どうやってコード進行は作られている?ルールと作り方をわかりやすくご紹介

楽器を演奏したり、作曲を始めるとコード(和音)が出てきますよね。
このコードの流れをコード進行といいます。
コードは無秩序に配置されているのではなく、ある一定のルールに従っています。
今回はこのコード進行のルールについてご紹介します。

記事の目次

  1. 1.コード進行とは
  2. 2.コード進行のルール
  3. 3.オリジナルのコード進行の作り方
  4. 4.まとめ

コード進行とは

コード進行とは、曲の中でコード(和音)の配置の仕方のことを言います。
例えば、ハ長調のキーで定番のC-G-Cのように、コードの進め方にある一定のルールがあります。
これらはコード理論と呼ばれ、作曲に欠かせない知識です。

ただ、コード理論すべてを知らなくても、ある程度のルールさえ押さえればコード進行を作ることができます。
ここでは、コード進行についてご紹介します。
 

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コード進行のルール

主要3和音の機能とコード進行のルールについて

上の表を見てください。
各ダイアトニックコードのうちⅠ度、Ⅳ度、Ⅴ度はコード進行において主役となる3和音です。

Ⅰ度:トニック・コード(T)

その調性のなかで最も安定感のあるコードです。
「主和音」とも呼ばれます。
その曲の表情を特徴づける機能があります。

曲の最後にこの和音を置くとすっきりと曲が終わった形になります。
曲の初めに置くことも多いですが、あえて違うコードで出発することもあります。
 

Ⅳ度:サブドミナント・コード(S)

トニックコードから完全4度上あるいは完全5度下のコードをサブドミナントコードといいます。
「下属和音」とも呼ばれます。
やや不安定な響きを含みます。

サブドミナントコードはトニックあるいはドミナントのどちらにも進めるコードです。

Ⅴ度:ドミナント・コード(D)

トニックコードから完全5度上のコードをドミナントコードといいます。
「属和音」とも呼ばれます。
その調性のなかで最も不安定な響きを持ちます。

不安定な響きから、通常はトニックに進んで安定しようとする性質をもちます。

ドミナント7thコード(Ⅴ7)

ドミナントコードにルート音から短7度上の音を重ねた4音を特にドミナント7th(ドミナントセブンス)コードと呼ぶことがあります。
日本語で「属7和音」とも呼ばれます。
この和音はドミナントと同様に不安定な不協和音ながらトライトーンと呼ばれる音が含まれており、トニックに進むことで安定感を得られるトライトーンの解決効果が得られるため、よく用いられます。

終止形のコード進行(カデンツ)

さて、主要3和音がわかったところで実際の進行を見てみましょう。
まずは基本の終止形です。
終止形のコード進行を特にカデンツ(ケーデンス)といい、コード理論で最も基本的な進行形になります。
終止形とは読んで字のごとく、曲の終了のしかた、つまりまとめ方の定番を集めたものです。

もっとも基本は3コードで表される進行です。

・T - D - T進行
 ドミナントはその調整で最も不安定な和音なので、安定のトニックに進みたがるコードです。
 その性質を利用して、ドミナント(D)からトニック(T)へ進行する形です。
 緊張から安定の終止形で、D -Tの進行を特にドミナントモーションと言います。
 ハ長調(キー:C)では、C - G(G7) - Cとなります。

・T - S - T進行
 ドミナントの代わりにサブドミナントを置いた進行です。
 このS - Tの終止形をサブドミナント終始といいます。
 ドミナントほど緊張感は強くないですが、緩やかに安定に移ります。
 ハ長調(キー:C)では、C - F - Cとなります。
 
2つの音を実際に聞いてみましょう。

次に4コード進行の代表的なカデンツです。

・T - S - D - T
 トニックとドミナントの間にサブドミナントを挟むことにより、緩やかに緊張していく進行なります。
 最後はドミナントモーションで解決するため、T - D - Tに比べ、華やかさが増します。
 ハ長調(キー:C)では、C - F - G(G7) - Cとなります。

いかがですか?
C - G - Cに比べ、だいぶ曲っぽくなってきましたよね?

代理和音とコード進行のルール

さて、TSDの主要3和音の機能がわかったところで、ダイアトニックコードにはほかのコードもあります。
これらは出てこないの?と思った方もいらっしゃると思います。
残りのコードは、代理和音と呼ばれていてT, S, Dの代わりに用いることができるコードです。
下の表をご覧ください。

代理和音の機能は、その響きが主要和音の響きに似ているものに分類されます。
例えば、ⅥmはⅠに響きがに似ていることからT(トニック)に分類され、Ⅰのコードと置き換えて使用することができます。
同様に、ⅡmはS(サブドミナント)、Ⅶm-5はD(ドミナント)に分類されます。
Ⅲmは特殊で、通常はTとして機能していますが、まれにDとしても使用されることがあります。
このように、Ⅰ、Ⅳ、Ⅴ以外のコードも上記分類で使用できますので、たとえばⅦm-5はⅠまたはⅣm,Ⅲmにも進める、ということになるわけです。

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オリジナルのコード進行の作り方

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