「ブルースっていいよね!」…ブルースってどういう音楽なの?音楽性の解説からブルース名曲のご紹介
ブルース、とは音楽好きであればご存知のジャンルかと思います。それではブルースとはいったいどんな音楽なのか、どんなジャンルに影響を与えたのかを、ルーツやその背景などを絡めながらご紹介しています。また、ブルースのおすすめ代表曲についてもまとめました。
音楽ジャンルとして一度は聞いたことのある「ブルース」。
ブルースとは一体どういう音楽なの?
「洋楽」の一つのジャンル、ブルース音楽は「悲しみ」や「孤独感」といった感情を表現するものであり、言葉の由来は英語の「blue(悲しい気持ちを表す意味)」からきています。
ブルース発祥の地は19世紀後半のアメリカ、特に南部の地域で、奴隷として働かされていたアフリカ系アメリカ人たちによる故郷を想う曲、あるいは労働歌、などから発展した、と言われています。
ブルースは主にギターをバックに歌をのせる形式となっています。また、一般的な構成としては12小節形式(A・A・B )で歌われることが多いです。A・A・Bとは同じメロディーを4小節分、それを2回繰り返したあとに締めの歌詞を歌う、という形式です。そしてこの形式はその後ロックミュージックに多大な影響を与えていくことになります。
ブルースのルーツを辿る
ブルースのルーツは、上記しましたように、アメリカで1865年まで行われていた奴隷制度時代に、ここに連れてこられていた多くのアフリカ系アメリカ人たちによる「ワークソング」「フィールドハラー(農作業時の叫び声という意味)」が起源となっています。辛く厳しい労働をなんとか乗り切ろうと、故郷への想いや辛い気持ちを故郷の旋律で歌うことで消化しようとしたんですね。
ですから、ブルースとは当時奴隷として働かされていたアフリカ系アメリカ人たちの、いわば魂の叫びともいえる音楽でしょう。
また、ギターが主流だったというのも、当時彼らの身近にあった楽器がギターだったからなのです。そしてブルースが本格的に知られるようになったのは1900年代に入ってから、つまり奴隷制度が終わってからのことでした。
これをルーツに、アコースティックギターによる弾き語りが主流の「デルタ・ブルース」や「カントリー・ブルース」、エレキギターを使用し、バンド形式にまで発展した「シカゴ・ブルース」など、多岐にわたって展開されていくことになります。
なお、ブルースとしての最初のレコーディングは1920年のメイミー・スミスによる『Crazy Blues』と言われています。
ブルースとジャズの違いとは?
ブルースとジャズとはリズムが違う
ブルースとジャズ、この2つの音楽は似ているようですが本質は大きく異なります。この2つの音楽ルーツはどちらもアメリカ南部ではありますが、ジャズが楽器メインで演奏される音楽なのに比べ、ブルースは上記しましたように主にギターを伴奏に歌をのせていくスタイルの音楽です。
また、ブルースをより大衆的に、またエンターテイメントの方向に持っていったのがジャズ、とも言えます。
そしてブルースとジャズはリズムも異なるのです。ブルースはシャッフルビート、そしてジャズは4ビートが基本です。この差は、ブルースは跳ねる感じがするのに比べ、ジャズは跳ねない、と覚えておくといいでしょう。実際聴き比べてみると言葉で並べるよりは分かりやすいかと思います。
ブルースとジャズとはロックへの影響力が違う
ブルースのリズム、そして精神はそのまま、ロックミュージックへと発展し、影響を与えました。ロックミュージックのほとんどはブルースにルーツがあると言っていいでしょう。
しかしロックはジャズからの影響というものはほとんど受けておらず、逆にジャズがロックから影響をうけてモダンジャズやフュージョン、ジャズロックというジャンルが発生することになったのです。