コブクロの名曲「蕾」に秘められた想いとは?聴き手に感動を与える魅力を解析!
『蕾』はコブクロの代表的な曲の1つです。コブクロの『蕾』はメンバーの亡くなった母への思いをつづった歌とされていますが、その歌詞には一体どんな想いが込められているのでしょうか、独自の解釈をまとめました。PVと合わせて聴いてみてください。
「蕾」の歌詞の意味を読み解く
『蕾』は亡き母に捧げられた歌
『蕾』は小渕健太郎が、亡くなった母へ捧げた曲です。このことは第49回日本レコード大賞を受賞した際に「亡くなった母親が一緒に歌っていてくれていたと思う」というコメントをしたことで明らかになりました。その際、司会の堺正章がこれに対して「感動的な受賞でした」と返したことも有名です。
まだ18歳の時だったそうですから、お母さまもまだお若かったことでしょう、そしてこの曲の歌詞には亡き母に、生きている間に伝えたかったさまざまな言葉が込められています。
『蕾』の歌詞の解釈・意味考察
それでは『蕾』の歌詞を読み解いていきましょう。
涙 こぼしても 汗にまみれた笑顔の中じゃ
誰も気付いてはくれない
だから あなたの涙を僕は知らない
絶やす事無く 僕の心に 灯されていた
優しい明かりは あなたがくれた 理由なき愛のあかし
母親というものは常に子供のため、家族のために汗まみれになりながら家事をしたり仕事をしたりしているものです。そんな中で泣く、涙を流したとしても汗に紛れて分かりません。また、あるいは、母親は家族の前ではいつも笑顔でいて泣くところを見せることはないでしょう。
そしてその母の笑顔はいつだって子供の味方であり、子供にとって安心するものですね。たとえば学校でちょっと嫌なことがあった、友達とうまくいかないことがあった、そんな時でも家に帰ればお母さんが優しく微笑みかけてくれる、それだけでホッとし、安らぐものでしょう。「僕の心に灯されていた明かり」は母の笑顔であり、そして母の無償の愛でしょう。母親は子を愛するのにそこに見返りは求めません。理由なき愛、とはそのように解釈できると思います。
柔らかな日だまりが包む 背中に ポツリ 話しかけながら
いつかこんな日が来る事も
きっと きっと きっと わかってたはずなのに
背中、という部分から、年老いたあるいは病気で弱っている母親が柔らかな日差しに包まれながら座っているあるいは寝ている、というのを想像しましたがそのあとの「こんな日が来ることもわかっていたはずなのに」という部分から、すでに亡くなってしまったお母さん、という意味なのかなと解釈しました。
もう声も届かないけれど、言いたくても言ってこれなかった感謝の言葉など色々、話し掛けながら、生きているうちに伝えたかったと後悔する気持ちが表れていますね。
消えそうに 咲きそうな 蕾が 今年も僕を待ってる
掌じゃ 掴めない 風に踊る花びら
立ち止まる肩にヒラリ
上手に乗せて 笑って見せた あなたを思い出す 一人
サビの部分ですがここは解釈が色々と別れる部分かと思います。独自の解釈、考察をしたいと思います。
「消えそうに咲きそうな蕾」は母親のことをさすのでしょう。一見小さくて弱々しげながら、それでも強さを持った人。母はきっと今も自分のことをどこからか見てくれているはず、そんな意味に解釈しました。
その蕾が花を咲かせ、舞う花びらとは母の愛ではないでしょうか。風に舞う花びらはなかなか手で掴むことができません。それを、目に見えない母の愛に例えたのです。しかし手ではつかめなくても肩にはヒラリと舞い落ちた。母は亡くなった今も「僕」に微笑みかけ、愛を与えてくれているのだということではないでしょうか。
ビルの谷間に 埋もれた夢も いつか芽吹いて花を咲かすだろう
信じた夢は 咲く場所を選ばない
僕等この街に落とされた影法師
みんな 光を探して 重なり合う時の流れも
きっと きっと きっと 追い越せる日が来るさ
このあたりは少し母のことから離れていく気がしますね、どんな夢だって信じていれば花が咲く、叶わないはずがない、というメッセージ。卒業ソングに選ばれるのも分かる気がします。
「影法師」の部分は、みんな光を探してさまよっているけれど、いつか近い未来、光にたどり着くことができる、花を咲かせることができる、夢を叶えることができる、という解釈ができると思います。
風のない 線路道 五月の美空は 青く寂しく
動かない ちぎれ雲 いつまでも浮かべてた
どこにも もう戻れない
僕のようだと ささやく風に キラリ舞い落ちてく 涙
あくまで想像ですが、お母さまが亡くなられたのは5月だったのかもしれませんね。5月の青空は本来であれば青くすっきり爽やかさすら感じさせるはずですが「寂しく」というところにそれが表現されているような気がします。風のない空に浮かぶ動かない雲を、大切な母を亡くしてどこにも行き場がない自分に見立てています。
散り際に もう一度 開く花びらは あなたのように
聴こえない 頑張れを 握った両手に 何度もくれた
消えそうに 咲きそうな 蕾が 今年も僕を待ってる
今もまだ 掴めない あなたと描いた夢
立ち止まる 僕のそばで
優しく開く 笑顔のような 蕾を探してる 空に
亡くなる直前の「あなた(お母さん)」の両手をとった「僕」には、「頑張れ」というエールが伝わったのでしょう。
母を亡くし、立ち止まってしまいそうな「僕」のそばで、母はあの頃の笑みを送ってくれ、そして変わらず応援してくれている。
素敵な歌ですね。
コブクロの『蕾』歌詞などまとめ
こちらではコブクロの名曲、『蕾』をとりあげ、特に歌詞を深く掘り下げて意味などを考察、独自の解釈をまとめました。PVと合わせて見てみると、より感動が深まるかもしれません。
亡き母や父に捧げた歌は結構ありますが、やはり実体験をもとに描かれるその人への祈りや想いというものはリアルにこちらに迫ってくるものがありますね。卒業ソングとして、また高校野球のテーマソングとして馴染みのあるこの曲ですが、亡き母への想いとして改めて聞いてみると新たな発見があるかもしれません。
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