あなたはどこまで知っている?ギターをしてると必ず耳にする「Fender(フェンダー)」のギターについてざっくりとまとめる
ギターをしている人なら1度は聞いたことがあるフレーズの「Fender(フェンダー)」。おなじみの人も多いでしょうが、ギター初心者の人の中には「Fenderって何?」っていう人もいると思います。今回はそんなFenderについて、ざっくりまとめていきます。
ギターをしてると必ず耳にするであろう大手メーカー「Fender(フェンダー)」。あなたはどこまで知っている?
ギターの大手メーカーであるFenderは、世界中のギタープレイヤーたちの間で、特によく知られているメーカーの一つです。どの楽器屋さんに行っても置いてるし、世界的なアーティストの中でもFenderの愛用者は数知れず。もう、Fenderを知らない者はいない!といった感じですよね。ところが、これだけ知れ渡っているフェンダーについて、あなたはどれだけ知っていますか?Fenderの成り立ちや価格、Fender社の打ち出すギターデザインの特徴などについてまとめてみました。
Fender社設立から軌跡
この世界的なギターメーカー、Fender社が産声を上げたのは1947年のこと。もともとはラジオを修理する会社だったそうです。設立当時はスティールギターを製造していました。この頃のエレキギターといえば、中身が空洞のホロー・ボディと呼ばれるものが主流で、現在よく目にする、中身が空洞でないソリッド・ボディのエレキギターは、オーダーメイドでの製造ぐらいしか行われておらず、一般的ではありませんでした。
ところが、1949年にFender社が、ソリッド・ボディのギターを発表して、その翌年にはテレキャスターを発表。これが世界初の、量産型のソリッド・ボディ型のエレキギターと言われています。この後も、ストラトキャスター、ジャズマスター、ジャガー、ムスタングなどなど、たくさんのモデルを次々と世に打ち出して、世界的な楽器メーカーとして君臨するようになったのです。
数多くの世界的アーティスト達に愛されるFenderのギター
世界中の名立たるアーティストの中でも、Fenderのギターを愛用する人たちはたくさんいます。まずはなんといっても、ジミ・ヘンドリックスです。右利き用のストラトキャスターを逆さにして弾くスタイル、そして圧倒的なパフォーマンスで、今もなお、彼は伝説として語り継がれています。ジミ・ヘンドリックスの影響で、Fenderのストラトキャスターをの認知度がさらに高まりました。
他にも、ローリングストーンズのキース・リチャーズや、速弾きでは世界一との名高いギタリスト、イングヴェイ・マルムスティーン、現在新たなギターヒーローとして定着しつつある、ジョン・メイヤーもFenderの愛用者です。こうして見ただけでも、年代やジャンルや奏法、とても幅広い層から支持を受けて続けているというのがよく分かりますよね。
相場の価格感ってどれくらい?
Fender社が発表するギターは種類が豊富なのもさることながら、その値段の幅がとても広いのです。同じストラトキャスターでも、2万円代のものもあれば、300万円を超えるギターだってあるのです。では、その価格を左右するものとは一体何でしょうか?
