ベーシストならマスターしたいスラップ奏法!練習のコツとポイントをご紹介
ベースの奏法の中でも、スラップ奏法はひときわ目を惹く派手なプレイとして人気があります。とても難しいそうですが、基本的な事をしっかり練習すれば、初心者の方でも良い音を出す事が出来ます。ここではベースのスラップ奏法の練習法について解説していきます。
スラップ奏法とは
ベースの奏法について
ベースの奏法には様々なものがあります。まず指弾きといって、親指をピックアップの上に乗せ、人差し指と中指のツーフィンガー、あるいは薬指も使うスリーフィンガーで弦を弾くスタイル。
この指弾きでは繊細なタッチを表現する事が出来ます。あらゆるジャンルの音楽に対応出来る、初心者の方にはまず練習していただきたい奏法です。
ピック弾きはゴリゴリした硬めの音が特徴で、力強いタッチが表現出来ます。主にロック系の音楽に使用される奏法です。
そして、今回ご紹介するスラップ奏法、別名チョッパーとは、どういった弾き方をするのでしょうか?
スラップとは英語で、『(平手で)打つ』という意味です。
エレキベースでのスラップ奏法のやり方は、サムピングという、親指の第一関節の外側で弦をはじいて低音を出し、人差し指、あるいは中指で弦を引っ掛けて高音を出すプリングというものを組み合わせて行われます。
この奏法はファンクやフュージョン、ロックのジャンルでよく見られます。『ボッパ、ボッパ』と骨太な、ファンキーなサウンドで、ベーシストにとっては花形的な演奏法です。
スラップ奏法について
ウッドベースなどのアップライトベースにおいては、厳密に云うとスラップとは異なりますが、指で弦を引っ張り、指板に叩きつけることによってスラップ音を発生させたり、手のひらで弦を叩いてパーカッション効果を出す奏法があります。
こういった奏法は主にピックバンドやスィングバンドのベーシストが、他の音に埋もれない為に取り入れていました。後に、ロカビリーバンドや、ジャズ、カントリーのバンドなどでも見られるようになりました。
エレキベースにおいては、最初にスラップ奏法を取り入れたのは、スライ&ザ・ファミリーストーンのベーシスト、ラリー・グラハムであると言われています。
彼がスライ以前に在籍していたバンドがドラムレスであった為、親指のサムピングによる低音でバスドラムを、プリングによる高音でスネアドラムを表現していた事から生まれたと語られています。
なる程、確かにスラップ奏法によるパーカッシブなサウンドは、ドラム的な役割も果たす事が出来そうですね。
また、スラップの開祖については諸説あり、他にもルイス・ジョンソンやバーナード・エドワーズなどによって、同時期の音楽シーンに自然発生したのではとの見方もされています。
マーカス・ミラーなどのジャズ寄りのミュージシャンから、レッド・ホット・チリペッパーズのフリーの様な激しいロック系のミュージシャンまで、様々なベーシストがこの奏法を好み、取り入れています。
日本では江川ほーじんやカシオペアのベーシスト、鳴瀬義博、kenkenなどがスラップ奏法といえばすぐに思い浮かびます。
少し前ですと『チョッパー』と云う言い方の方が知られていましたが、これは1975年にリリースされた『チョッパーズ・ブギ』から広まったとされています。
後藤次利によるスラップがバキバキににカッコいいこのナンバーによって、当時はまだ『スラップ奏法』についての呼称が無かった為、『チョッパー』として、認知されたのです。