【平井堅】綺麗事だけではない、深い想いを込めた『ノンフィクション』とは？歌詞から徹底考察

平井 堅（ひらい けん）は1972年1月17日生まれの日本の男性シンガーソングライター。

大阪府生まれの三重県名張市育ち、身長183cmとスレンダーなイケメンでも有名ですよね。

三重の県立高校を卒業後、上京し横浜の大学に在学中から横浜市関内のライブハウス専属の歌手などとして活動する傍ら、Sony Music Entertainmentのオーディションに自作ビデオを応募し、入選したのをきっかけに1993年よりソニーレコードと契約しています。

在学中から歌手としても活動していたということで、その実力は当時から認められていたんですね。

1995年にCDデビューし、1枚目のシングル「Precious Junk」はフジテレビドラマ『王様のレストラン』のタイアップであったものの、あまり話題にならずオリコン最高50位止まりでした。

その後も目立ったヒット曲には恵まれず、シングルの出荷枚数が1万枚以下という時期さえありました。

それでも平井堅は、地元FM三重の番組でパーソナリティをつとめたり、デビュー翌年には『オールナイトニッポン』のジングルを担当したり、地道な活動をコツコツ行っていました。

しかし2000年、これが売れなければ契約を打ち切ると事務所に宣告され、平井堅の歌手生命をかけてリリースした8枚目のシングル「楽園」のテレビCMに、同じ所属事務所の江角マキコが出演したことで問い合わせが殺到し、スポーツ新聞や音楽メディアなどに大きく取り上げられ、危機一髪難を逃れました。

もともとそのCMは北海道・福岡県のみ地域限定で放送されていたものでしたが、この大きな反響により全国放送が決定し、すぐにFM各局でも楽曲が注目されて見事に大ヒットすることができ、世間でも多くの年代に知られるきっかけとなりました。

代表曲は、「瞳を閉じて」「POP　STAR」など

平井堅はしっかりと芯のある裏声が心地よい声質で、とてもドラマチックな歌い方をしています。

多数アーティストのカバーも沢山されてますが、どの曲も平井堅ワールドに塗り替えられてしまうほど。

ご自身の歌い方をしっかり持っている方なんですね。

さて、今回は平井堅の「ノンフィクション」に注目していきたいと思います。

 

フィクションとは架空のできごと・人物・舞台を背景に進められる物語のことで、一方でノンフィクションとは実際起こった出来事や記録に基づいた文章や映像などのことを指します。

この楽曲は、平井堅自身の悲しい経験がもとに作られたと言われており、「自ら命を絶ってしまった友人のこと」とTBSドラマ『小さな巨人』の世界に合わせて書き下ろした歌詞に仕上がっています。

以前、自身が出演したテレビ番組でそのように話していたそうです。

ドラマでも描かれていた、深い悲しみや、その中で生まれるわずかな希望、闇に包まれた灰色の世界、どうしても向き合わなければいけない辛さ、それを自分の力何とか明るい色に変えてみたい！そんな心の底で抱く感情を掘り起こす力がこの楽曲で描かれており、多くの共感を生みました。

さて、「ノンフィクション」の歌詞に込められた意味を徹底考察していきたいと思います。

動画を見て頂ければわかりますが、この曲の曲調はmajorキーなので、一見明るい曲にも聞こえますが、歌詞だけ読み解いていくと、とても辛く悲しい気持ちになります。

普段口に出して言えませんが、心の中ではつねに周囲と比べたがる人が殆どです。

あの人は夢を叶えられて凄いな、自分は何やってるんだろう・・・。

劣等感と闘っている主人公の気持ちが表れていますね。

家にいると、とりあえずテレビをつける。

見たい番組があるわけではないけど、とりあえずテレビをつける。

そんな方は沢山いると思います。

きっと、音のない生活が寂しいから自然と依存してしまっているんです。

でも、そんな生活ばかりしていて、何もしていない自分に気づいた時に、ふと生きる事を辞めたいなと思ってしまうんでしょうか。

サビの部分の歌詞、「僕はあなたに　あなたに　ただ会いたいだけ」

このフレーズがこの先何度も出てきます。

とにかく、もう会えなくなってしまった人（友人）への会いたい感情が溢れ出ていますね。

なぜ、居なくなってしまったのでしょうか？

いつも一緒に歩いていた道を一人で歩きながら、本当の真実が知りたい、そんな感情がこみ上げてきたのかもしれません。

人生は思い通りにいかない事のほうが多いです。

筋書き通りにいかない毎日にイライラして自己嫌悪に陥り、充実している人や忙しく仕事をしている人を眺めて、何も前に進んでいない自分に絶望している様子がうかがえます。

消えそうな炎とは、主人公の心の灯でしょうか？

生きる事に疲れたけど、まだ頑張りたい、でも苦しい、そんな事を繰り返しながら必死に生きているんだと思います。

２コーラス目のサビ冒頭「人生は悲劇ですか？」

このフレーズは衝撃的ですね！

どれだけ辛い事があったんでしょうか？

鞄の奥で鳴る鍵とありますが、鍵から普通音は鳴りません。

音の鳴る鍵なんでしょうか？

それとも鍵に付いているキーホールダーなどが鞄の中で何かとぶつかって音が聞こえているのか謎だらけです。

カラスは「カー、カー」と鳴くと、近くにいるカラスも触発されて同時に鳴き始めることがあります。

辛い時にカラスの鳴き声を聞くと、余計に悲しくなったりどん底に落とされた気分になるので、その情景を上手く重ねていますね。

ラストのサビです。

「秘密、涙、ひとり雨」

ちょっと演歌っぽいフレーズが続きますが、このメロディーにとてもハマっています。

居なくなってしまった人の秘密をどうしても知りたい、でも分からない、このまま知らないままは嫌だ、何とかしたいけど、どうしようもない、涙しか出ない、そんな気持ちが伝わってきます。

効かないクスリとありますが、もしかしたら病気で苦しんでいたのかもしれませんね。

「叫べ　叫べ　叫べ」と三回も出てくるのは、相当強い感情の表れで平常心がどこかに行ってしまったのでしょうか？

この主人公はかなり病んでしまったのかもしれません。

平井堅の独特な歌い方だからこそ、この曲は沢山の人の共感を呼ぶことが出来たと思います。

さて、平井堅の「ノンフィクション」の歌詞や想いについて徹底考察していきましたが、いかがでしたでしょうか？

平井堅は自身で作詞作曲していますので、彼の伝えたい思いがギュッと込められた素晴らしい楽曲が他にも沢山あります。

映画やドラマの主題歌に使われることが多く、ハッピーエンドというよりは、「ノンフィクション」のように、終わった後にちょっとモヤっとさせたり、何かを考えさせられるストーリーが良く似合います。

沢山のMVの動画や、ベストアルバムも大変おすすめですので、気になった方はぜひ調べてみてくださいね！