【音楽用語】クラシックの協奏曲と交響曲の違いとは?
クラシック音楽のタイトルに「交響曲」、「協奏曲」がよく登場します。
例えば、交響曲○番、ヴァイオリン協奏曲なんていうタイトルをよく耳にしますよね。
クラシック好きの方には定番の用語ですが、改めてその意味を解説したいと思います
クラシックの協奏曲と交響曲の違いとは?
クラシック音楽における「協奏曲」とは、ソロの楽器+オーケストラという編成で演奏される形態の音楽です。
英語でコンチェルト(concerto)と呼ばれます。
通常、ソロの楽器名がタイトルに冠され、「ピアノ協奏曲」や「ヴァイオリン協奏曲」などという風になります。
曲の構成としては、3つの楽章からなりそのうち1つがソナタ形式となっているものが一般的です。
特徴として、曲の中にソロ楽器単独でアドリブっぽく演奏するカデンツァという部分があることです。
ソロ楽器とオーケストラが会話しているような形の音楽になります。
一方、交響曲とは弦楽器、管楽器、打楽器などが一同に演奏し、複数の楽章からなる形態の音楽です。
英語でシンフォニー(symphony)と呼ばれます。
まさに管弦楽の集大成ともいえます。
曲の構成としては、4つの楽章で編成されているものが一般的ですが、もちろん例外もあります。
それぞれ代表曲をご紹介
協奏曲、交響曲ともに古今東西たくさんの名曲がありここでは紹介しきれないですが、いくつか代表曲をご紹介します。
みなさん、1度は聞いたことがあるフレーズが必ずあると思いますよ!
協奏曲
ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23(チャイコフスキー)
協奏曲といえば、この曲!
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番、1875年の作品です。
友人のニコライ・ルビンシュテインに捧げようと作曲されましたが、当のルビンシュテインから演奏不能とまで酷評されてしまった作品です。
チャイコフスキーも負けておらず、だったら他にということでドイツのピアニストのハンス・フォン・ビューローに託し、初演で大成功をおさめたというまさに10倍返しの逸話が残っている作品です。
上記リンクはちょっと古いですが、日本の超有名ピアニストの中村紘子さんが、これまた超有名指揮者スヴェトラーノフさんとNHK交響楽団と演奏するという、まさに国内での超貴重な映像です。
ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18(ラフマニノフ)
ピアノ協奏曲といえば、この曲も忘れてはなりません。
ラフマニノフの1900年から1901年にかけて作曲された作品です。
ラフマニノフはピアノの超絶技巧氏といわれており、彼のテクニックが余すことなく曲に反映されているため、彼のピアノ作品は最高難易度の曲が多いとされています。
この曲もその一つで、手の小さいピアニストは譜面通りに弾けない箇所が出てくるそうです。
リンクの作品は辻井伸行さんの作品です。
この難曲を目が見えなくても弾けるとは、まさに天才ピアニストといえるでしょう。
交響曲
交響曲第5番 ハ短調 作品67(ベートーヴェン)
交響曲といえば、日本ではこれが一番有名でしょうか。
ベートーヴェンの交響曲第5番は「運命」の別名を持つ1808年から1809年ころに作られたといわれています。
冒頭の4つの音は「運命は扉をたたく」という伝説も有名ですよね。
近年ではその信憑性が議論されているようですが、それをさておいても日本では人気のある1曲です。
冒頭の暗く重たい曲調が明るい曲調へ展開するドラマチックな展開の構成は、のちの作曲家が模倣しています。
リンクはカラヤンの脂ののったころの貴重な映像です。
交響曲第9番 ニ短調 作品125(ベートーヴェン)
最後におまけの1曲。
交響曲は管弦楽といいましたが、このように合唱のついたものあります。
有名な第9といわれるベートーヴェンの交響曲第9番です。
これも交響曲なんですね。
唄も楽器の一つということなんでしょうね。