フェンダー・ムスタングのギターの特徴と値段を紹介!
名門フェンダーの隠れた名機『ムスタング』というギターをご存知ですが?ストラトキャスターでもテレキャスターでもない、個性的なギターの魅力に熱狂的なファンも多いようです。今回は噛めば噛むほど味の出るギター・ムスタングの特徴と気になるお値段をご紹介します。
フェンダー・ムスタングとは?
ムスタングは、エレキギターの名門フェンダー社が1964年に発売開始したエレキギターです。本家アメリカでは1982年に製造を終了していますが、1986年からはフェンダー・ジャパンが生産を始め、現在でも人気のあるギターです。
元々はフェンダーのスチューデントモデルとして登場したもので、21〜22フレットのシュートスケールが特徴です。
小ぶりで可愛らしいデザインに似つかわしくなく、攻撃的なサウンドを出すことから、サーフミュージックやガレージサウンド、90年代以降ではグランジやパンクバンドに多く使用されています。
『ムスタング』という言葉には「じゃじゃ馬」とか「あばれ馬」という意味があります。これはこのギターが小さなボディでありながら、激しいサウンドを出すことや、チューニングが狂いやすいなどの扱いづらさが由来しています。
そんな意味を持つ愛すべき名機(迷機?)のサウンドを聴いてみましょう。
フェンダー・ムスタングギターのサウンド
ムスタングはキレの良い高音と、ややチープな味のある低音域が特徴で、この独特なサウンドが好きなギタリストにはたまらない魅力になっています。
ムスタングといえば、この人。Charさんを思い浮かべる時はハットとムスタングは欠かせません。
Smokey/CHAR
ムスタング特有の抜けの良い爽やかなカッティングのトーン、歪ませた時のワイルドなサウンド、ムスタングの魅力をこれでもかとばかりに見せつけてくれるChar先生の演奏です。
フェンダー・ムスタングの特徴
ピックアップ
ムスタングのピックアップはオリジナルで、ターン数の少ないシングルコイルがリアとフロントについています。
ピックアップセレクターを調節することによって、
①リアのみ
②リアとフロント(フェイズ・イン)
③リアとフロント(フェイズ・アウト)
④フロント という、4種類の音色を作り出すことができます。
②のフェイズインではフロントの柔らかいトーンと、リアの硬いトーンが合わさった厚みのあるサウンドになりますが、③のフェイズ・アウトでは低音域が削り取られたフィルターを通したような音になります。
シュートスケール
ムスタングはもともと子供や手の小さい女性向けのスチューデントモデルとして作られたものなので、ネックの長さがストラトキャスターやテレキャスターで採用されている25 1/2インチのロングスケールではなく、24インチのショートスケールです。
これによってフレットの間隔も狭くなり、押さえやすい仕様になっていて、初心者でも弾きやすくなっています。
ネックが短い分、サスティーンは弱くなり、良く言えばムスタング特有の歯切れの良いサウンドを生んでいる訳です。
トレモロユニット
ムスタングの大きな特徴として、ダイナミック・ヴィブラートという名前のトレモロユニットが搭載されている事があります。
これはストラトなどに搭載されているシンクロナイズド・トレモロの様にスプリングがボディに接続されていません。
ブリッジとテールピースが直接スプリングで繋がれており、アーミング操作の負担を軽くしています。ただし、チューニングは狂いやすくなりますので注意が必要です。
フェンダー・ムスタングギターを使用している主なアーティスト
ムスタングの個性に魅了され、愛用しているギタリストはたくさんいます。
まず有名なのは、90年代のグランジロックシーンにおいてカリスマ的な人気を博した『Nirvana』のフロントマン、カート・コバーンでしょう。
代表曲の『Smells Like Teen Spirit』のプロモーションビデオでの演奏に使用していたブルー系のムスタングが印象的です。
SmellsLikeTeenSpirit/Nirvana
同じくオルタナティブロックシーンで人気のある『ソニック・ユース』のサーストン・ムーアもムスタングを使用していました。
ヴィンテージのムスタングをかなり改造して使用していましたが、サーストン・ムーアの独創的なギタープレイにムスタングの個性も一役買っていたのは間違いありませんね。
元レッチリのジョン・フルシアンテ、ノラ・ジョーンズなどにも愛用されているムスタング。日本ではもちろんCharさんやラルク・アン・シェルのHydeさん、けいおんのあずにゃんも使用していることは有名です。
錚々たる顔ぶれに愛されるムスタングは、使用する人の個性も引き出してくれそうですね。
フェンダー・ムスタングの値段は?
フェンダー・ムスタングの気になるお値段を紹介します。
FenderMexico/PlayerMustang
Fender Player Mustang
参考価格: 66,660円
フェンダーメキシコ製のムスタングで、ボディはアルダー、指板にはパウフェローが採用されています。
ゴールドが美しいこちらは、フェンダー・ムスタングサウンドが6万円台から堪能できる、コストパフォーマンスの高い1台となっています。
値段 | ¥66,660〜 |
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FenderJapan/60sMusutangu
60s Mustang® Olympic White
参考価格: 94,000円
人気の高い[Made in Japan Traditional]シリーズの2020年モデルです。日本製の60sタイプのトラディショナルシリーズのムスタングで、フィンガーボードはローズウッド製になっています。
ネックはU字にシェイプされていて、トラディショナルシリーズらしい確かな演奏製を約束してくれます。
価格 | ¥94,000〜 |
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FenderUSA/AmericanperformerMustang
American Performer Mustang
参考価格: 127,001円
フェンダーUSA製の、ムスタング上位機種であるアメリカン・パフォーマー・ムスタングは、カリフォルニアでハンドメイドされているピックアップを使用し、上質なサウンドを約束します。
ネックはCシェイプでサテン仕上げとなっており、スムーズな使用感を実現しています。
価格 | ¥127,001〜 |
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愛すべきギター、フェンダー・ムスタング
フェンダー・ムスタングについて、その特徴や魅力、愛用している有名なギタリストについてや一般的な価格についてまとめてきました。
テレキャスターやストラト、レスポールといった王道にはない魅力を少しでもお伝えする事が出来たら嬉しいです。
ギターには底知れぬ面白さがあります。機会があれば、色々なギターに触れ、それぞれの個性を楽しんでいただけたらと思います。