「二胡」とはどういう楽器?音色やその歴史を紹介!
中国には「二胡」という、合奏も独奏も美しく奏でられる楽器があります。二胡を弾けるようになれば、どんな場所でも異国情緒溢れる世界を作れます。ぜひ一度、手に取って弾くか、演奏風景を観てください!あなたの心を揺さぶる楽器間違いなしです!
「二胡」とはどういう楽器?
「二胡」は中国の伝統楽器の一つです。読み方は「にこ」といいます。二胡(にこ)という名前だけあって、二本の弦で弾く楽器です。中国語読みでは、「Erhu(アルフー)」といいます。
擦弦楽器(さつげんがっき)といい、西洋でいえば「ヴァイオリン」がそれにあたります。弦に弓をこすりつけて弾く楽器のことです。
中国楽器には様々なものがあります。ここでは二胡を中心に解説をしていきます。
どのような音が出る?
とにかく優雅!
まずどのような音色が出るのか聴いてみないと、その素晴らしさは伝わりません。ここでは後でも紹介します、チェンミンさんの演奏動画を観て聴いてほしいです。
優雅さを感じてくれればうれしいです。
激しい一面も…
ここでは、峠岡慎太郎さんの演奏動画を紹介します。中国の「賽馬(さいま)」という曲を奏でています。まさに馬がかけめぐるような激しい曲調になっています。
二胡の歴史
二胡のはじまり
一説によると、二胡は中国発祥ではなくシルクロードを渡って伝わったともいわれています。
中国で二胡の原型が出来たのは、時代でいえば宋代(960~1279)のころです。ここで膝の上に立てて弾く楽器としてあつかわれるようになりました。
そこで元代(1127~1279)、明代(1368~1644)という時代がたって現代の二胡の形に近づきます。明代末、清代(1644~1912)には中国国内に広がりました。
近代の二胡
1920年位から西洋の、特にヴァイオリンの影響を受けて新しい奏法が取り入れられました。1950年代には、絹で出来ていた弦を金属に変えて音量を大きくすることに成功しています。
そのため、独奏曲を奏でる楽器としても存在感は増しています。
「二胡」の部位ごとの名称
二胡は一見するとすぐに壊れそうな形をしています。ですがとても大きく、表現力豊かな音が出せます。それはなぜなのでしょうか。
それは二胡の持つ構造にあります。その秘密に迫っていきたいと思います。
二胡の本体
二胡の部位の名称はこのようになっています。上記の画像をもとに、よく見比べてみてください。
- 棹…黒檀や紅木などの木材が使われている、左手をそえる部分です。
- 胴…二胡の音を共鳴させる、共鳴箱ともいわれています。形は六角形や八角形など様々です。
- 皮琴…この皮の部分にはニシキヘビが使われていて、音の良し悪しを大きく左右します。とても重要な部分で、二胡の命と言えるかもしれません。
二胡弓
弦をさする部分は馬の毛。持つ部分、毛をしっかりと固定する箇所は竹材で出来ています。
清品二胡弓は値段は高くはないので、まさに初級者または練習用に向いています。
糸巻
ここを回し弦を張ったり緩めたりすることで、調弦を行います。様々な種類の木材が使われています。二胡本体とセットで販売されていることがほとんどでしょう。
それでも破損など不具合が起きてしまった時に購入を考えておくべきです。
駒
弦と皮琴の間に付けます。駒があることによって、弦を弾いた音が皮琴を伝わり胴へと響く構造となっています。
駒の値段は安いものから、高いものまで幅が広いです。実は駒によって二胡の音色はまったく変わります。それだけ重要なものです。
駒によっては低音が強くなるものもあり、明るいはっきりとした音になる駒もあります。好みは人それぞれなのかもしれません。
駒も二胡そのものの素材と同じように、種類があります。紫檀、紅木、松と様々です。初心者のうちは色々使ってみて、自分の好きな音を探すと面白いでしょう。
千斤
この部分から駒までが音程の出る部分です。千斤を付けないと開放弦の音は出なくなってしまいます。
千斤の取り付け位置は重要で、きちんと学習したうえで取り付けないと調弦が難しくなってしまうので注意が必要です。