【Avicii】愛を歌う名曲『Waiting for Love』に込められた意味を徹底考察!
28歳という若さでこの世を去った、EDM界のスーパースターAvicii。今回は、EDMという音楽をこよなく愛したAviciiの「Waiting for Love」という曲をご紹介。「Waiting for Love」に込められたメッセージも徹底考察します!
2ndアルバムに収録された人気の名曲『Waiting for Love』
イギリスのバンドCherry GhostのボーカルであるSimon Aldred (サイモン・オールドレッド)をフィーチャーした、2015年リリースの2ndアルバム『Stories』に収録されている作品。Youtubeの公式MVの再生回数は7億万回超(20/3/9時点)。
「Waiting For Love」は、人気DJランキングで1位を獲得しているオランダ出身のDJであねMartin Garrix(マーティン・ギャリックス)との共作。作詞作曲ともに二人で手掛けています。
この曲もメッセージ性が強く、また天才Aviciiの感性が遺憾なく発揮されている作品と言えます。
ダンス・ミュージックではないけど、バラードでもなく、切なげでもあり、力強くもある。
この独特な世界観がAviciiらしさでもあるのかもしれません。
冒頭もピアノから始まり、間奏やアウトロを除きシンセなどのEDMらしさ控えめで、全体的にボーカルが引き立つようなサウンドになっています。
PVでは、老いた妻が夫の世話をしているシーンから始まります。その後、妻がいないなことを知り取り乱した老人はスクーターに乗って妻を探しに出かけます。妻を想いながら旅する道中にさまざまな出会いと経験を経て、無事に故郷に帰還。待っていた妻と再会を果たす…そんな内容になっています。
このドラマ仕立てのPVは、「Waiting for Love」の歌詞の内容に沿ったストーリーになっています。
それでは、英語歌詞と日本語和訳をご紹介します。このPVの内容と重ね合わせながら考察してみたいと思います。
『Waiting for Love』に込められた意味を徹底考察
「Waiting for Love」の和訳(直訳)は“愛を待っている”です。
ここでの愛は、普遍的な愛であり、真実の愛です。その愛によって人は突き動かされ、生かされる。
この曲では、恋愛に限らず、人と人をつなぐ愛、“絆”が一つのモチーフになっているようです。
意志ある所に道は開ける
Where there's a will, there's a way, kinda beautiful
And every night has its day, so magical
And if there's love in this life, there's no obstacle
That can't be defeated
For every tyrant a tear for the vulnerable
In every lost soul the bones of a miracle
For every dreamer a dream we're unstoppable
With something to believe in
「意志ある所に道は開ける」とはなんて美しい言葉だ
どんな夜もやがて朝になる まるで魔法みたいだ
この人生に愛があれば どんな障害だって乗り越えられる
出来ない事なんて何もない
悪人でも傷ついて涙を流すことがある
魂を失った心の中にも 果てしない奇跡がある
夢追い人の夢は止められない
何かを強く信じている人なのだから
"Where there's a will, there's a way"とは、英語のことわざで、第16代アメリカ合衆国大統領リンカーンの名言でもあります。
PVに出てくるおじいさんも、そんな一念で家を飛び出したのでしょうね。まさに“愛は無敵”です。
たとえ暴君のような悪人であっても、何かを強く信じて起こす行動は誰にも止めることは出来ない。
この老人の突拍子もない行動も止められないということですね。
愛を待っている
Monday left me broken
Tuesday I was through with hoping
Wednesday my empty arms were open
Thursday waiting for love, waiting for love
Thank the stars it's Friday
I'm burning like a fire gone wild on Saturday
Guess I won't be coming to church on Sunday
I'll be waiting for love, waiting for love
To come around
月曜、僕の心は折れていた
火曜、希望を持つのを諦めた
水曜、空っぽの腕を広げ
木曜、愛を待っている 愛を待っている
ようやく金曜が来たことに感謝する
土曜、僕は炎みたいに燃えていた
日曜、教会に行く時間なんてないだろう
愛を待っている 愛を待っている
愛が来るまでこうして待っている
月曜から水曜までは喪失感に打ちのめされています。
多くの会社員も週の前半は同じような心境かもしれませんね。
ようやく週の後半に入った木曜、希望を見出し力が湧いてきます。そして、待ちに待った金曜を経て、テンションは最高潮!
これは人の心の変容を一週間で例えたものなのでしょう。
悩み苦しみ挫折した後、何かを強く信じられたとき、人は再び前を向くことができます。あとは突き進むのみです。
愛があれば僕たちは負けない
We are one of a kind irreplaceable
How did I get so blind and so cynical
If there's love in this life we're unstoppable
No, we can't be defeated
僕たちはかけがえのない存在さ
なのにどうして盲目になり こんな皮肉屋になったんだろう
この人生に愛があれば 障害なんてなくなる
愛があれば僕たちは負けない
PVの最後は、多くの人に歓迎されおじいさんはおばあさんと再会します。
もしかしたら、突然いなくなったおばあさんは亡くなってしまったのかも?そしておじいさんも…。
真偽のほどは定かではありませんが、愛する人と再会できたのは、ひとえにおじいさんにおばあさんを必ず見つけるという信念があったからです。
それにしても、彼の行動は“Wating”とは正反対に、かなり能動的でアクティブですね。
ここでの“Wating”は、何かを強く信じている心理的状態のことなのかもしれません。“Love”も愛という意味だけでなく、誰かや何かを深く想う心、願いや祈りなどを象徴しているように感じます。
Aviciiもまた、自分の信念のままに我が道を突き進んだ一人だったに違いありません。
「Waiting for Love」の歌詞、和訳、PVで描かれたドラマから鑑みるに、この曲はAviciiからの夢追い人たちへのエールだったのではないでしょうか。
Avicii『Waiting for Love』のまとめ
今回はAviciiの「Waiting for Love」をご紹介しました。
愛があれば、強く信じる心があれば、どんなことも乗り越えられる!
そんな熱いメッセージが込められた素敵な曲です。
歌詞の解釈、音楽の味わい方は人それぞれ違っていいと思います。
歌詞の意味に拘らず、新たなEDMサウンドを楽しんでもいいし、いろんな人の和訳を参考に独自の解釈を深めてみるのもありです。
Aviciiは純粋にEDMという音楽を愛していました。同時に、音楽を愛する人たちを愛していました。
だからこそ、このような作品が生まれたのだと思います。
今さらですが、EDMは「Electronic Dance Music(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)」の略です。
EDMの主役は、音楽を全身で楽しみ心のままに踊る観客たちです。
この曲のように、少し考えさせられる曲もあれば、何も考えないことを促す曲もあります。そのどちらにも、彼らからのメッセージが込められています。
今やEDMはジャンルの垣根を超え、世界の音楽シーンの中核を担っています。
これまで食わず嫌いをしていた方も、今回ご紹介した「Waiting for Love」やAviciiをきっかけに、ぜひ他のEDMも聴いてみてください。きっとお気に入りの曲が見つかるはずです。
最後に、同曲の別バージョンのPVもご覧ください。
こちらはアニメーションで、犬と飼い主の絆が描かれています。こちらのストーリーの方が分かりやすいかもしれないですね。
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