平松愛理が贈る『部屋とワイシャツと私』は深いラブソングだった?!歌詞から意味を徹底考察!
平松愛理の代表曲、『部屋とワイシャツと私』は歌詞が怖い、と言われていますが本当にそうでしょうか?こちらでは『部屋とワイシャツと私』の歌詞を徹底考察、紐解きました。実はとても愛情深いこの曲、もう一度じっくり聴いてみませんか?
兵庫県神戸市出身の女性シンガー平松愛理
1989年に「TREASURE」でソロデビュー
女性シンガーソングライターである平松愛理は兵庫県神戸市の出身。幼少の頃よりピアノやオルガンに触れ、10歳のころには兄の影響でカーペンターズなど洋楽を聞くようになり、「歌」というものに興味を持ち始めます。
高校のときには軽音部でバンド活動を始め、自作の曲を歌ったりしていました。そのあたりからプロとしてやっていきたいと思うようになったようです。
1986年、22歳の時に上京、アルバイトをしながら曲作りをし、レコード会社を訪問する、という生活をしていました。そんな地道な活動が実を結び、ポニーキャニオンより1989年にシングル『青春のアルバム』、そしてアルバム「TREASURE」でデビューを果たします。
病と闘いながら現在も活動中
『部屋とワイシャツと私』や『素敵なルネッサンス』、『もう笑うしかない』、『Single is Best!?』などヒット曲を連ねていた彼女ですが、私生活では、子宮内膜症や乳がんなどと闘っていました。
2005年には離婚、しかし、デビュー30年を迎えた今でも、アーティストとしての活動は続けています。
なお、彼女は神戸出身ですが、阪神大震災のときには実家が倒壊するという不幸にもあいました。しかし彼女はチャリティー活動を積極的に行い、2010年にはその活動が評価され、神戸新聞文化賞を受賞しています。
平松愛理の一番のヒット曲とも言えるのが『部屋とワイシャツと私』
『部屋とワイシャツと私』は1992年に発表
『部屋とワイシャツと私』は平松愛理の3枚目のアルバム、「MY DEAR」に収録されています。1992年3月21日にリリースされ、オリコンチャート最高位4位を記録、平松愛理にとって最大のヒット曲ともなりました。
また、第34回レコード大賞・作詞賞も受賞しています。平松愛理の、まさにピークを代表する1曲といってもいいでしょう。
しかしこの曲は何がそんなに人々を惹きつけたのでしょうか。紐解いてみましょう。
歌詞が怖い、と話題に?
平松愛理の『部屋とワイシャツと私』で検索すると「歌詞が怖い」というような予測変換が出てくることがあります。なるほど、たしかにこの曲は当時、さだまさしの『関白宣言』と比較され、「関白宣言の女性版」などと言われたりしました。
歌詞を良くみると、一見、女性のかわいらしいお願い事、のように見えるのですが、よく歌詞の意味を考えると、「浮気をしたら毒入りスープで一緒に行こう」「恐れて実家に帰らないで」など、うっすら恐怖を覚えなくはない…!?
しかし文面からだけでこの曲の歌詞を読みとるのはあまりに単純というものです。平松愛理はこの曲で何を言いたかったのか、本当に怖い歌なのか、歌詞の意味を考察してみたいと思います。
『部屋とワイシャツと私』は深い想いのこもったラブソング?!
『部屋とワイシャツと私』は4分の3拍子、ゆったりとした曲調に、歌番組などでは平松愛理本人によるピアノの弾き語り、という形式で歌われていました。「お願いがあるのよ」というなんともかわいらしい言葉から始まるこの歌の本当の意味はどんなものなのでしょうか。
お願いがあるのよ あなたの苗字になる私
大事に思うならば ちゃんと聞いてほしい
飲みすぎて帰っても 3日酔いまでは許すけど
4日目つぶれた夜 恐れて実家に帰らないで
「あなたの苗字になる私」、というところから、これから彼と結婚する女性なのだ、ということが分かります。結婚にあたって、自分を大事だと思うならどうか以下のお願いを聞いてほしい、そういうことでしょう。
そして男性からしてみたら、これから奥さんになる女性からこんなふうに「お願いを聞いて」と前置きされたら、なんだろう?って神妙に聞いてしまいますよね。
しかし歌詞はいきなり怖い展開になっていきます。
「恐れて実家に帰らないで」の、実家に帰るのは「私」じゃなく旦那さんなんですよね。裏返してみれば恐れて実家に帰ってしまうほどの怒り方をする、ということになるわけですが、どれだけ怖い怒り方をするのでしょうか。
お願いがあるのよ、とかわいらしく切り出した割りにはいきなり怖い展開になってきて先行きが不安になる歌詞です。
部屋とYシャツと私 愛するあなたのため
毎日磨いていたいから
時々服を買ってね 愛するあなたのため
きれいでいさせて