撥弦楽器とはどんな楽器?起源や楽器の種類を紹介!
『撥弦楽器』という楽器のジャンルがあります。言葉はあまり聴き慣れませんが、実は私たちにとても馴染み深い楽器も含まれているようです。今回は撥弦楽器の世界に皆様をお連れして、その起源や撥弦楽器の魅力、その種類についてもご紹介していきたいと思います。
撥弦楽器とは?
撥弦楽器という種類の楽器があります。あまり聴き慣れない言葉ではありますが、どのような楽器なのでしょうか。
撥弦楽器とは、弦を手指やピックなどをはじいて音を鳴らす楽器の総称です。皆さんがよくご存知のギターやベースなんかもこの撥弦楽器にあたります。
それではよく聞く『弦楽器』と一緒ではないかと思いますが、『撥弦楽器』は『弦楽器』の中のひとつです。
『弦楽器』の中には他に、弦を弓などで擦って音を出す『擦弦楽器』や、弦を打って音を出す『打弦楽器』があります。
『擦弦楽器』にはヴァイオリンやチェロ、胡弓などがあります。そして『打弦楽器』にはピアノなどがあります。
撥弦楽器の起源
撥弦楽器の起源を辿っていけば、何と石器時代にまで遡ります。その時代、狩りをして獲物を仕留めた時には、その狩りの成功を祝って音を出すものは何でも使ってお祝いをしたそうです。
この狩りに使う弓の弦をはじいて音を出した事が、弦楽器の始まりと言われています。後のハープの原型です。それだけでは音が小さかった為、音の響く木の実などで共鳴させたものが、後にギターなどの弦楽器へと進化していったのです。
撥弦楽器の楽器の種類
世界に数ある撥弦楽器の種類について解説していきます。
リュート
リュートの演奏
リュートは中世からバロック期辺りにヨーロッパを中心として用いられた撥弦楽器です。1番よく知られているタイプは、ルネサンス時代に作られた『ルネサンスリュート』と呼ばれるものですが、様々な形態のものが存在します。
クラシックギターと同じようなナイロン弦を使用し、音色もそれによく似ています。弦の数は11本や26本とギターに比べると大変多く、丸みを帯びたボディーに、緩めに張られた弦を優しく撫でるように演奏して響かせます。
マンドリン
マンドリンの演奏
マンドリンはイタリアで生まれた撥弦楽器です。弦はエレキギターに使われているような、スチール製のものが一般的で、4コースで8弦あります。
チューニングはヴァイオリンと同じように低い方からG、D、A、Eとなっています。演奏する時はピックを使用します。
マンドリンやウクレレ、三線やシタール、サロッド、バンジョー、そしてギターなどの様にネックがついているものは撥弦楽器の中でも『リュート属』の仲間になります。
ツィター
ツィターの演奏
ツィターは主に西ヨーロッパの諸国で演奏される撥弦楽器で、ギリシャ語の『キターラ』に由来します。これは『ギター』もそうですね。
リュート属の様にネックを持たず、共鳴体そのものに張られた弦をはじいて演奏します。動画では『コンサート・ツィター』と呼ばれるフレットが付いたタイプのものが演奏されています。
その演奏の難しさから、あまり一般的には広まりませんでしたが、その音色の美しさや楽器そのものの絵画的な造形美は非常に魅力的です。
日本の和琴もこの『ツィター属』の仲間に分類されます。
ハープ
ハープの演奏
ハープは最も古い撥弦楽器と考えられています。その起源は紀元前4000年のエジプトや、紀元前3000年のメソポタミアにも遡ります。
前述の通り、狩人の弓で音を出した事が始まりという説が有力で、古代の壁画や遺跡などからもハープの原型と思われるものが確認されています。
『ハープ』というのは英語で、これは古代のスカンジナビアの言葉の(かき鳴らすharping)に由来しています。
動画はクラシックギターとハープのユニット『rico moon』による演奏です。
ハープシコード
ハープシコードの演奏
ハープシコードはピアノのような出で立ちですが、ピアノが弦をハンマーで叩いて音を出す、『打弦楽器』であるのに対して、ハープシコードは爪の様なもので弦を弾いて音を出す『撥弦楽器』です。
チェンバロという楽器も大きく見るとハープシコードと同じ楽器です。イギリスでは『ハープシコード』と言い、イタリアでは『チェンバロ』と呼ばれています。
ピアノと似ていますが、鍵盤のタッチの感覚が違うので、普段ピアノを弾いている方は少し違和感を感じてしまうかも知れません。
その音色はきらびやかで。音の強弱があまり無いところも、よりバロック音楽の雰囲気が出て魅力的です。
撥弦楽器についてのまとめ
今回は世界中で愛されている撥弦楽器について、その種類や魅力をご紹介してきました。
撥弦楽器と一口に言っても、その種類の多さや形状の多様さ、音色の違いなんかにも驚かされましたね。
世界にはまだ出会った事の無い、魅力的な楽器がたくさんあるのだなと感じました。最後までありがとうございました。