ショパンの名言7選を紹介!偉大なピアニストが残した名言とは?
ロマン派を代表する偉大なピアニスト、ショパン。彼は多くの名言ともいえるべき心にささる言葉を残しています。こちらではショパンの名言を7つあげ、英語、そして和訳をご紹介、それぞれの名言について独自の考察をし、まとめました。あなたの心にささる言葉はありますか?
ショパンの生涯
ショパン(フレデリック・フランソワ・ショパン)はポーランド出身のピアニストであり、作曲家です。
1810年3月1日生まれ(1809年3月1日生まれという説もあります)で、1849年10月17日に亡くなっています。彼はその生涯でたくさんのピアノ曲、オーケストラ曲などを作曲、前期ロマン派の代表的作曲家の1人でもあります。
また、「ピアノの詩人」とも呼ばれ、さまざまな形式や美しい旋律など、従来のピアノ奏法、曲にはなかったような革命をおこしました。彼のピアノ曲は現代においても人気で、多くのピアニストに愛され、演奏されています。
ショパンは7歳のころ、最初のポロネーズを作曲しました。
そして1826年、彼が16歳のころ、ワルシャワ音楽院に入学します。1829年、ワルシャワ音楽院を首席で卒業した彼はウィーンで演奏会を開催、大成功をおさめました。その後、ショパンは1931年にパリへと向かいます。
パリではマリア・ヴォジンスカに求婚するも、ショパンの体調があまりおもわしくないことを理由に、彼女の家族から婚約は破棄されてしまいます。その後、1836年、ジョルジュ・サンドと出会います。ショパンとサンドはマヨルカ島で暮らし始めますが、ショパンの容態は次第に悪化していきます。サンドとは約10年、一緒に暮らしましたが、彼の病状の悪化などが原因で2人は結局別れることとなります。
1849年、10月17日に彼は永眠しました。39歳という若さでした。
ショパンの生涯は短いものでしたが、彼はその間にたくさんの作品とともに、名言ともいえるべき素敵な言葉も残しています。こちらではショパンの名言について、ご紹介したいと思います。
ショパンの代表作は?
ショパンは39年の生涯の間でワルツ、プレリュード、ポロネーズ、マズルカなどたくさんの曲を残しています。しかしショパンは曲にタイトルをつけることがほとんどなかったので、現在、タイトルがついているものはショパンの死後、誰かによってつけられたものです。
彼は特にジョルジュ・サンドと過ごしている間に『24の前奏曲集』、『舟歌』、『幻想ポロネーズ』など多くの曲をかきました。また新しい演奏法の開拓をする一方でバッハやモーツァルトなどの作品を愛し、とくにバッハの平均律は好んでよく弾いていたそうです。
現代でも多くのピアニストに愛されている曲、そして有名なところでは『別れの曲』『別れのワルツ』『子犬のワルツ』『革命のエチュード』『幻想即興曲』『雨だれ』『英雄ポロネーズ』『華麗なる大円舞曲』などがあります。ピアノを習っている方であればほとんどの方がショパンの曲を通りますよね。
ショパンの名言7選!
それではショパンの名言を7つ英語と和訳でそれぞれご紹介していきます。
ショパンの名言①
Only the sound the ear permits is music.
自分の耳が許す音だけが音楽である。
英語では「自分の」という言葉は入っていませんが、このようなニュアンスの訳でいいと思います。いかにもショパンらしいといいますか、自分の音楽を追及する者だからこそ言える言葉だと思います。
聴きたくないものは聴かなくてよい、自分が好きだと思えるものだけが音楽だと認識して聴いていればよい。これって現代社会でも、そして音楽以外のことでも言えることではないでしょうか?様々な情報が入り混じり、それが簡単に入手できる時代ですが、自分にとって本当に必要なものだけを聞き、要らないものは切り捨てていく、ということはとても大切なことですよね。
ショパンのこの言葉には「雑音は切り捨てるべき」そういう意味が込められているのだと思います。
ショパンの名言②
こちらも、ショパンの、音楽や演奏に対する姿勢をよく表した名言と言えるでしょう。
He plays so that thousands of people may make a thing person hear but I play to make one person hear freely.
