MIDIとは何?初心者向けに分かりやすく解説!音源との関係は?
DTMに打ち込みをする際、マウスでポチポチと入力するのは大変です。そんな時に使えるのがMIDIキーボード。そもそもMIDIとは?という方のために、MIDIとは何なのか、MIDIの使用方法を解説。そしてDTM初心者にオススメのMIDIキーボードもご紹介。
これからDTMで作曲やアレンジ作業をしたいと考えている方、MIDIをご存知でしょうか。
ただでさえDTMの操作だけでも難しいものです。が、一度MIDIを理解してしまえば、非常に簡単でDTMでの作業を手助けしてくれます。では一体MIDIとは何か?DTMとMIDIの関係とは?MIDIについて解説します。
MIDIとは
そもそもMIDIとは、ミュージカル・インストゥルメント・デジタル・インターフェイスの略語で、「ミディ」と読みます。
ただ、MIDIと言っても、MIDIデータファイルやMIDI音源、MIDIキーボード、MIDIケーブルなど様々です。まずは基礎知識として、MIDIの歴史を簡単に辿りましょう。
MIDIの歴史
MIDI規格は、日本のヤマハ、コルグやローランドなどの楽器メーカーら4社が中心となって、アメリカのオーバーハイムとシーケンシャルサーキットの、楽器メーカー2社も力を合わせ、誕生しました。MIDI1.0が公開されたのは1981年、その後MIDIの国際団体が設立されています。何と、2019年には38年の時を経て、新たにMIDI2.0が作られているとの発表がありました。
MIDIには約40年もの歴史があり、このことから「MIDIはもう古く、使われていない」という的外れな意見もあります。初心者の方がその情報を目にすれば「MIDIは時代遅れ」という認識になってしまうかもしれません。
実はMIDIとは、知らぬところで私たちの生活の中でも使われているのです。初心者の方の為に、もう少し詳しくMIDIについて解説していきましょう。
MIDIの種類
前述した通りMIDIには、規格やデータファイル、音源、コントローラー、端子などがあります。MIDIをややこしくさせているこれらの要因を、簡単に解説していきます。
MIDI規格とは
MIDI規格とは、1981年にMIDIが生まれた時の世界共通規格の事です。DTMを使用する際には特に気にする必要のないMIDI規格ですが、MIDIの歴史として知っておいて損はありません。
MIDIデータファイルとは
MIDIデータには、オーディオファイルであるWAVやMP3と違い、演奏情報が記録されています。演奏情報とは「何小節目の何拍目の何分音符の何の音か」「音量や音の強さ」の様な、DTM上の楽器の動きの情報のことです。MIDIデータは入力してからでも、自由に音程や音色を変えられるのが強みになります。
オーディオファイルは演奏を録音したものであるため、間違えてしまった場合や譜面の変更、後からテンポの変更・転調があった際に、うまく対応できません。MIDIデータファイルであれば、書き出してからでも簡単に変更可能です。
音楽雑誌の付録として、プロの作曲家がテーマに沿って作成したMIDIデータファイルが付属されていることがあります。このMIDIデータファイルをDTMに読み込むことで、楽器がどのような動きをしているのか、プロの技術を学べるのです。
MIDIデータファイルは容量が小さいため、登場した時から様々なところで活躍しているのです。例えば、カラオケではブロードバンド普及以前から今に至るまで使用されていたり、一昔前の携帯電話の着メロに使用されていたりと、データの小ささを活かし、MIDIは活躍しているのです。
MIDI音源とは
DTMで作曲やアレンジをする際に必要不可欠なのが、MIDI音源です。オーケストラで例えると、DTMが指揮者であり、MIDI音源が楽器・演奏者です。DTMには基本的なMIDI音源が初めからインストールされており、これをソフトシンセといいます。反対にハードシンセというものは、外部とPCを接続して使用する機材です。
最初からDTMにインストールされているソフトシンセは、お世辞にも音が良いとは言えません。なので自分の好みのソフト音源を購入して、DTMに追加していくのが基本です。ソフトシンセには、ギターに特化したものや、オーケストラのストリングに特化したもの、様々なSEを収録したもの、ボーカロイドなど、非常に多くの種類が販売されています。
昨今では機材にこだわらない限りは、ほとんどソフトシンセで賄えます。ハードシンセを使うメリットは、PCのメモリに操作されないので、いつでも快適にDTM上で動いてくれることにあります。プロの現場ではデメリットとしては、機材を置く場所を取ること、PC一つで作業できないことです。
MIDIケーブルとは
MIDIキーボードと他の機材を接続するために必要なのが、MIDIケーブルです。「今、MIDIは使われていない」と言われているのは、実はMIDIケーブルが原因なのです。
昨今の機材はUSB端子で接続するのが当たり前になっていますが、昔のシンセサイザーなどの機材はUSB端子を有していません。そのためUSB端子を有していない機材は、他の機材と接続する必要がある場合に、MIDIケーブルを使用するのです。
