連符(れんぷ)の種類と意味を解説!【3連符/5連符など】
連符(れんぷ)の意味って?楽譜に3連符が出てきたらどうやって演奏したらいい?楽譜を読んでいると音符を数字で囲ってあるのを見ることがありますね。いったい普通の音符と何が違うのでしょうか。ここでは3連符や、5連符などの連符の種類と意味について解説します。
連符(れんぷ)とは?
連符とは、音符を等分する際に用いる呼称です。
見た目では、音符を数字でくくっているように見えます。
音符は全音符→2分音符→4分音符→8分音符→16分音符…と細かくなっていくにしたがって、音の長さ(音価)が半分になっていきます。この方法では、音符を2等分、4等分、8等分…と等分することができますが、3等分、5等分、7等分…と等分していくことはできません。そういった場合に使われるのが、連符です。
連符の種類と意味
連符には大きく分けて、2つの種類があります。これは、書かれている曲の拍子によって種類が変わります。
2拍子、3拍子、4拍子などの曲では、前述のとおり基本的な方法では音符を3等分、5等分…としていくことができないため、3連符や5連符として表記します。
一方、6拍子、9拍子、12拍子などの曲で、付点音符を2等分、4等分…としていくことができないため、2連符や4連符として表記します。
種類別に連符の紹介をしたいと思います。
3連符、5連符、7連符など
2拍子や3拍子、4拍子で一般的に使われる連符の種類です。
■3連符
画像は、左から「2拍3連」、「1拍3連」と呼ばれるものです。左の「2拍3連」は、2拍を3等分したものです。2拍を表す2分音符より一つ短い音符である4分音符で書き表します。右の「1拍3連」は、1拍を3等分したもので、1拍を表す4分音符より一つ短い音符である8分音符で書き表します。
■5連符
画像は、16分音符の5連符です。3連符の感覚をそのままに考えると、8分音符を5等分しているように見えますが…。実は5連符、6連符、7連符の場合はルールが変わります。5連符は、1拍を5等分したときに16分音符で書くのです。2拍を5等分すれば8分音符で、半拍を5等分すれば32分音符で書き表します。
また、譜面上の表記を単純にするために、5等分で演奏しない場合でも5連符として表記する場合があります。
5連符の最初の2音を通常の16分音符の長さで演奏し、後の3音を3連符として演奏する。もしくはその逆で、最初の3音を3連符として演奏して、後の2音を通常の16分音符の長さで演奏する。
上記のような場合に曲の雰囲気から読み取れるなら、5連符として表記することがあります。
■6連符
こちらの6連符も、16分音符で書かれており、1拍を6等分していることを表しています。
■7連符
1拍を7等分した7連符の画像です。
7連符の場合も5連符と同様に、7等分ではない場合にも、譜面上の見た目の単純さのために7連符の表記を代用に使うことがしばしばあります。
最初の3音を3連符として演奏し、後の4音を16分音符の長さで演奏する、もしくはその逆の場合です。
2連符、4連符など
これらの連符は、付点音符の分割のために使うものですが、どういうシチュエーションで使われるかというと、6拍子や9拍子、12拍子などのいわゆる複合拍子の時に使うことが多いです。
これらの拍子は、1拍を表す音符が付点音符となります。例えば8分の6拍子や8分の12拍子では付点4分音符を1拍として数えます。
これらの拍子の1拍は基本的には分割すると8分音符3つになります。そこで、2つや4つに分割したいときには2連符、4連符といった表記を利用します。
3連符などの連符の効果
連符が基本的な分割ではできない分割をするためのものであることは上述の通りですが、連符を使うことにどういった音楽的な効果があるのでしょうか。
それは、規則正しく進んでいたところに飛び込んでくるトリッキーさを演出できる効果です。
こちらの画像では、拍を視覚的な目盛りとして図にしています。1拍、2拍、3拍、4拍と目盛りがあり、中に細かい目盛りで8分音符を表しています。3拍目までは規則正しく8分音符のリズムが書かれていますが、4拍目には3連符の目盛りが現れます。
このように、これまでになかった新たに規則的なリズムが部分的に挿入されることにより、緊張感を感じさせる演出が可能になります。2等分、4等分、と音符を刻んでも同じ世界観の中にいる感じがしますが、そこにいきなり3等分のものが入ってくると世界がガラっと変わるのです。
3連符などを演奏するためのトレーニング
連符がこういうものだ、と頭ではわかっても、実際に演奏するのは難しいのが連符です。2等分、4等分のリズムはとりやすいですが、3等分のリズムはとりづらいからです。
そんな時おすすすめの練習方法は、メトロノームを使った練習です。
例えば、BPM=60の曲で8分音符の3連符(1拍の3等分)をとりたい時には、メトロノームを180に設定します。つまり、元のテンポの3倍。これがそのまま8分音符の3連符の速さになります。このメトロノームに合わせて、「1、と、と、2、と、と、3、と、と、4、と、と」と口ずさみます。これにより、常に3連符のリズムで口ずさんでいますが、数字を言っているところだけ取り出すと、テンポ60の1拍、2拍、3拍、4拍を数えていることになります。
慣れてきたらメトロノームを60に戻し、同じことをやってみましょう。今度は60の上でも3連符のリズムが取れているはずです。
もちろん、他の連符にも応用できる練習ですので、ゆっくりなテンポで試してみましょう。