あなたは知っている?『テクノ』と『テクノポップ』の違いについてご紹介
『テクノ』と『テクノポップ』、この2つの違いを皆さんはご存知ですか?実はこの2つは別物なのですが、同じものとして認識されていることも少なくありません。今回は、意外に知られていない『テクノ』と『テクノポップ』の違いについてご紹介したいと思います。
『テクノ』『テクノポップ』名前は似てるけど同じ?それとも違うもの?
『テクノ』と『テクノポップ』。
どちらも音楽のジャンルを分類する言葉ですが、もしかしたら『テクノ』は『テクノポップ』を略したものであったり、この2つは同じものと認識している方も多いのではないでしょうか。
実際には、『テクノ』と『テクノポップ』は違うものです。
名前が似てるため同じものと勘違いしてしまうことも多くありますが、では『テクノ』と『テクノポップ』はどう違うのでしょうか。
それぞれの音楽性や成り立ちについて
『テクノ』と『テクノポップ』は、それぞれ成り立ちや音楽としての目的は違い、本来は別のものとして認識されるものです。
まずは、この2つのジャンルの違いについて、それぞれ解説していきたいと思います。
テクノについて
『テクノ』とは、いわゆるダンスミュージックと言われるものです。
『テクノ』はアメリカ・ミシガン州のデトロイト発祥のクラブミュージックを表します。
『テクノ』や『テクノポップ』に詳しい方にとっては、”『テクノ』といえばデトロイト”という方も多いのではないでしょうか。
クラブミュージックとはシンセサイザーなどの電子楽器を使用して、クラブなどの場で聴衆を踊らせるために作られた音楽のことです。そのため、テクノとはダンスミュージックとしてエンターテイメントの場で用いられることを主な目的として生み出された音楽となります。
1970年代から1980年代にかけて日本で『テクノポップ』のブームが起こり、その後1990年代になって新たなジャンルとして出現したのが『テクノ』というものです。
こうして、『テクノポップ』がまず日本で流行し、その後続けて『テクノ』というジャンルが出現したことで、この2つのジャンルをルーツにするアーティストも後に多く現れたために『テクノ』と『テクノポップ』が混同して認識されることも多くなり、ジャンルの違いが曖昧になっていったとも考えられています。
テクノポップについて
一方でテクノポップとは、楽曲に電子が気を使用したポピュラー音楽のことです。
『テクノ』がそもそもアメリカで発祥したものである一方で、『テクノポップ』とは和製英語で主に日本での音楽のジャンル分けでのみ使われる言葉でもあります。
『テクノポップ』という言葉が生まれたのは1978年で、歌手や音楽評論家として知られる阿木譲がドイツ出身の電子音楽グループであるクラフトワークが1978年にリリースしたアルバム『人間解体』を評論する際に『テクノポップ』という言葉を使ったことが起源とされています。
その後、YMOとしても活躍する坂本龍一がこの『テクノポップ』という和製英語をさまざまな場所で使用するようになったことで世間にもこの言葉が広まったと考えられているのです。
『テクノポップ』の代表的アーティストであるYMOが1980年代に活躍し、その後P-MODEL、ヒカシュー、プラスチックスが”テクノ御三家”と言われるようになりました。
『テクノ』がアメリカのデトロイト発祥である一方で『テクノポップ』とはその言葉自体が日本で生まれた造語であり、その起源から大きく異なっているのです。
代表的なアーティスト、その楽曲についてご紹介
『テクノ』と『テクノポップ』は世間でもその違いが正しく認識されていないことも多く、アーティストのジャンル分けについても曖昧になっていることが少なくありません。
ここからは、『テクノ』と『テクノポップ』について、代表的なアーティストをそれぞれご紹介していきたいと思います。