和声(ハーモニー)とは?わかりやすくご紹介

音楽を学んでいると、和声(ハーモニー)という言葉をよく耳にしませんか。和声(ハーモニー)とは一体どのような意味なのでしょうか。今回は、和声(ハーモニー)とは何か、和音の役割、和声(ハーモニー)を作る上での注意点についてご紹介します。

記事の目次

  1. 1.和声(ハーモニー)とは
  2. 2.音楽理論的に和声を分解する
  3. 3.和声(ハーモニー)を生み出す方法

和声(ハーモニー)とは

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和声(ハーモニー)とは、どのような意味なのでしょうか。
和声(ハーモニー)の意味は、和音の繫げ方や和音を作る音の配置の仕方によって生まれる響きや音楽的効果のことです。

和声を作る和音の響きは、2つ以上の音が同時に鳴った時に生まれ、組み合わせは数多く存在します。
音の組み合わせや音の配置の仕方で生まれる響きは様々です。

例えば、同じ「ド」「ミ」「ソ」を使った和音でも、基本形である「ド・ミ・ソ」と音の位置を変えた「ミ・ソ・ド」・「ソ・ド・ミ」では、音の響きが変わります。
使っている音の高さや音の広がり方でも響きは変わります。

また、和音の繋げ方でも音楽の印象は違い、聞いた時に美しく感じる繋ぎ方もあれば、違和感を感じる繋ぎ方もあります。
美しい音楽を作るために、和声学を学ぶことは大切なことなのです。


 

音楽理論的に和声を分解する

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音楽を和声で分析すると、どのような和声進行や音の動きによって、音楽効果が生み出されているかが分かります。
音楽を分析することができれば、自身の演奏や曲のアレンジ・作曲の際に、音楽がより一層楽しくなるでしょう。


 

ローマ数字を使った和音記号

楽曲を和声分析する時に、どのような和音が使われているかを示す必要があります。
まず、音階を構成する音の上に三和音を作ります。
 

クラシック音楽の和声分析では、それぞれの和音を主和音から数えてⅠ〜Ⅶまでのローマ数字で表します。 
どの調でも主和音が必ずⅠの和音になり、和音の役割が分かりやすいのが特徴です。

基本となる和音の構成音に変化があると、数字や斜線、+や⚪︎などを用います。
それぞれの和音には固有の響きがあり、様々な音楽効果を生み出します。

コードネームを使った和音記号

コードネームを使った和音記号

アルファベットによるコード表記はジャズの分野で生まれた和音記号です。
ジャズやポップスの音楽で使われ、記号を見ただけで和音の構成音が分かるため、伴奏がつけやすいのが特徴です。
「ラ」から始まる音名(根音)に「A」〜「G」までのアルファベットを当てはめ、和音を表します。

コード表記の場合、調によって和音名が移動することはありません。
また、和音の特徴を表す時には、音名(根音)に記号や数字を付け足します。

例えば、長調なら major(メジャー)、短調なら minor(マイナー)が音名に付きます。
七の和音なら「7」、九の和音なら「9」、増三和音の場合にはaug、減三和音の場合にはdimや−5が付きます。

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和音の3つの機能

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音楽を聞いた時に、旋律が「つながる感じ」や「終わる感じ」がすると思ったことはありませんか。
また、旋律が終わる時に、強くて硬い印象や柔らかい印象を感じたことはありませんか。

和音は、働きによって大きく3つの役割(機能)に分類され、繋がり方によって印象が変わってきます。
3つの機能は次の通りです。

  • トニック…略記号 T。強い安定感を持つ和音。
  • ドミナント…略記号 D。トニックに繋がろうとする強い性質を持つ和音。
  • サブドミナント(プレドミナント)…略記号 S。トニックやドミナントに繋がろうとする性質を持つ。トニックやドミナントにはない、柔らかい印象を与える和音。

ハ長調の音階を基にした三和音をトニック(T)・ドミナント(D)・サブドミナント(S)に分けると次のようになります。

Ⅰ・V・Ⅳは主要三和音と呼ばれます。
それ以外の和音は副三和音(代理コード・代理和音)と呼ばれます。
 

和声を学ぶ時、多くの課題で用いられるの和声進行が、

  • T−D−T
  • T−S−T
  • T−S−D−T
です。
和声進行の型をカデンツァと言います。

しかし、弱進行と呼ばれるこれ以外の進行も存在します。
例えば、
  • Ⅴ→Ⅳ→Ⅴ( D−S−D )…トリトンの傾斜
  • Ⅴ→Ⅱ( D−S )…バッハの平均律クラヴィーアに出てくる進行
などが当てはまります。
弱進行によって、独特の音楽効果がもたらされています。

