ジャズで使われる楽器の種類と編成について紹介!
ジャズで使われている楽器といえば、何を想像するでしょうか?昨今では映画やアニメでジャズを取り入れているものも多く「演奏してみたい」「ジャズを聞きたい」という方が増えましたよね。今回はジャズの名盤も含め、主に使用される楽器の種類と編成について紹介します。
ジャズで使われる楽器の種類
ジャズはアメリカで発祥したと言われている音楽ジャンルの1つですが、カフェやバーで流れているのを何気なく耳にしている方も多いのではないでしょうか?
音楽家たちが口をそろえて言うように、日本人には特に馴染みのないリズムをはじめ、アドリプやコードの解釈などジャズは非常に難しい音楽とされています。
その一方で音楽の幅を広げてくれると共に、年齢や時代などの枠がなく、何年経っても楽しめるジャンルです。
「ジャズをはじめる」のに、早い・遅いはありません。
演奏したり聞いたりすることでより深く、そして長く音楽を楽しみましょう。
まずはジャスでよく使われる楽器の種類を紹介します。
ジャズでよく使われる楽器①:サックス
サックスは管楽器の中で比較的簡単と言われており、初心者でも気軽に初めやすいながら、ジャズの花形の楽器でもあります。
ソプラノ・アルト・テナー・バリトンの4つの種類があり、一般的によく目にするのはアルト・テナーです。
ジャズの主旋律が演奏される際にも、アルトやテナーが多く使用されています。
ジャズにおけるサックスの名盤
アルバムタイトル:Blue Train
アーティスト:John Coltrane
リリース年:1958年
ジャズ・ファンなら誰もが知っている、モダンジャズのサックスプレイヤーJohn Coltrane(ジョン・コルトレーン)の名盤がこちらになります。
テナー・サックスの音色が素晴らしく、参加しているトランペット・トロンボーン・ピアノ・ベース・ドラムのプレイ―ヤーも、ジャズ界で名のある音楽家たちばかりです。
ジャズでよく使われる楽器②:トランペット
トランペットは金管楽器の中でも非常に存在感があり、突き抜けたハイトーンが特徴的です。
サックスと同様、ジャズにおいて主旋律を担当することが多い花形楽器といえるでしょう。
ジャズの歴史を作ったのはトランペット奏者だといわれるくらい、ジャズを語るのには欠かせない楽器です。
ジャズにおけるトランペットの名盤
アルバムタイトル:Kind Of Blue
アーティスト:Miles Davis
リリース年:1959年
こちらも有名なプレイヤーである、Miles Davis(マイルス・デイヴィス)のアルバムです。
モダンジャズにおいて特に名盤と言われており、ジャズを語る上では外せません。
「モード」という演奏法を発展された作品となりました。
ジャズでよく使われる楽器③:ピアノ
伴奏も主旋律も演奏できるピアノは、多ジャンルで活躍している楽器です。
他のジャンルと比較すると、ジャズピアノは即興的な演奏が特徴といえるかもしれません。
ジャズにおけるピアノの名盤
アルバムタイトル:Return to Forever
アーティスト:Chick Corea
リリース年:1972年
Chick Corea(チックコリア)はジャズ界のプレイヤ―ですが、ロックやソウル・ミュージック系のミュージシャンにも人気です。
特に彼の『スペイン』はミュージシャンの間では、練習曲・セッション曲の定番にもなっています。
ちなみに彼はチャカ・カーンなどの有名シンガーともコラボしていました。
ジャズでよく使われる楽器④:ウッドベース
バイオリンやチェロと同じく弦楽器に分類されるウッドベースは「コントラバス」とも言い、弓を使用する奏法やピッチカートという弦を指で弾く奏法など、さまざまなサウンドを鳴らせます。
ジャズには欠かせない、低音域を支える楽器です。
ジャズにおけるウッドベースの名盤
アルバムタイトル:Bass on Top
アーティスト:Paul Chambers
