【WANIMA】の「1106」はKENTAが祖父へ送った歌?歌詞に込められた想いとは一体
WANIMAといえば、ポジティブでノリがいいバンドというイメージですが、そんな彼らの名曲と言われているのが『1106』という楽曲です。WANIMAを知らない人にもぜひ一度聴いてほしい楽曲なのですが、『1106』にはどのような想いが込められているのでしょうか。
人気の3ピースバンドWANIMA
熊本出身のバンド、WANIMA。
驚異的な勢いで知名度を上げ活躍する彼らの勢いには、どこまで行ってしまうのかとファンも驚くほど。
メンバーの親しみやすいキャラクターと心地いいロックサウンド、太くやんちゃで、時には温かく響くKENTAの歌声など、リスナーを惹きつける魅力をたくさん持ったバンドです。
メンバー全員が熊本出身で、結成は2010年。2014年にPIZZA OF DEATH RECORDSと契約。2018年1月にメジャー1stアルバム『Everybody!!』をリリース。このアルバムはオリコンの週間アルバムチャートで1位を獲得しました。
2017年には「タウンワーク」のCMソングに『ララバイ』が起用され、CMに松本人志とともにWANIMA本人も出演して話題になったり、2018年には関ジャニ∞に『ここに』を楽曲提供。
2019年には映画「ONE PIECE STAMPEDE」の主題歌に楽曲『GONG』が起用されるなど、バラエティに富んだアプローチで活躍しています。
「1106」はKENTAがある人物に向けて送った曲らしい
『1106』と言えば、WANIMAの代表曲の1つです。読み方に迷うタイトルですが、「いちいちぜろろく」とそのままの数字の読み方となっています。
2014年10月22日にリリースされた1stミニアルバム『Can Not Behaved!!』に収録されており、メジャー以前の楽曲でありながら今でも1番の名曲と評価されています。
『1106』は”拝啓”という言葉で始まり最後は”敬具”で終わる、手紙を思わせる歌詞となっています。
手紙であれば送る相手がいるはずですが、実はこの曲はボーカルのKENTAが亡くなった祖父へ向けて作ったものです。
KENTAの祖父は漁師をしており、命日が11月6日であることから”1106”というタイトルがつけられました。
YouTubeには『1106』のMVが公開されていますがこれはWANIMAにとっての初のMVで、実際にKENTAの祖父が漁をしていた熊本の海で撮影されました。
歌詞に込められた想いとは
亡くなった祖父へ贈る歌。
そう知って歌詞を読むと、言葉の一つ一つが温かく胸に染みます。
拝啓
新しい生活に慣れてきたところでしょうか?
心配な事は沢山ありますが そっちに海はありますか?
"拝啓"という言葉から手紙のように始まる歌い出し。
おじいちゃんは海と共に生きてきた人。そんな人柄が何気ない言葉からも伝わってきます。
子守唄はトントン船の音
沖に向かう 晴れの日も雨の日も曇りの日も
"トントン"と鳴る"船の音"。
KENTAにとってそれは、音だけでもおじいちゃんの存在を感じさせる心地よくて大好きな音だったのではないでしょうか。
勢いのついたAメロから、まさに"子守唄"のように優しく静かに歌い上げるBメロ。
そこから展開するサビの広がるような雰囲気は、まさに雄大な海を感じさせます。
海のように偉大な存在のおじいちゃん。
大切な人を失った、忘れられない日。
乗り越えることのできないほどの別れの痛みを歌にして、自分の中で受け入れようとする。そんなKENTAの思いやおじいちゃんとの関係を想像すると、胸が打たれ思わず涙腺が緩みます。
風は冷たく格子戸揺らす 隙間風で冷えた身体を
弱音ひとつ吐かず海へと向かう
平気なフリに何度助けられただろう…
今ではこれだけ多くのファンを抱えて活躍するWANIMAですが、もちろん音楽の道を進むというのは簡単なことではありません。
音楽のことだけでなくても、人は生きていればたくさんの壁にぶつかります。
そうして行き詰まってしまう日々の中でも、毎日海に出ていくおじいちゃんの姿はKENTAにとって本当に憧れる存在だったのではないかと思います。
”弱音ひとつ吐かず”、”平気なフリに何度助けられただろう”という素直な歌詞。これは、逆に言えば弱音を吐きたくなってしまうようなことがたくさんあったということにも読み取れます。
そんな自分の弱さを隠さず表現し、それによっておじいちゃんの偉大さや尊敬、愛情をめいっぱいに表現する。
KENTAがどれだけおじいちゃんのことが好きなのかが、曲のどの部分を取ってもひしひしと感じられるのです。
遠く驚く程に遠く 旅立つあなた遥か彼方
ねぇ想うように歌えばいいと 思い通りならない日を
何処に居るかわかるように 気付くように手を振る…
碇をおろした場所からも 見えるように手を振る…
敬具
”敬具”で締められたおじいちゃんへの思い。
誰にだって、失いたくない大切な人がいます。
その人との別れや、離れ離れになっても消えることの思いをまっすぐに綴った歌詞が多くの人の心を打つのです。
まとめ
私はこの歌がおじいちゃんへ贈る歌であると知ったときおじいちゃんが漁師であることは知りませんでしたが、それでも歌詞の内容からきっと漁師をしていた人なのだとすぐに読み取ることができました。
それは、誰よりもおじいちゃんのことが好きだったKENTAの想いが詰まった歌詞だからという部分もあるのではないかと思います。
なかなか受け止めきれない別れというものを、なんとか受け入れて消化する。この歌には、辛いことを乗り越えていこうという温かいメッセージが込められており、優しく背中を押してくれるのです。