「悪魔が発明した楽器」の異名を持つ「バンドネオン」ってなに?

バンドネオンをご存知でしょうか?バンドネオンは、タンゴには欠かせない楽器で、アコーディオンによく似ています。この記事ではバンドネオンとはどのような楽器なのか、「悪魔」と呼ばれる理由や、世界中で活躍するバンドネオン奏者の情報を紹介します。

記事の目次

  1. 1.バンドネオンとは
  2. 2.「悪魔が発明した楽器」と言われるほど演奏が難しい
  3. 3.有名なバンドネオン奏者
  4. 4.バンドネオンのまとめ

バンドネオンとは

Photo byKotaroBlog

アコーディオンによく似た楽器、バンドネオンをご存知でしょうか?音色は美しいのに、扱いの難しさから「悪魔の楽器」と呼ばれています。

バンドネオンはアルゼンチンタンゴに欠かせない楽器ですが、そのルーツはドイツにあります。
1830年頃に、アコーディオンをもとにコンサーティナという楽器が作られました。バンドネオンは、このコンサーティナをヒントに作られたといわれています。
ドイツではあまり発展しませんでしたが、欧州の移民が南米に持ち込んだことで、タンゴの楽器に使われるようになったのです。

とてもよく音が響くのが特徴で、広い音楽堂などではオルガンの代わりに演奏されることがあります。

バンドネオンの種類

バンドネオンには大きく分けて、2つの種類が存在します。
それぞれ、ボタンの数や配列に違いがあります。また、作り手によっても微妙に配列が異なるため、新しいものを持つたびに、操作方法を覚えなければなりません。
このことも、扱いが難しいといわれている理由のひとつです。

ダイアトニック

押し引き異音とも呼ばれ、ジャバラを伸縮させると違う音階の音がなるのが特徴です。この中でもさらにタイプが分かれており、アインハイツ式は欧州を中心に、ライニッシュ式は南米を中心に使われています。

クロマティック

押し引き同音とも呼ばれ、ジャバラを伸縮させた際に同じ音階の音がなるのが特徴です。ペギュリ式とヴィッキヘイデン式があり、こちらはアコーディオンに近いボタンの配列になっています。

アコーディオンとは全くの別物

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同じジャバラの楽器として、アコーディオンがあります。バンドネオンのルーツを辿っていくとアコーディオンにたどり着くためか、両者はよく似ていて、ときには間違われてしまいます。それでは、どのような違いがるのかを見てみましょう。

違い①形

アコーディオンに鍵盤がついているのに対して、バンドネオンには鍵盤がありません。代わりにボタンがついていて、このボタンが鍵盤の役割を果たしています。右に38個、左に32個不規則に並んでおり、このボタンを押しながらジャバラを伸縮させて音を出します。

違い②音

アコーディオンの音色が優しい印象を持っているのに対して、バンドネオンは音が大きく、シャープな雰囲気を持っています。音の強弱をつけやすく、この楽器ひとつで十分な存在感があるのも、アコーディオンとの違いといえるのではないでしょうか。

違い③演奏方法

ジャバラを伸縮させて音を出すという点は同じですが、アコーディオンは持ち歩きながら演奏する姿が印象的ですね。それに対してバンドネオンは、意外に重く持ち歩くことは難しいので、両側面についているバンドを持って座ったまま演奏します。

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「悪魔が発明した楽器」と言われるほど演奏が難しい

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