リリース年:1957年
アメリカのジャズベーシストPaul Chambers(ポール・チェンバース)の楽曲はあらゆる場所で流れています。
彼の名前を知らずとも、彼の楽曲をどこかで聞いているかもしれません。
まさに「これぞジャズ」という演奏を聞かせるベーシストで、ジャス・ベースを聞くのであれば、まず彼の音源をチェックすることをおすすめします。
ジャズでよく使われる楽器⑤:ドラム
ジャズバンドにおいてドラムは指揮者のような役割もつとめる、重要なパートです。
ロック・ポップスなどのイメージだとバスドラムやスネアの音が比較的重視されますが、ジャズの場合は曲の拍に合わせるというより裏を刻むため、ハイハットなどの金物(シンバル系)の音に重きを置かれます。
アルバムタイトル:Together
アーティスト:Elvin Jones・Philly Joe Jones
リリース年:1961年
ジャズの黄金時代と言われたモダンジャズ~ハードバップ頃の2大ドラマ―、Elvin Jones(エルヴィン・ジョーンズ)とPhilly Joe Jones(フィリー・ジョー・ジョーンズ)の共演作です。
ジャズでよくある楽器編成
ところでジャズだと、どのような楽器編成が主なのでしょう?
ジャズには小人数で編成された「コンボ」と、17人前後で編成された「ビックバンド」があります。
コンボはドラム・ベース・ピアノなどのリズムセクションに、主旋律などを担当する管楽器である「フロント」がいる組み合わせです。
ビックバンドの場合、ドラム・ベース・ピアノ・ギターなどのリズムセクションに、主旋律などを担当するトランペット4人・トロンボーン4人・サックス5人が基本になります。
これをもとにチューバやハーモニカなど自由に楽器パートが加えられていき、コンボよりも自由度が高いです。
もちろんこれらの他にもピアノがいないピアノレス、さらにギターがいなければコードレスとさまざまな編成があり、人数制限や特に決まりなども存在しません。
あくまでよくある楽器編成なので、もしジャズバンドなどで演奏する機会があっても堅苦しく考えすぎず、自由なスタイルで楽しみましょう。
ジャズでマイナーな楽器
ジャズメジャーな楽器のお話をしましたが、反対にマイナーな楽器は何なのでしょうか?
場合によってはマイナーな楽器のジャズを演奏・聞く方が楽しめたり、気分が盛り上がったりするかもしれません。
ジャズではマイナーな楽器①:フルート
木管楽器のフルートですがジャズでは時々見かける程度で、そこまでメジャーではありません。
日本のジャズ・フルート奏者の酒井麻生代がおすすめです。
ジャズではマイナーな楽器②:チェロ
ウッドベース(コントラバス)と同じ弦楽器で、弦を指で弾く奏法であるピッチカートもできますが、ジャズにチェロが使われていることは珍しいかもしれません。
その中でフィンランドのジャズピアニストIiro Rantala(イーロ・ランタラ)が、クロアチア出身のチェリストAsja Valcic(アーシャ・ヴァルチッチ)を含むプレイヤーと、名盤と呼ぶべきアルバムをリリースしています。
ジャズではマイナーな楽器③:カリンバ
民族音楽やアコースティック系の音楽に使用されるカリンバは、金属部分をはじくことによって音が鳴ります。
初心者でも気軽にはじめられ、とても弾きやすい楽器です。
ロックやポップスもそうですが、ジャズでは更に見かけることがほとんどありません。
ところがアメリカのピアニストであり、カリンバ奏者であるStanley Cowell(スタンリー・カウエル)が、カリンバのジャズアルバム『Regenerations』をリリースしていました。
まとめ
今回の記事では、ジャスでよく使われている楽器の種類と編成について主に紹介しました。
これからジャズの演奏を始める方や、楽器に焦点を置いてジャズを聞きたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。