映画「グレイテスト・ショーマン」にて圧倒的歌唱力で歌い上げられた『Never Enough』、歌姫ジェニー・リンドとは一体

伝説の興行師P・T・バーナムをヒュー・ジャックマン主演で描き、2017年~2018年に話題となった映画「グレイテスト・ショーマン」。
劇中で「サーカス」と対照的だったのが歌姫「ジェニー・リンド」でした。
そのジェニー・リンドが劇中で歌った楽曲『Never Enough(ネバー・イナフ)』について歌詞の和訳を交えて解説します。
「グレイテスト・ショーマン」の中盤の重要な曲「Never Enough」にはどんな意味が込められているのか見ていきます。
またカラオケなどでうまく歌うためのコツとして読み方をカタカナで解説します。

記事の目次

  1. 1.世界的大ヒットのミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」では魅力的な歌声を持つキャストが勢揃い
  2. 2.レベッカ・ファーガソン演じるジェニー・リンドの魅惑の歌声
  3. 3.『Never Enough』の歌詞を和訳・意味を徹底分析!
  4. 4.まとめ

私の手をとって

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Take my hand
Will you share this with me?
'Cause darling without you

この部分の発音をカタカナで書くとこのようになります。
「タイ(ク)マイハン(ド)
ウィ(ル)ユーシェアディ(ス)ウィ(ズ)ミー
コズダーリン・ウィザウ(ト)ユー」

「take」は「テイク」よりも「タイク」に近い発音をしています。
ここを和訳すると次のようになります。
「私の手をとって。
この瞬間を私と分かち合わない?
ダーリン、あなたがいなければ。」

最後の「あなたがいなければ」の部分は次のサビ部分に続きます。

夜空の星を独り占めしたとしても

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All the shine of a thousand spotlights
All the stars we steal from the night sky
Will never be enough
Never be enough

サビ部分の読み方をカタカナで書くとこうなります。
「オー(ル)(ダ)シャイン(バ)サウザン(ド)スポッ(ト)ライ(ツ)
オー(ル)(ダ)スター(ズ)ウィスティー(ル)(ロムダ)ナイ(ト)スカイ
(ウィル)ネヴァービーイナ(フ)
ネヴァービーイナ(フ)」

この部分を歌うときに気を付けるのは前置詞や冠詞をあまりはっきり歌わないということだと思います。
実際の英会話でも前置詞や冠詞は、強調するとき以外はアクセントがなく軽く発音するだけのことが多いです。
ここでは「shine of a thousand」の「of a」はほぼ一息でリズムをとるだけの発音のような感じです。
あた「steal from the night sky」の「from the」も同じように軽く発音しています。
サビ部分を和訳すると次のようになります。
先ほどのパートの「Without you」も併せて訳します。
「(あなたがいなければ)何千ものスポットライトの輝きを浴びたとしても、
夜空の星をすべて独り占めしたとしても
決して満たされないだろう。
決して満たされない。」

「steal the stars」という表現ですが、文字通り「星を盗む」と訳すことも多いようです。
しかし個人的にはどちらかというと「独り占め」するという意味かなと思います。
実際には「あなたと2人(we)」なので「ふたり占め」かもしれません。

黄金を積み上げても物足りない

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Towers of gold are still too little
These hands could hold the world but it'll
Never be enough, never be enough
For me

この部分の読み方をカタカナで書くと次のようになります。
「タワ(ズ)オ(ブ)ゴール(ド)ア・スティ(ル)リル
ディ(ズ)ハーン(ズ)クッ(ド)ホウル(ダ)ワール(ド)バッイル
ネヴァー・ビー・イナ(フ)、ネヴァー・ビー・イナ(フ)
フォミー」

ここでも前置詞や冠詞はかなり発音としては軽くリズムをとるだけの部分が多くなります。
サビ後半を和訳するとこんな感じでしょうか。
「黄金を積み上げたとしても物足りない。
両手で世界を掴んだとしても、それでも
決して満たされないだろう。
決して満たされない、
私にとっては。」

「towers of gold」は「金のタワー」ではないと思います。
その後に「too little」と続きます。
「タワー」が小さいのであれば「small」という単語がふさわしいでしょう。
ここではイメージとしては「積み上げるくらいの黄金があっても、まだまだ足りない」という感じではないかと思います。
もう一つこのサビ後半のポイントとしては「for me」ではないでしょうか。
先ほどまで歌の中で「私たち」という表現を使っていたのに、ここでまた1人に戻っています。
「あなたには理解できないかもしれないけれど、私にはこれでも物足りないのよ」という気持ちが込められているのかもしれません。

まとめ

いかがだったでしょうか。
ある意味、この映画の裏テーマの象徴とも言えるこの「Never Enough」
「This Is Me」で自分自身を認めてそれを活かしていくサーカスのメンバーと対比的です。
バーナムと出会った時点ですでに一流の歌手だったジェニーがなぜバーナムと組んだのか。
その答えがこの「Never Enough」なのだと思います。
そしてバーナムも現状に満足せず、より高みを目指していくことで自分を見失ってしまったのかもしれません。
そのことがわかるセリフが物語の終盤にあります。
DVDの吹き替えでは「ひとかどの人物になりたかった」、字幕では「成功を求めすぎた」となっている部分です。
ここは英語では「I just... I wanted to be more than I was.」と言っています。
直訳すれば「私はこれまでの自分以上の自分になりたかっただけなんだ」となります。
まさに「Never Enough(満足しない)」で突き進んでしまったのでしょう。
現状に満足せず、より高みを目指していくことが最高の人生を実現することになるのか考えさせられますね。
この曲のリプライズ部分が劇中にありますが、そのときのジェニーの歌い方はさびしげです。

FLIPPER'Sには映画「グレイテスト・ショーマン」のサントラ全11曲を解説した記事がありますので、併せてご覧ください。

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