彼は何千人もの人に聴かせるように弾くが、私はただ一人の人に聴かせるために弾く。
英語では「He」とありますが、これは特定の誰かをさすのではなく、広く一般的な「He」という受け取り方でいいと思います。
広く大衆に受け入れられる、あるいはみんなが気に入るような演奏をする、というのはなかなか難しいものですし、うまくいかないと思います。それより、特定の誰か、自分の音楽を本当に好きなファンに向けてだけ聴いてほしい、聴かせるように演奏するほうが、心をこめやすいものですよね。
そして逆から言えば、自分の音楽を本当に聴いてもらいたい人にだけ残ってほしい、そうとも受け取れるのではないでしょうか。そしてそれは双方にとって居心地の良い世界になるのだと思います。
ショパンの名言③
次の名言はショパンが生涯病気に苦しめられてきたというエピソードが本当だったと分かる名言。
As long as I have health and strength, I will gladly work all my days.
健康で強い体があれば毎日喜んで働く。
ショパンが生涯を通じて病気に苦しみ、そのため短命で終わった、というエピソードは有名かと思います。その病気がなんだったか、というのは実はこれが正しい、というのはなく、「肺結核ではないか」とは言われているものの、未だに謎とされている部分だそうです(死亡診断書は肺結核とされています)。
しかし、なんの病気だったかは置いておいても、自分が病気のせいで満足に体を動かせない、というのは非常に苦痛であり、悔しかったのではないかと想像できますよね。
健康な人間にとって労働は、「それがなくては生きていけないから」仕方なくやる、という部分もありますよね。もちろん仕事に生きがいを見出して働いている方も多いと思いますが、それでも楽して稼げるならそれがいいと思ってしまうものではないでしょうか。しかしショパンはもし自分が健康なら喜んで働く、と言っているのです。
健康な人間には、病気で苦しむ人の気持ちはなかなか理解できません。しかしいざ病気になったときに、健康であったことがいかに幸せだったかということに気づかされます。現在、健康体である方はそれが当たり前のことではなく、恵まれているのだ、ということをわかっておくべきなのでしょう。
ショパンは自分が病気であり、長くないことをわかっていたからこそ短い中にがむしゃらに多くの曲を残そうとしたのかもしれません。しかしもし病弱ではなく、長生きしたなら、あとどれくらいの名曲が生まれていただろうか、と、つい思わずにはいられませんよね。
ショパンの名言④
こちらはショパンの性格をよく表しているのがわかる名言です。
Because there are many ones as perfection first, so people aren’t satisfied with that. The one necessary to success is absolutely perfect. So it’s even studied by an extreme up also estimated.
ただ「完璧」というだけでは人々は満足しないのです。成功に必要なのは「絶対なる完璧」なのです。だから極端にまで研究し尽くされたものは、さらに評価されるのです。
単なる「完璧」だけではだめで、さらにより高みにいくことが必要とされる。単なる完璧だって十分だと思うのですが、世間というのはそれでは満足してくれないものなのですよね。本当に価値あるものにしたければ、その完璧をより究極にまでもっていかなければならない。厳しいですがそれが現実なのです。
ショパンの曲は繊細で綺麗な曲が多い、という印象が強いですが、ポロネーズなどを聴いてもお分かりのように、かなり激情にあふれた曲も多く作っています。それは祖国ポーランドを愛するからこそ生まれたものですが、その一途な思い、というのは「完璧以上を求める」ところに繋がっていったのではないでしょうか。
また、彼は常に新しい演奏技術の開拓に挑戦していたそうです。現在の自分の実力に満足せず、常に上を目指す様、そういったところからも、この名言が生まれた理由というのは分かる気がしますね。
ショパンの名言⑤
こちらは、ピアニストであればだれもがハッとさせられる名言。
Practice by the tempo which is very slowly every morning and make the finger flexible.