3つのブランド・ラインよって大きく異なる
ギターの価格が決まる大きな決め手は、ズバリ言うと、ギターを製造する場所でその価値が決まります。Fenderには主に3つのブランドがあり、その3つが、フェンダー・カスタムショップ、フェンダー・レギュラーライン、そしてスクワイア・バイ・フェンダーです。
カスタムショップは、Fenderの最高品質を製造するブランドで、1本何百万円で取引されるギターがゴロゴロとあります。その次のランクにあたるレギュラーライン、こちらはFenderの中のスタンダードな、一番純正に近いものですね。値段は安いものでも10万円以上はすると考えてたほうがいいでしょう。一番安価なものになるのはスクワイア・バイ・フェンダー。こちらはFenderの廉価版という扱いになり、2、3万円で手に入るギターが多いです。初心者にはおススメのブランドです。
ギターを作る素材によっても変わる
その他にも、ギターのパーツに使われる素材などで価格も上下します。それらも種類によって様々ですが、例えば、指板に使われる木材で見てみると、黒い指板にはローズウッドとパーフェローの2種類がありますが、パーフェローが使われるほうが値段が上がります。ちなみにパーフェローといえば、スティービー・レイ・ボーンが使用していたギターの指板に使われていた素材で、レイ・ボーンモデルのギターには、パーフェローが使用されています。
Fender社の打ち出すギターデザイン一覧
ここでは、Fender社が打ち出す、主なデザインを5つ、その特徴などとともにご紹介していきましょう。
- ストラトキャスター
- テレキャスター
- ジャズマスター
- ジャガー
- ムスタング
ストラトキャスター
Fenderを代表するというか、エレキギターを代表すると言っても過言ではない、最もスタンダードなタイプのギターですね。特徴としては、シングルコイルのピックアップが3つ付いていて、そのピックアップを切り替えたりミックスすることで音を作ります。比較的クリーンなサウンドを出すのに適していますが、アンプやエフェクターで音を歪ませても、切れのある高音域が心地よく響くので、ハードロックなのでも大活躍。幅広いジャンルでストラトキャスターは使用されています。
ストラトキャスターを愛用するギタリストは、ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、などなど。特に、クラプトンが使用していた黒いボディのストラト、通称「ブラッキー」は、世界最高額のギターとしても有名です。
テレキャスター
テレキャスターは、ストラトキャスターよりも前にFender社から発売されたデザインです。シングルコイルが、ストラトが3つなのに対して、テレキャスターは2つです。ボリュームやピックアップの切り替えが横一列に並んでいるのも特徴ですね。サウンドは、ストラトに比べると粗っぽい感じの太いサウンドですが、このサウンドを好まれ、今も世界中で愛用者がたくさんいます。
キース・リチャーズ、クラッシュのジョー・ストラマーなどのアーティストがテレキャスターの愛用者です。キース・リチャーズのテレキャスターは、6弦を外してしまっているんですよ。興味のある方は確かめてみてください。
ジャズマスター
1960年代に製作されたジャズマスターは、文字通り、ジャズが弾けるように、という狙いで発表されたデザインです。見た目が普通のよりも大きい、シングルコイルのピックアップが2つ搭載されているのが特徴。ボディの右上部分にボリュームやスイッチがあるのも、面白いデザインですね。ジャズの場面で弾けるようにというだけあって、そのサウンドは太くてマイルドです。
使用ミュージシャンは、トム・ヴァーレイン、サーストン・ムーア、トム・ヨークなど。ジャズにとどまらず、パンクやオルタナ系のアーティストにも多いですね。
ジャガー
ジャズマスターをさらに進化させた形のジャガー。ボディ右上だけでなく、右下にもボリュームを操作するつまみがあり、スイッチ類が多いのが特徴です。ジャズマスターに比べて歯切れのよいサウンドです。
このジャガーが有名になったのは、なんといってもカート・コバーンのおかげです。彼がジャガーを愛用していたので、その影響で、オルタナ・グランジロック系のバンドではジャガーの人気が高いです。
ムスタング
ムスタングの特徴は、ショートスケールを採用しているため、手の小さい人でも難なく弾くことができます。アームが非常に軽くできているので、簡単にアーミングが行えまずが、チューニングが狂いやすいという欠点も。
Char、ジョニー・ウインター、ジョン・フルシアンテなどがムスタングの主な愛用者です。
まとめ
Fenderについてざっくりまとめてみました。Fenderは、現在のエレキギターの礎を築いた存在で、多くのミュージシャンに今もなお愛され続けているメーカーです。また、新しいデザインを次々と打ち出して、音楽の発展に多大な貢献をしたことも事実です。まさに、エレキギターの王道と呼ぶにふさわしいギターメーカーだと思います。初心者も上級者も、まだ弾いたことのない人は、ぜひ1度、Fenderのギターを弾いてみてはいかがでしょうか。
ホロー・ボディ