音楽用語「アレグロ・アジテート」の意味を解説!
私達が何気なく聞いている楽曲にはアレグロ等の速度標語や、アジテート等の発想用語が存在します。用語を知る事で楽曲のニュアンスを知る事が出来ます。アレグロ・アジテートは煽るように速くと言う意味ですが、ボーカロイドが発祥の用語です。各用語について紹介していきます。
音楽用語「アレグロ・アジテート」の意味とは?
アレグロ・アジテートとは「煽るように速く」という意味です。正確に言うとアレグロが「軽快に、速く」と言う意味で、アジテートが「煽るように」と言う意味ですね。
音楽用語ではあるのですが、そうとは言えない部分もあります。もう少し詳しく見ていきましょう。
アレグロ・アジテートのアレグロとは?
楽曲にはテンポ(BPM)が決まっています。今はメトロノームにより絶対値が決まっているものの、それまでは「速度標語」と言う抽象的な言葉でテンポを決めていたのです。
速度標語は幾つか種類がありますが、
・Andante(アンダンテ)=歩くような速さで=BPM63~76
・Vivace(ヴィヴァーチェ)=活発に=152~176 等があります。
アレグロは軽快にと言う速度標語であり、BPMは120~152辺りになります。
こちらアレグロの指示のある楽曲です。軽快な感じがつたわるでしょうか
アレグロ・アジテートのアジテートとは?
アジテートは発想記号と呼ばれます。こちらは演者に曲のイメージを伝える為のものです。
アジテートは煽るようにと言う意味なのですが、似た言葉にアジタート(agitato)があり、こちらの方が主流です。
アジタート(agitato)=激しく
少しアジテートの方がニュアンス的には激しくなります。
こちらアジタートの指示がある楽曲です。感情的な感覚が伝わってきますかね。
本来はアジタートなのですが、あえてアジテートを用いる事で、軽快な感じから、より感情的な感覚が増すと考えて下さい。
アレグロ・アジタードが用いられている楽曲
実はアレグロ・アジタードと言う速度標語と発想記号を用いた楽曲はありません。本来はアレグロ・アジテートが主流だからです。
この用語が使われたのは実はかなり最近であり、ボーカロイドが発祥です。
2008年にニコニコ動画で発表された楽曲「炉心融解」
こちらの歌詞にアレグロ・アジテートと言う言葉が使われています。
アレグロ・アジテート
耳鳴りが消えない 止まない
アレグロ・アジテート
耳鳴りが消えない 止まない
誰もみんな消えてく夢を見た
真夜中の 部屋の広さと静寂が
胸につっかえて
上手に 息ができなくなる
こちらの楽曲からアレグロ・アジテートが「煽るように速く」と言う用語として定着してきたのではないでしょうか。
楽曲としては非常にクオリティも高いので、是非聴いてみてください。