リストの超絶技巧練習曲とは?12曲それぞれをご紹介!
ロマン派のハンガリー出身、フランツ・リストの作曲した曲はラ・カンパネラや愛の夢など有名な曲も多くピアノを弾いている人は一度は弾いてみたいあこがれの曲です。その中でも超絶技巧練習曲は名前からして難しそうですね。今回は超絶技巧練習曲を1曲ずつ聴いていきましょう。
超絶技巧練習曲を作曲したリストはどんな作曲家?
リスト、フランツ・リスト(1811~1886)はハンガリー出身でヨーロッパ、特にドイツで活躍したピアニストで作曲家です。
180㎝を超える長身でハンサムでピアノも超うまく「ピアノの魔術師」ともいわれていました。
リストは今でいうアイドルみたいな存在でピアノリサイタルでは「リストマニア」と呼ばれる追っかけもいて演奏を聴いて失神する女性もいたようです。
リストは指が長くド~ドの1オクターブを通り越してさらに5つ広いソまで届いていたと言われリストが作曲した曲はどれも指が届かない難所があり、ピアノを勉強している者にとってリストの曲を弾くということは技術的に難しくあこがれています。
ピアニスト時代(1830~1850頃)はピアノ曲を多く作曲していましたが、ヴァイマルの宮廷楽長として招かれるとピアニストの第1線は退き作曲家として活躍しました。
この頃をヴァイマル時代(1850~1860頃)と言われ、リストの交響曲や交響詩の多くはこの時代に作曲されています。
1860年以降の晩年は僧籍に入り宗教音楽を多く残し、また1885年に作曲した「無調のバガテル」で無調音楽を完成したといわれています。
当時ドイツでは絶対音楽を主張していたブラームス派と標題音楽を主張していたワーグナー派がありましたが、リストはワーグナー派に属していました。
標題音楽に交響詩というジャンルを確立しました。
今でも交響詩「前奏曲」はよくオーケストラで演奏されます。
またピアノ曲では「パガニーニによる大練習曲」の第3曲目「ラ・カンパネラ」や「愛の夢」「ハンガリー狂詩曲」などがです。
超絶技巧練習曲とは?
もともと父親からピアノを習っていて小さいころから才能があったので10歳になる前には公開演奏会も行っていました。
11歳でウィーンに行きウィーン音楽院で学びました。
20歳のころ超絶技巧を持っていたヴァイオリニスト「パガニーニ」の演奏に感激して自分はピアノで超絶技巧を目指そう!とさらにテクニックを磨きました。
持って生まれた背が高く指が長いという優れた身体機能に加えてさらに技術を磨いたので、今現在もリストにかなう技巧を持ったピアニストはいないと言われています。
リストの作曲したピアノ曲の中で超絶技巧練習曲という名前からして難しそうな12曲からなる曲集があります。
ただこの曲は英語表記でTranscendante Etudes と呼ばれ、単に技術が超絶という意味だけではなく、肉体・精神・魂、これらからの超越という宗教的な意味を持つものです。
15歳の時にまず作曲して、そののち改訂を重ねています。第2改訂版は技術的に一番難しくCDもあまりありません。また現在までに3回改訂されていて、現在演奏される機会の多いのは第3改訂版です。
全12曲からできていて、調性は2曲ずつ組みになっています。
1つの調号に対して長調と短調があるので2曲組という意味です。
例えば1曲目は調号なしのハ長調、2曲目は調号なしのイ短調、3曲目は♭1つのヘ長調、4曲目は♭1つのニ短調、ということです。
♭が1つずつ増えていき♭5つまでの長短調で成り立っています。
超絶技巧練習曲の一覧
それでは超絶技巧練習曲を1曲ずつ聴いていきましょう。
超絶技巧練習曲 1曲目、2曲目
第1曲目 「前奏曲」 ハ長調 半音階や分散和音を使い高速で動く前半と和音で重厚な響きの後半部を持つ華やかな曲調はタイトルどうりこの曲集の冒頭らしい曲です。
第2曲目 タイトルなし イ短調 タイトルはないですが冒頭に「気の向くままに」と指示があります。テンポも揺れ動き、気ままなダンスのような曲です。
超絶技巧練習曲 3曲目、4曲目
第3曲目 「風景」 ヘ長調 一転して穏やかなテンポの曲。「田園曲」と表記のあるように田園風景を思い浮かばれる抒情的な曲です。
第4曲目 「マゼッパ」 ニ短調 ウクライナの実在する英雄「マゼッパ」を題材に作曲した曲で3段譜でつくられた部分もあり超絶技巧が必要な曲ですが、単独でリサイタルで弾かれる曲です。