YOSHIKIのドキュメンタリー映画「WE ARE X」にも使用された『La Venus』とは?

X JAPANのリーダーYOSHIKIの波乱に満ちた人生を描いたドキュメンタリー映画「WE ARE X」。X JAPANファンならずとも涙無しでは観ることのできない作品を締めくくる名曲『La Venus』に込められた意味を考察していきます。

記事の目次

  1. 1.YOSHIKIのドキュメンタリー映画「WE ARE X」
  2. 2.映画のエンドロールにて使用された『La Venus』
  3. 3.『La Venus』に込められた意味を徹底考察
  4. 4.まとめ

【和訳】
 僕らが死ぬまで 君を心から愛し続ける
 僕らが天国へ飛んでいく日まで
 僕らが息絶える日まで 君がちぎる薔薇でいよう
 だから泣かないで
 それこそ世界の終わりじゃないか

このパートでは、YOSHIKIはYou=X JAPANに対する愛と献身を表明しています。
YOSHIKI自身とX JAPANは運命共同体。最後の日まで愛を注ぎ続けると歌っているのです。
頸椎の手術を受けるなど、身体的にはすでに満身創痍のYOSHIKIですが、それでも「君がちぎる薔薇でいよう」と歌います。X JAPANのためなら命も捧げる覚悟であることを示しているのだと考えてよいのではないでしょうか。

You say everything’s fake
Everything breaks
The color of the night veiling your faith
I’ll swallow your pain
It bleeds through your veins
‘Cuz we’ll see the day break
Stay true to your heart, La Venus

【和訳】
 すべては偽りだ、と君は言う
 すべては壊れてしまう、と
 夜の闇が君の信念を覆い隠そうとする
 僕が君の痛みを引き受けよう
 君の血管から滲み出る痛みを
 きっと僕らは夜明けを見るんだから
 君の気持ちに正直でいて、美の女神よ

数々の悲劇に見舞われてきたX JAPAN。しかし、約10年間の空白はあれど、彼らは夢をあきらめずに歩みを続けてきました。
どんな暗雲が垂れ込めようとも、耐えがたい苦痛に襲われようとも、あきらめることは絶対に無いという決意を歌っているパートだと考えます。

歌詞紹介のサイトでは、“The day break”と表記されていますが、ここは“The daybreak”が正解なのではないかと思います。
“The daybreak=夜明け”と“The color of the night=夜の闇”を対比させているのでしょう。闇を抜けた先には、必ず夜明けが待っている、と希望が歌われているのです。

そして、X JAPANというバンドを「美と愛の女神」であるヴィーナスに見立て、「自分の心に正直でいて」と信念を貫くことを願います。それはYOSHIKI自身にも言い聞かせているようにも思えます。

Everything’s fake
Everything breaks
And we won’t be the same
But I want you to know my love (I’ll be there for you)

【和訳】
 すべては偽りだ
 すべては壊れてしまう
 僕たちだって同じではいられない
 でも、君には僕の愛を知って欲しい(君のそばにいるから)

すべては移ろいゆく世の中であると認めつつ、YOSHIKIのX JAPANへの愛だけは疑いようのないものだという内容が歌われています。自分を救ってくれた音楽、そして常に自分の人生と共にあったX JAPAN、それらに対する無償の愛がこの曲のテーマなのでしょう。

そして、この“La Venus”の歌詞は「ファンの立場から見たX JAPAN」という図式も成り立ちます。YOSHIKIがそのような二重構造を意識していたかどうかは定かではありませんが、ファンにとってX JAPANはかけがえのない存在です。バンドへの愛を歌った楽曲として、これからも聴き継がれていくことでしょう。

まとめ

出典: https://cdn.pixabay.com/photo/2017/08/07/03/53/drums-2599508__340.jpg

X JAPANの“La Venus”の歌詞について考察を重ねてきました。
歌詞に込められた本当の意味は作詞者であるYOSHIKIのみぞ知るところですが、今回は「ファンの目線からの解釈」ということでご理解いただければと思います。

映画「WE ARE X」をまだ観ていない方は、是非ご覧になっていただき、エンドロールで流れる“La Venus”を聴きながら歌詞の意味に考察を加えてみてください。
もうすでにご覧になった方も、もう一度観る事によって、何か新しい発見があるかもしれません。

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