このことから「MIDIはもう古く、使われていない」という認識が生まれてしまったのです。
MIDI端子とは
MIDI端子には「MIDI IN」「MIDI OUT」「MIDI THRU」の3種類があります。
「MIDI IN」とは、MIDIの信号を受けるための端子になります。DTMで「MIDI IN」からMIDIキーボードのMIDIの信号を受け取ると、ソフトシンセが演奏されます。反対にDTMで作成したMIDIトラックを、外部のシンセサイザーで「MIDI IN」から受け取ると、MIDIトラックの信号の通りに自動で演奏します。
「MIDI OUT」とは、MIDIの信号を送るための端子です。古いシンセサイザーやハードシンセの音をDTMに欲しい場合、USB端子が無いため、オーディオインターフェースを介する必要があります。この場合は、ハードシンセの「MIDI OUT」からオーディオインターフェースの「MIDI IN」に接続し、オーディオインターフェイスからDTMに接続することで、ハードシンセのMIDI信号を受け取れるのです。
シンセサイザーとシンセサイザーを接続して演奏することも可能です。AのシンセサイザーとBのシンセサイザーを繋ぐことで、Aの演奏がBの音色でされます。MIDIケーブルは一方通行のため、2本必要になるので注意が必要です。
MIDIキーボードとは
MIDIキーボードは、MIDI端子を備えているキーボードのことを指し、鍵盤型MIDIコントローラーと呼ばれることも。MIDIキーボードはDTMに入力するための最適なツールであり必需品です。MIDIキーボードがあれば、マウスで地道にDTMに入力する必要がなくなり、ドラムの打ち込みやギターソロなどを、キーボードで演奏するように入力出来るのです。
MIDIキーボードには大きく分けて2種類あり、一つはMIDIに出力する為だけのもので、この場合はキーボード自体からは音が出ません。もう一つは演奏にも使えるMIDIキーボードです。昔から使っていたキーボードが実はMIDIキーボードだった、なんてこともあります。
ちなみに、先ほど説明したハードシンセとMIDIキーボードが融合したものが、シンセサイザーとなります。MIDIキーボードを持っていないのならば、ハードシンセとしての機能を持つシンセサイザーを購入するのも手です。
おすすめのMIDIキーボード
MIDIキーボードやケーブルを選ぶ際、どのような基準で選んで良いのか分かりません。MIDIキーボード毎に様々な機能を有しています。 キーボードや鍵盤の大きさ、Bluetoothの有無、スマホとの連動、CC付き、など、自分が欲しい機能を持つキーボードを選びましょう。いくつか初心者の方にオススメのMIDIキーボードをご紹介します。
CME PRO 25鍵 薄型ワイヤレスBluetooth MIDIキーボード Xkey Air 25
参考価格: 28,080円
こちらの商品はCME PROというメーカーのMIDIキーボードです。25鍵とキーボードの中では小さいモデルですが、鍵盤のサイズはフルキーとなっており、ボディーは小さくとも弾きやすいキーボードとなっています。Bluetoothで接続可能でスマホとの連携も魅力的です。
持ち運んで使うことを前提に作られているので、バッテリーの持ちも良いようです。見た目もシンプルでカッコイイですね。
Alesis USB MIDIキーボード 49鍵 8パッド Ableton Live Lite付属 V49 + M-Audio フットペダル 電子ピアノ・キーボード対応 SP-2
参考価格: 14,510円
こちらは49鍵盤でフルサイズのMIDIキーボード。鍵盤のタッチは適度な重さもあり、ペダルの端子もあるため、元々キーボードを弾いていた方におすすめの商品です。ピッチベンドや、モジュレーションホイールなどのCCも、備え付けられています。
キーボードとして見ただけでも優秀な商品ですが、MIDIキーボードなので本体から音が出ないことに注意です。
Akai Professional USB MIDIキーボードコントローラー Ableton Live Lite付属 APC KEY 25
参考価格: 12,800円
この商品はパッド付きのパフォーマンス系MIDIキーボードになります。8つのノブが備え付けられており、パンやボリューム、センドなどのパラメーターをリアルタイムでコントロール出来ます。クリップの再生・録音を、DTMの画面を見ずにパッドの操作で済ませられるため、DJなどパフォーマンスでも活躍します。
DAWとプラグイン、ソフトシンセがの3つが付属するのも嬉しいポイントです。
まとめ
大まかではありますが、MIDIの基礎から様々なMIDIの種類まで紹介してきました。MIDIとは、PCで作曲やアレンジをする際には欠かせないもの、だということは分かっていただけたかと思います。
DTMを全くMIDIを知らなくとも、DTMで作曲やアレンジを行うことは可能です。ですが、MIDIを理解することで、DTMでの作業がとても快適なものとなります。
MIDIキーボードを新たに買い直さなくとも、昔から使っていたキーボードをお持ちなら、端子をチェックして見ましょう。またそのキーボードが活躍してくれる日が来るかもしれません。