音楽用語「アインザッツ(Einsatz)」の意味を解説!
音楽用語の「アインザッツ(Einsatz)」はどのようなことなのでしょうか?アインザッツをそろえるためにはどのようにしたらいいのでしょうか?
アインザッツを行う人は誰でしょうか?いろいろな音楽シーンでのアインザッツをご説明します。
音楽用語「アインザッツ(Einsatz)」の意味とは?
アインザッツとは本来ドイツ語の「挿入する」や「差し込む」という意味ですが、音楽用語では「音の出だし」「アタック」を意味します。
例えば2人以上でアンサンブルするときは最初の息を合わせないとバラバラになります。曲に出だしを合わせることを「アインザッツをそろえる」といいます。
指揮者は演奏者にずっとアインザッツを出しているという仕事です。
でも特別ことではなくて、皆さんも結婚式や会社の集まりの最後に一本締めをした経験があるのではないでしょうか?
もっと身近な例で言うと、一本締めがそろうように発声者が「いよ~」と掛け声をかけますがこれもアインザッツと言えるでしょう。一本締めが決まるとスカっとしますよね。
音楽用語「アインザッツ(Einsatz)」はいつ必要?
アインザッツがいつ必要になるかと言いますと、まず一番は演奏の始まるときです。全員で大きく演奏を始める時はもちろんのこと、静かに始める時も出始めが揃うことは演奏の良し悪しに関係します。
次に全員で休止の後また演奏が始まるときもアインザッツが必要です。
また大編成の時はある楽器が休止の後演奏に加わるときにも指揮者はアインザッツを出しています。
小編成の「アインザッツ」はどのようにするの?
この動画は弦楽四重奏です。室内楽は小編成なので指揮者がいないです。
この曲はシューベルト作曲の「死と乙女」ですが曲の出だしが強く、全員で始まるときはファーストバイオリンの奏者が弓や呼吸を使ってアインザッツを出しています。
ピタッとそろって気持ちいいですね。
大編成の「アインザッツ」はどのようにするの?
この動画は木管楽器、金管楽器、打楽器からなる40人~50人の大編成の吹奏楽での指揮です。指揮者が曲の出だしでしっかりためて指揮をしているのでどんな音が出てくるのかイメージもできます。
吹奏楽に弦楽器が加わったオーケストラは曲によっては100人くらいになる大編成です。指揮者は指揮棒だけでなく体全体を使って曲を表現しています。
ちなみにこのベートーヴェン作曲「運命」は出だしの難しい曲の一つです。指揮を見比べてみるもの面白いです。
まとめ
最後にベートーベンの第9交響曲の第4楽章の動画を見てください。12分50秒ごろに合唱が入ります。それまでずっと待っていて指揮者の合図で歌詞もはっきりと歌うことができます。
音楽でアインザッツは大切なことなのですね。