あの曲ってどこの音楽なんだろう?世界の民族音楽についてご紹介!

日常生活の何気ない場面でよく耳にしている民族音楽。私たちの周りは世界中の、様々な国の音楽で溢れています。今回は皆さんがよく知っているけど、何処の国の音楽かははっきりとわからない、そんな民族音楽についてご紹介していきたいと思います。

記事の目次

  1. 1.民族音楽とは
  2. 2.世界各地の独自音楽についてご紹介
  3. 3.まとめ

民族音楽とは

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民族音楽とは、このあと一覧で解説していく様に様々な国の、様々な民族が固有に継承してきた音楽の事です。

ですので曲の雰囲気は多種多様でありますが、一つの音楽ジャンルとして一般的に認識されています。

英語では『ethnic music』となります。この『ethnic』には『異民族』や『異教徒』という意味があり、欧米目線からすると西洋音楽ではない、多少の異物感のある音楽といったニュアンスも含まれていると思われます。

『ethnic music』という言葉が日本に伝わってきて『民族音楽』と訳された当初は、『日本以外の、欧米の国以外の伝統的な音楽』として認識されました。

近年では、ヨーロッパやアメリカも含めた、その土地の民族固有の継承音楽という認識に変わってきている様です。

世界各地の独自音楽についてご紹介

Photo bykachi

それではここから、民族音楽についてジャンル別に一覧で解説していきたいと思います。

それぞれの民族の個性や特色によって、発生し発展していく音楽的嗜好も様々である所が非常に興味深いと思います。

フラ/ハワイ

HaleiwaHula/AmyHanaiali

フラハワイに伝わる伝統的文化で、歌も踊りも演奏も全てが含まれて『フラ』と呼ばれています。総合芸術でありながら、宗教的な意味合いも含まれています。

古代のハワイでは文字が存在していなかった為、フラの正確な起源に関してはわかっていませんが、タヒチや周辺の島々から移動してきたポリネシア人によってもたらされた歌や踊りが、ハワイの地で発展されたと考えるのが通説となっています。

フラは時代と共に進化し現代的になっていますが、神を讃え自然に感謝をし、ハワイの歴史をリスペクトする。そんな精神が貫かれている事は今も変わりません。

フラで使われる楽器としては、ヤシの木をくり抜いて作ったドラムや、ココナッツ身をくり抜いて作った打楽器など、自然の恵みを利用したものが多いようです。
 

ケルト/西ヨーロッパ

DirtyOldTown/ポーグス

ケルト西ヨーロッパに住むケルト人達によって継承されてきた、様々な音楽の総称です。アイルランドの音楽も、スコットランドの音楽も、フランスのブルターニュ地方もここに属します。

共通して使われているものに、『バグパイプ』というものがあります。同じバグパイプと呼ばれるものでも、その国や地方によって様々の種類のものがあります。また、『フィドル』が使われている事も多く、これは『ヴァイオリン』と同じものですが、ケルト音楽ではフィドルという言い方をする事が多いようです。

ポーグスはイギリスのロックバンドですが、アイルランド人のボーカル、シェインを中心としたケルティック・パンクバンド(パンクとケルト音楽を合わせたジャンル)の代表的な存在です。

ブルーグラス/アメリカ

Bluegrassavirtuosityfrom…NewJersey?/SleepyManBanjoBoys

ブルーグラスは11940年代半ばに、ビル・モンローというミュージシャンを中心にして作られた音楽ジャンルで、アイリッシュ音楽をベースにし そこにアメリカのフォークソングとカントリー&ウエスタンが合わさったようなものです。

アメリカのテネシー州やケンタッキー州などの南東部を中心に、今でも根強い人気のある民族音楽です。

バンジョーやマンドリン、アコースティックギターやフィドルなどの弦楽器バンドというのが、ブルーグラスの特色です。

フォルクローレ/ラテンアメリカ

コンドルは飛んでいく

フォルクローレは、南米諸国の各地に継承された民族音楽で、その土地の先住民とスペイン系の音楽が融合されている事が特徴です。

サイモン&ガーファンクルでも大変お馴染みの、ペルーの『コンドルは飛んで行く』はフォルクローレの代表曲と言えます。

この哀愁を帯びた美しいメロディーを、笛の切ない音色がより際立たせています。1913年にペルーの作曲家ダニエル・ロブレスによって書かれました。

コンドルはアンデスの神話にも度々登場する、南米最大の鳥です。伝説では、インカ最後の皇帝がコンドルに生まれ変わったという話もあります。

サンバ/ブラジル

Belini/SambaDeJaneiro

サンバは、19 世紀末ブラジルのバイーアで、アフリカから連れてこられた黒人によって発生したといわれています。

その後アフリカ音楽に、西洋的な要素が取り込まれ1910年代にはサンバというジャンルが確立しました。もともとは奴隷や労働者階級の音楽なので、歌詞の内容的にも人種差別や体制への批判などが盛り込まれていました。

しかし、一般的にサンバが普及していくうちに、白人を中心とした中産階級の若者達を中心に穏やかなリズムに叙情的な歌詞を乗せた、ボサノヴァへと発展していきました。

 

ボサノヴァ/ブラジル

イパネマの娘/ジョアン・ジルベルト

上で触れましたように、ボサノヴァは、ブラジルにてサンバから派生した音楽ジャンルです。主にリオデジャネイロやイパネマなどに住む、中産階級の学生やミュージシャンによって生み出されました。

代表的なミュージシャンとしてアントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルト、ナラ・レオンなどがいます。

動画はボサノヴァの有名曲『イパネマの娘』です。作詞・作曲はアントニオ・カルロス・ジョビン、歌とギターはジョアン・ジルベルトです。

カリプソ/トリニダーバ・トバゴ

CalypsoRose/CalypsoQueen

カリプソイギリスやフランスの支配下にあったカリブ海の島々、特にトリニダーバ・トバゴのカーニバルなどで発達した音楽ジャンルです。

島に連れてこられたアフリカ人奴隷達に共通の言語がなかった為、音楽でコミュニケーションを図ったのが始まりだと言われています。

1834年の奴隷制度廃止後にアフリカ人もカーニバルに参加する事を認められ、そこでの行進曲として、このカリプソは急速に発達しました。

この4分の2拍子の陽気なリズムは、スカやレゲエのルーツとされています。

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チャスチューシカ/ロシア

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