カノンコード(カノン進行)とは何?意味や代表的なカノンコードの曲をご紹介!
名曲にカノンコードありと言われる王道のコード進行についてまとめてご紹介します。その音の「仕組み」と実際の「カノンコードの曲」を聴きながら、その効果を検証して行こうと思います。このコード進行を理解すれば名曲を生み出すことも可能です。
カノンコード(カノン進行)とは?
カノンコード(カノン進行)とは、ヨハン・パッヘルベルのカノンで出てくるコード進行のことである。
ギターで表現すると・・・
もう少しわかりやすく、ギターのコードだと例えばこんな感じのコード進行になります。
D - D on C# - D on C - B7
上記のコード中に「on C#」と言う記述が出てきます。これは「コードはDだけれども、ベースの音はC#です」と言う事を意味します。コードのベース音に注目すると「カノン進行とは?」と聞かれた時に答えやすいです。
このギターコードのベース音の変化だけ抜き出すと
D - C# - C - B
レ-ド#-ド-シ
となります。この音をピアノ鍵盤で見ると「半音づつ下がっている」のがわかります。こういうコード進行が「カノンコード」だと理解すると良いと思います。
カノンコードの曲一覧
先の説明を意識して実際に「カノンコードの曲」を聴いて見て下さい。「カノン調」とはどういう感じの響きになるのかを確認してみてください。
「カノンの法則」に則った曲を「JPOP」「アニソン」「クラシック」をそれぞれご紹介します。
JPOP
LOVE LOVE LOVE / Dreams Come True
この曲はイントロが終わった後の「Aメロ」と言われる、歌い出しの部分がカノン調になっていますので、そこを意識して聴いてみてください。
スターライトパレード / SEKAI NO OWARI
この曲もカノン調です。使ってる箇所は冒頭の歌い出しのAメロ部分です。いきなり登場します。この曲の場合、ギターのコード進行は
D-DM7-D7-B7
になります。分解すると、Dのベース音は「レ」でDM7の「7」の音は「ド#」で、D7の「7」の音は「ド」、B7のベースの音は「シ」で「半音下げ」の動きになるので、これもカノン調なのです。
アニソン
アニソンでも「カノンの法則」が成り立っているのかを代表的な曲から見ていきます。
ようこそジャパリパークへ / どうぶつビスケッツ×PPP
この曲でも随所に「カノン調」が入ってますが、一番わかりやすい所だとこの部分です。Bメロ部分の
Bm7-5 B♭m6 Am7 F#dim
”けものはいても のけものはいない ほんとのあいは ここにある”
のコード進行になるます。全部コードは違いますが、コードのベース音を見ると「半音づつ下げた」コード進行になっています。
「カノンの法則」はしっかりアニソンでも王道コード進行として使われています。
クラシック
カノン / パッヘルベル
これが「カノン調」と言われる原曲になります。コードはありませんが、冒頭から「半音下がり」のフレーズが登場します。
カノン進行以外の代表的なコード進行
「カノンの法則」以外でもヒット曲に使われているメジャーなコード進行として「小室進行」「王道進行」をご紹介します。
小室進行
90年代に活躍した作曲家でTM Networkのリーダー小室哲哉さんが多くの曲で使っていたコード進行です。このコード進行を「小室進行」という呼び方をしています。
このコード進行は今でもヒット曲の多くで使われている万能なコード進行です。小室さんが多様していた事から、今では「小室進行」と呼ばれるまでになりました。
その特徴的なコード進行は「Am-F-G-C」の形になります。特徴的なのは「Am-F」の部分の展開です。最近の曲でもこの「小室進行」はヒット曲の定番と言えるコード進行になっています。
サイレント・マジョリティー / 欅坂46
「小室進行」が登場する場面はサビの部分になります。
”君は君らしく行きていく自由があるんだ”
の部分が
Fm-D♭-E♭-A♭
のコード進行になっています。キーを+4すると、
Am-F-G-C
になります。
王道進行
正にコード進行の王道です。近年のJPOPのヒット曲はこの「王道進行」の割合が高いです。むしろ、ヒットしたいなら「王道進行」を使うべきとも言われるコード進行です。
そのコード進行は以下のような動きになります。
FM7-G7-Em7-Am
です。主にサビで使われる事が多いようです。
やさしさで溢れるように / JUJU
名曲中の名曲です。多くの人にカバーされた名曲です。その称号に相応しく、きっちりサビで「王道進行」が登場してます。
”あなたを包むすべてが やさしさで溢れますように”
D♭M7-E♭onD♭-Cm7-Fm7
となっています。原曲のキーを+4すると、
FM7-GonF-Em7-Am7
となります。見事な迄のハマりっぷりです。
まとめ
「カノンコード」と言われるコード進行を中心に見てきました。同じコード進行でも、そこに乗せるメロディーは様々です。
コード進行自体は同じものを使っても「パクリ」にはなりません。むしろヒット曲を研究し、そのコード進行を拝借して、自分のメロディーをあてる事が出来れば名曲を生み出すことも可能なんだという事がわかった気がします。
ここに上げたコード進行以外にも多数あります。オリジナル曲を作る時は「コード進行」を借りてきて、そこから作っていくという手法も取れそうです。
日本の音楽史を振り返ると、過去のヒット曲はこの「カノン進行」を使ったコード進行が多いのです。逆に言えば、このコード進行を使って曲を作るとヒットしやすいとも言えます。