旋律の終わり方も、トニック、ドミナント、サブドミナント(プレドミナント)の使われ方で印象が変わってきます。
例えば、旋律がトニックで終わると旋律が終わった感じがし、ドミナントで終わると次の旋律に繋がる感じがします。

旋律の終わり方には以下のようなものがあります。

  • 完全終止…トニック(Ⅰ)の中でも主音で終わる終わり方。旋律が終わった感じがする。
  • 不完全終止…トニック(Ⅰ)で終わるが主音以外の音で終わる終わり方。
  • 半終止…ドミナント(Ⅴ)から主和音に進行せず、Vのままで終わる終わり方。旋律がつながる感じがする。
  • 偽終止…Vから主和音に進行せず、Ⅵで終わる終わり方。
  • 変格終止…ⅣからⅠで終わる終わり方。

和声を学ぶ時、ピアノやギターなど和音が弾ける和音楽器を使うと和声が理解しやすくなります。
実際に和音を弾いて、指と耳で和声を覚えていきましょう。

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和声分析の仕方

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和声分析をする時には、和音を構成している音(和声音)を見つけなければいけません。
そのためには、和声音出ない音(非和声音)を見極める必要があります。

経過音

2つの和声もしくは同じ和音の中で、音階に沿って2つの音を繋げている音のことです。
音階に沿って下がったり上がったりし、音の高さが元に戻ることはありません。
曲の弱拍や拍の弱部といった強拍ではない部分に使われます。
 

刺繍音

2つの同じ高さの和声音を繋ぐ、和声音と隣り合った音です。
和声音の上や下に動き、また同じ高さの和声音に戻るため、楽譜を見ると布地を縫う糸のように見えます。
経過音と同じように、弱拍や拍の弱部に使われます。 
和声音の上の刺繍音と下の刺繍音が連続して置かれることもあります。

倚音

和声音と全音から半音分隣り合っている音から始まっている場合、和声音と隣り合った音を倚音と言います。
つまり、刺繍音の非和声音から始まっていると言っても良いでしょう。
和声音の響きとちょっと違った音楽的なアクセントをつけるために、強拍や拍の強部に使われます。

掛留音

倚音が前の和音から繋がっている場合、掛留音と呼ばれます。
掛留音は次の和音の中で、和声音に辿り着きます。
次の和音への準備をしているような音とも言えるでしょう。

逸音

非和声音で刺繍音が切れている場合、逸音と言います。
強拍ではなく弱拍や拍の弱部で使われます。
経過音や刺繍音と違い、逸音と次の和声音の間が離れているのが特徴です。

先取音

ある和声音が前の和音で先取りして鳴らされることがあります。
先取りして鳴らされた音を先取音と言います。

保続音

和音が変わっても長く伸ばされている音を保続音と言います。
主にベース音で使われます。
 

和声(ハーモニー)を生み出す方法

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旋律に和声をつける時、旋律の中の和声音を見つけてみましょう。
例えばこのような旋律があったとします。

カデンツァに当てはめながら和音やベース音を決めていきましょう。
下の楽譜は片手用の伴奏です。
共通している音を保留すると自然な流れになります。

両手の伴奏にすることもできます。 

代理コードに置き換えたり、和音の前に属和音を持ってきたり、バリエーションを加えていくことが可能です。
どの和音を使うかは、どれだけ和音進行の仕方を知っているかによって変わってきます。
バリエーションを増やすためにも、和声法を学んでいきましょう。

また、音の動かし方を知っておくとよりよい響きを作ることができます。 

限定進行音

限定進行音とは、動く方向が決まっている音のことです。
音階の中で7番目の音は導音と呼ばれ、主音に向かって動きます。
ハ長調の場合は「シ」の音が導音になり、主音「ド」に動きます。
 
ただし、導音が内声にある時は上声部が主音に動き、導音が下降して動くことがあります。

連続1度・8度、連続5度

和音を付けた時に同じ音の幅で同じ方向に動くと非常に強い響きになることがあります。
連続1・8度は、全く同じ音、もしくはオクターブで動くため、いわゆるユニゾンになり、一つの旋律に聞こえてしまいます。

連続5度は、強く硬い響きになるため、和声法を学ぶときは良い動きとされていません。
しかし、作曲家が意図的に連続5度を使うこともあります。

予備や解決

不協和な音を持つ和音は、前の和音から不協和な音を保留する(予備)か、安定した響きに繋ぐと良い響きになります。
例えば、3和音の第二転回形(四六の和音)は不協和音とされ、根音と第3音が下行して次の音に繋がります。

また、七の和音も不協和音とされるため、第7音は前の和音の音を保留すると、響きがきつくなりません。
例外として、属七の和音は必ずしも第7音を保留する必要はありませんが、保留できる場合は保留をした方が良いでしょう。
 

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