毎朝、非常にゆっくりのテンポで練習し、指をしなやかにしなさい。
これはピアノを弾く人にとっては基本中の基本、基礎の中の基礎ですよね。しかし慣れてきてしまったり、時間がなかったりするとつい面倒になって省いてしまうところでもあります。しかしあのショパンでさえ、こういった基礎を怠らず練習していたのだなと思えば、素人初心者がそこを怠ってしまったら上達しないのは当たり前ですよね。
ピアノを習うとき、メインの曲の前にかならずハノンなどで指の練習をしますね。本当に「指のトレーニング用」といった感じで音の起伏もなく同じような音の繰り返し、飽きてしまう、という方も多いと思います(筆者もたまに怠けていました)。しかしそれでは上達するはずがないんですよね。
また、ゆっくりと確実に音を出していくことで、集中力を養うことができたり、自分の指が一体どのように動くのか、それを再確認できる機会でもあると思います。
毎日、ピアノの前に座ったらまず、ゆっくりのテンポで練習をし、自分の指の動きがどうなのか、そして集中力を高めてから、本題に取り組むようにしましょう。
ショパンの名言⑥
こちらもショパンらしい名言であると言えるでしょう。
I shall create a new world for myself.
私は自分のための新しい世界を創造する。
英語のフレーズだけでも、非常に分かりやすい言葉です。この場合の「世界」とは今いる世界、ということではなく、やはり音楽の世界ではないかと考えられます。ショパンがいた時代の前までの時代につくりあげられてきた音楽の在り方、もちろんショパンはそれらにも敬意をはらい、尊敬していました。
しかしそれに従うだけでなく、自らの音楽の世界を樹立しようと考えたのではないでしょうか。そしてそれは、彼が生きていた間には実感がなかったかもしれませんが、現代の音楽の世界において、「ショパンが創り上げた世界」が確かに存在しています。彼はまさにこの名言を実行できた人だと思います。
ショパンの名言⑦
ショパンは特にバッハの平均律を好んでいた、と言われています。
Bach is an astronomer, discovering the most marvellous stars. Beethoven challenges the universe. I only try to express the soul and the heart of man.
バッハは、天文学者で最高に素晴らしい星々を発見した。ベートーベンは宇宙に挑戦した。私はただ人間の魂と心を表現しようとするだけです。
バッハもバロック音楽における偉大な音楽家ですしベートーヴェンも古典派の、そしてロマン派の先駆けとして偉大な作曲家です。そしてこの比喩から、ショパンが2人をとても尊敬し、評価していることが伝わります。
しかし2人とも「偉大」と言われていてもその作品の内容、作風は全く異なります。そもそも、売り上げなど数字が定かでなかったこの時代において尊敬する音楽家というその基準はどこにあるのでしょうか?それはやはり「人の心を揺さぶるものかどうか」だと思うのです。
ショパンにとってバッハやベートーヴェンは彼の心を揺さぶる音楽家だったのでしょう。しかし現代において、ショパンのピアノに心を揺さぶられ、また癒されている人は多いでしょう。彼もまた充分に「偉大な」音楽家の1人なのです。
ショパン作品おすすめCD
それでは、最後になりますが、ショパンのおすすめCDをご紹介しましょう。
せっかくショパンの名曲を聴くのですから、世界的に有名なピアニストによる演奏のものがおすすめです。上の3枚はどれも著名なピアニストによるショパンの曲集ですので、迷ったときには参考になさってください。
ピアニストごとにクセなどもあるので、聴き比べをするのもいいですし、その中でご自分にはこの方の演奏がしっくりくる、など発見があるのもなかなか面白いですよ。
ショパンの名言まとめ
こちらではショパンの名言について、エピソードを交えながら、そして英語と和訳両方をご紹介してきました。解釈については独自のものです。
ショパン自身、この発言をしたときにこれが名言だと思って言ったわけではないと思います。しかしながら偉大なピアニストの言葉というものは現代でもこんなに心に残るものなのですね。