【SIRUP】『Do Well』に続き、『LOOP』の中毒者も続出？！曲について徹底考察！

大阪出身のR&Bを基本としたシンガーソングライターSIRUPをご存じでしょうか？読み方はシラップで、「sing」と「rap」を掛け合わせたオリジナルの名称です。その名の通り歌とラップを違和感なく織り交ぜた歌唱のスマートでおしゃれな楽曲が人気で、最近ではHONDAのTVCMに「Do Well」が採用され一躍人気アーティストの仲間入りを果たしました。

アップテンポで思わず体を動かしたくなるようなおしゃれな曲調の「Do Well」は、サビの部分をテレビで聴いたことがある方も多いのではないでしょうか？ビートメイクはシンプルですが軽快なリズムギターや、ヒップホップを意識した16ビートの跳ね感の強いノリのリズムの上で、歌ともラップともつかないSIRUPの非常にスキルフルなボーカルが絶妙にマッチした名曲となっています。このジャンルの壁を越え様々なテイストを、縦横無尽に行き来しながら独自のサウンドを聴かせるのがSIRUPの特徴です。思わず口ずさんでしまうキャッチーなサビも人気のポイントではないでしょうか。

AORやシティポップをうかがわせるポップなテイストとシンプルなサウンドメイク、ヒップホップジェネレーションならではのグルーヴを感じさせる楽曲は、今の日本の音楽シーンを賑わす本格派のアーティストに共通するセンスではないでしょうか。

では、そんなSIRUPとは一体どんなアーティストなのでしょうか。インディーズ時代に活動し、すでに才能の片鱗を見せていた大阪時代と、メジャーデビューすることになる東京に拠点を移してから現在に至るまでを追ってみます。

元々、大阪を中心にシンガーとして活動していた際は本名の読み方からKYOtaroと名乗り、多くのイベントに出演していました。大阪音楽シーンの中でも実力のあるシンガーやラッパー、名うてのミュージシャンが多く揃っていたブラックミュージックのコミュニティの中で経験を重ね、着実に実力とファンを獲得していきました。ステージの内外でも人懐っこく明るい性格で、ライブでの大阪人ならではのユーモアのあるMCも好評でした。

ソロ活動とは別に多くのミュージシャン、シンガー、ラッパーなどからなる音楽集団Soulflexにも参加し、独自のイベントを企画したりと精力的に活動していました。

また、大阪の音楽シーンはバンドやアーティストの横のつながりがジャンルレスなことが多く、定期的に行われるイベントも幅広いジャンルから個性的な出演者が集まっています。そんなシーンの中で多くのアーティストとステージを通じ、柔軟で多彩な音楽性を身に着けていったのではないでしょうか。

そして、2012年にはファーストアルバム「HEART BEAT」をリリースし、伸びのあるしなやかなボーカルと変幻自在の高いスキルによって多くの聴衆を魅了していきました。
 

東京に活動の拠点を移してシンガーソングライターとしての活動10年を迎えるにあたり、ネームをSIRUPへと改め、様々なアーティストとのコラボレーションを行うニュープロジェクトとして活動を始めます。2017年に「SIRUP EP」、2018年に「SIRUP EP2」と立て続けにリリースした後、2019年５月に待望のメジャーファーストフルアルバムを発表。先述のTVCMのタイアップのタイミングと重なり、多くの人に曲と名前が知られることになりました。

その後も国内外を含め、多くのライブやフェスでのクオリティの高いパフォーマンスで、全国的にファンを獲得しています。

SIRUPとして活動を始めチャートでも1位を獲得するなど飛ぶ鳥を落とす勢いの彼の、今のキャリアを築くきっかけになったアーティストは一体誰なんでしょうか？

R&Bやソウルのシンガーに影響を受けたアーティストを訪ねると必ず名前の挙がるStevie Wonder(スティービー・ワンダー）からはSIRUPもご多分に漏れずインスパイアされています。高校時代に吹奏楽部の先輩に教えてもらったスティービー・ワンダーの楽曲にのめり込み、それからR&Bやソウルに本格的に傾倒をはじめ、当時アメリカのヒットチャートに上がっていたAlicia Keys（アリシア・キーズ）なども知ることになります。やがて才能にいち早く気付いた兄の勧めもあり、自身でもそういった本格的シンガーを目指し活動を開始します。