音を出す事が出来るハーモニカです。
『クロマチック』とは『半音階の』という意味で、ダイアトニック・ハーモニカや複音ハーモニカとは違い、全ての音階を演奏する事が出来ます。
キーが決まっているブルースハープなどは、その楽曲のキーに合わせて持ち替える必要がありますが、このクロマチック・ハーモニカは一台でどんなキーの曲にも対応出来るという訳です。
それと同時に演奏の難易度も最も高い、という事が言えます。この種類のハーモニカは、一台でどんな曲でも弾いてみたい、という本格派指向の方におすすめと言えます。
ハーモニカの種類別名演ご紹介
ここでは、ハーモニカの名演をその種類別にご紹介していきます。ダイアトニック・ハーモニカ、複音ハーモニカ、クロマチック・ハーモニカ、それぞれの魅力を感じていただきたいと思います。
ラインを越えて/ザ・ブルーハーツ
ザ・ブルーハーツの甲本ヒロトはダイアトニック・ハーモニカである『ブルースハープ』の名手としても知られています。
この楽曲はギターのマーシーが終始リードボーカルをとっていて、ヒロトはハーモニカに徹していますが、非常に存在感のある演奏で聴くものを魅了してくれます。
人間の息遣いがダイレクトに音に伝わるハーモニカは、ロックやブルース、フォークソングに使われる事も多く、サウンドに生々しい迫力と情感を与えています。
ハンガリアン舞曲/大石昌美
大石昌美は、日本を代表する複音ハーモニカ奏者です。世界的なハーモニカの巨匠である佐藤秀廊師に師事し、自身も世界的な複音ハーモニカ奏者として活躍しています。
どこか故郷を思わせる様な、優しさと懐かしさと郷愁の交じった複音ハーモニカ独特の音色が胸を打ちます。
大ベテランハーモニカ奏者、大石昌美による素晴らしい演奏をご堪能ください。よく見るとハーモニカ2本使いという物凄い事をしています。
ソフィスティケイテッド・レディ/トゥーツ・シールマンス&ジャコ・パストリアス
日本でも『ハーモニカおじさん』の愛称で知られる、ベルギー生まれの世界的ジャズハーモニカ奏者トゥーツ・シールマンスによる演奏です。
彼はジャズ・ギタリストでもありますが、『セサミ・ストリート』のテーマ曲のハーモニカ・ソロなどでクロマチック・ハーモニカの名手として広く知られています。
こちらの演奏は天才ベーシスト、ジャコ・パストリアスとの共演で、ブルージーでイマジネーション豊かなプレイを見せています。