「Audacity」でボーカルを変幻自在にエフェクトしよう!使い方をご紹介
無料で便利な「Audacity」が今「歌ってみた」動画を制作している歌い手の間で、最も注目されている音源編集ソフトだと知っていますか?使い方が分からない方も多いと思います。「Audacity」でボーカルをエフェクトする方法と使い方をまとめました。
「Audacity」にある主要なエフェクト⑦:増幅
「増幅」とはすなわち、波形の幅を大きくし音量・音圧を上げたり下げたりする機能のことです。
ちなみに「Leveller(レベラー)」というエフェクトもありますが、こちらは「増幅」と違って音量・音圧を下げることはできません。
しかし「Leveller(レベラー)」のほうが音が割れにくくなっています。
2つを上手く使い分けるとよいでしょう。
「Audacity」の増幅の使い方
メニューから「エフェクト」「増幅」と順に選択し、ダイアログを表示しましょう。
この段階での、増幅の項目の数字は自動的に設定された、音割れしない最大の上げ幅です。
この数値や目盛りを希望のものにし「OK」を選択してください。
最初の設定のままの状態で増幅する人が多いようです。
「Audacity」にある主要なエフェクト⑧:ピッチの変更
ピッチとは音程のことです。
録音した音声を高くしたり低くしたりすることができます。
「Audacity」のピッチ変更の使い方
音程を変更したいファイルを選択し、メニューから「エフェクト」「ピッチの変更」と順番に選択してください。
「音程差」の数値を、たとえば「2」と入力すると1音上がり(半音が1という認識で設定されているため)ます。
「‐4」にすると2音低くすることが可能です。
「Audacity」にある主要なエフェクト⑨:フェードイン・フェードアウト
曲のはじまりに、小さいボリュームから少しずつ大きくなり通常のボリュームになっていくことがフェードインと言います。
反対に曲の最後に通常の音から少しずつ音量が下がって、音がなくなることがフェードアウトです。
カットイン・カットアウトといって、いきなり音がはじまったり終わったりするものもありますが、だいたいの音源はこのフェードイン・フェードアウトの加工を施しています。
「Audacity」のフェードイン・フェードアウトの使い方
フェードイン・フェードアウトしたい部分を選択し、メニューの「効果」から「フェードイン」「フェードアウト」を選択してください。
波形が山形になるので、これで設定完了です。
「Audacity」でボーカルにエフェクトをかける
それでは実際にボーカルにエフェクトをかけ、ミックスしていきましょう。
ボーカルのミックスはいろいろな方法がありますが、基本的には「イコライザー」と「コンプレッサー」「リバーブ」を使用するのが一般的な流れです。
ボーカルにエフェクトをかける時の使い方①:圧縮
まずはコンプレッサーで音を圧縮していきます。
先ほども紹介したように、1曲通してバラつきがあるボーカルの音量バランスをできる限り均等にしていく作業です。
ダイアログに書いてあるワードに関しては「エフェクトの種類」の項目にある「コンプレッサー」の説明を参考にしてください。
コンプレッサーをかけるトラックを選択し「エフェクト」から「コンプレッサー」を選択しましょう。
ボーカルのミックスの場合は「ピークに基づく圧縮」と「圧縮の後0dBになるようにゲインを調整する」の項目のチェックは外します。
レシオは2:1~8:1が適切で、アタックタイムを0.10秒にリリースを1.0秒にしてください。
閾値はトラックの音量メーターを確認しながら3dB~6dBくらいの範囲で調整してください。
かけ過ぎると歌の強弱が分かりづらくなり、感情のない機械的な歌になってしまいます。
数値は目安ではありますが、初めはここでお話しているものとあまりかけ離れた設定にしないようにしましょう。
ボーカルにエフェクトをかける時の使い方②:帯域ごとの音量調整
イコライザーは特定の周波数帯域を強調・減衰させ、音質をよくする働きを持っています。
このイコライザーが声質の雰囲気をかなり変えるので、非常に重要なエフェクトです。
「エフェクト」から「イコライゼーション」を選択し、設定していきましょう。
描画で設定する場合は点を打って動かし、グラフィックで設定する場合は指定されている周波数を上げ下げします。
音の厚みを出したい場合は、低音域がある200Hzを上げてみて下さい。
音がこもって聞こえる場合は逆に下げましょう。
声が細く聞こえる場合は基音がある400Hzを上げてください。
逆に声色をすっきりさせたい場合は下げましょう。
他にも1kHz近辺を上げると音が前に出たり、5kHzより上を上げるとキラキラとした感じになります。
これらの数値を参考に希望の声色に設定してみてください。
ちいなみにボーカルのイコライザーは「6dB」~「-6dB」で調整すると良いです。
これ以上の変化は違和感を感じるサウンドになってしまうので、しっかり確認しながら調整してみましょう。
ボーカルにエフェクトをかける時の使い方③:リバーブなどを加える
基本の音の設定が終わったら、今度はリバーブなどのエフェクトをかけて加工していきましょう。
リバーブは「エフェクト」から「リバーブ」を選択すると設定画面が表示されます。
ダイアログにある「ウェットゲイン」とは、どのくらい残響を足すかの数値ですが、これを上げ過ぎると違和感のある声色になってしまうようです。
もし深いリバーブを求めているのであれば、空間の広さを意味する「ルームサイズ」や残響音の長さを意味している「残響」で調整してください。
もしコーラスにかけたい場合は、メインのボーカルの設定を参考に少しだけ「ウェットゲイン」を上げましょう。
こうすることでメインボーカルとコーラスの、適切な距離感ができます。
リバーブ以外の他のエフェクトもいろいろ試すと楽しいと思いますが、コンプレッサー・イコライザーの設定を必ず先に行いましょう。
「Audacity」でのボーカルカットのやり方
ボーカルカットとは、もともとの音源から歌のみを切り取ることです。
ボーカルカットをすることでカラオケ音源やインスト音源(楽器のみの音源)が出来上がります。
「歌ってみた」動画などを作りたいけどカラオケ音源がない、という時にも非常に役立つでしょう。
ボーカルカットのやり方は次の通りなので、参考にしてみてください。
- 「エフェクト」をクリック
- 「Vocal Remover」をクリック
- 「Remove vocals or view Help」の「Remove vocals」を選ぶ
- 「Remove choise」は「Removal frequency band」を選ぶ
- 周波数を低音域は300~500に、高音域は4000~8000に設定
これで「OK」を選択すればできあがります。
なお最後の周波数はその音源の声によってさまざまなので、範囲内の数値をいろいろ試してみてください。
まとめ
「Audacity」を使ってボーカルをエフェクトする方法を、「Audacity」内の主要なエフェクト機能も含めて紹介しました。
この記事を参考に、自分の音源を上手にミックスしてみてくださいね。
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