音楽記号「スタッカート」の意味を解説!スタッカートを使った曲・似た意味の音楽記号をあわせてご紹介
スタッカートとは?クラシック音楽の楽譜にはよく出てくる音楽記号ですね。ここでは、音楽記号「スタッカート」の意味と、スタッカートに類似した意味の音楽記号をご紹介します。スタッカートを使った曲も掲載していますので、演奏方法の参考にしてください。
音楽記号「スタッカート」
「スタッカート」の意味
スタッカート(staccato)とは、音楽のアーティキュレーション(*1)に関する音楽記号のひとつです。
イタリア語で「分離している」という意味で、音を短く切って演奏することを指示する記号です。
スタッカートの対語は、レガート(*2)です。音の長さの目安は、音価の1/2程度とされています。
また、音を強調させたいときにもスタッカートが使用されます。スタッカートには、何か表情を付けて欲しいという意図があります。単に音を短く切る演奏で終わりにするのではなく、スタッカートの付いている音をより聴かせようと意識して演奏することが大切です。楽曲ごとに、どのように弾くとベストなのか考えてみてください。
ピアノでいえば、軽めに弾く方が良い場合もあれば、幅広い音で弾く方が良い場合もあります。むしろ、テヌートで弾く方が良い場合もあります。
(*1)アーティキュレーションとは、音と音のつなぎ方や切り方でフレーズに表情を付けることです。
(*2)レガートとは、音と音との間を途切れさせることなく、滑らかに演奏するよう指示する記号です。
譜面上のスタッカートの表現方法
スタッカートは、音符の上、もしくは下に、点(・)を付けて表現されます。
「staccato」あるいは「stacc.」と文字で書かれている場合もあります。
スタッカートを使った曲
スタッカートを使った曲は数多くありますが、ここではピアノ曲から2曲ご紹介します。
ドビュッシー アラベスク 第2番
アラベスク第2番では、曲中に、いろいろなスタッカートが出てきます。
わかりやすそうな部分のみ取り上げますと、まず最初は、軽やかなスタッカートで始まります。
2分49秒~3分15秒あたりは、丁寧で落ち着いた感じのスタッカート、3分17秒~28秒あたりでは、前にどんどん進んでいくような動きのあるスタッカートといったように、スタッカートにより、様々な表情を表現できるということがおわかりいただけると思います。
シューベルト 楽興の時 第3番
こちらは、初めから終わりまで低音の安定感のあるスタッカートが響きます。
「スタッカート」に似た意味の音楽記号
スタッカートに似た意味の音楽記号を、3つご紹介します。
メゾスタッカート
メゾスタッカート(mezzo staccato)とは、スタッカートとレガートの中間のイメージで、1つ1つの音を柔らかく区切って演奏することを指示する記号です。
音の長さの目安は、通常のスタッカートよりは長めで、音価の 3/4 程度とされています。
譜面上のメゾスタッカートの表現方法
譜面上のメゾスタッカートの書き方には2種類あり、音符の上、もしくは下に、次のいずれかを付けて表現されます。
- スタッカート記号(・)とスラーの組み合わせ(ポルタートと同じ表記)
- スタッカート記号(・)とテヌートの組み合わせ
スタッカーティッシモ
スタッカーティッシモ(staccatissimo)は、スタッカートよりも鋭く音を切って演奏することを指示する記号です。
マルテッラート(martellato)とも呼ばれます。
音の長さの目安は、音価の 1/4 程度とされています。
譜面上のスタッカーティッシモの表現方法
スタッカーティッシモは、音符の上、もしくは下に、くさび形の記号を付けて表現されます。
アクセントスタッカート
アクセントスタッカート(accent staccato)とは、その名のとおり、スタッカートとアクセント(*1)の両方を兼ね合わせたもので、簡単にいえば強く短く演奏するよう指示する記号です。
(*1)アクセントとは、英語で、他の音より際立たせるように強調して演奏することを指示する記号です。
譜面上のアクセントスタッカートの表現方法
アクセントスタッカートは、音符の上、もしくは下に、スタッカート記号(・)とアクセント記号(>や∧)を付けて表現されます。