音楽用語「セグエンツ」とは?例とあわせて紹介!
音楽用語の1つ『セグエンツ』という言葉の意味を知っていますか?あまり聴き慣れない用語ですので、音楽をやっている方でも知らない人が多いようです。今回は音楽用語『セグエンツ』について、その意味や使い方、使用例などをご紹介していきます。
セグエンツとは?
『セグエンツ』という音楽用語があります。あまり聞いたことのない人も多いかも知れません。どのような意味の言葉でしょうか?
『セグエンツ』とは、楽譜の1部分が音程を変えて、そのまま繰り返し使用されることで『反復進行』とも言います。
『反復演奏』はドイツ語で『ゼクエンツ』と呼ばれ、それが日本では『セグエンツ』となっています。
実際にセグエンツが使われている例
それでは実際の楽曲の中で、セグエンツがどのように使われているのかを見ていきましょう。
雪やこんこ
誰もが知っている童謡ですが、セグエンツが非常に効果的に使われている楽曲です。
最初の『雪やこんこ あられやこんこ』この部分でとても自然にセグエンツが使われています。
2回目で音程が下がっていますが、このことによって聴く人に安心感を与えています。そしてスムーズな楽曲の展開にもひと役買っているのです。
ゴルドベルク変奏曲
クラシックの偉大な作曲家、モーツァルトやワーグナーなどの作品にはゼクエンツが効果的に使われていることが多いようです。
とりわけバッハは作品の中にゼクエンツを好んで使用しています。この『ゴルドベルク変奏曲』も、前半と後半の終わりに反復進行していく部分があります。
繰り返し同じフレーズが演奏されることによって、楽曲をより深く印象付けている効果が感じられます。
さよなら/小田和正
『さよなら』は1979年にリリースされた、オフコースの17枚目のシングルで、現在でも高い人気を誇る屈指の名曲です。
サビの『さよなら』のリフレインで、ゼクエンツが非常に効果的に使用されています。下降していくことでむなしく響いていく『さよなら』の悲しさ、哀愁をより強調しているようです。
Rain/大江千里
シンガーソングライターとしてデビューし、現在はジャズピアニストとして活躍する大江千里さんが、1988年にリリースした7枚目のオリジナルアルバム『1234』に収録されているナンバーです。
後に槇原敬之さんや秦基博さんにカバーされて有名になりましたので、原曲が大江さんだと知らない人も多いかも知れませんね。
2008年にジャズピアニストに転向した大江さんは、歌うことを辞め、ピアニストに徹すると宣言しています。
今回は2018年にリリースされたアルバム『Boys &Girls』に収録されているインストバージョンをご紹介します。
Aメロのはじめの部分でゼクエンツが使われています。2回目の繰り返しが下降しているメロディになっていて、雨の日のしっとりした風情が表現されています。
ゼクエンツについてのまとめ
音楽用語の『ゼクエンツ』について解説してきました。それぞれの楽曲の中で、効果的に使用されていることがお分かり頂けたかと思います。
様々な楽曲の中で、何気なく使われていることも多いので、曲を聴くときにそういった視点で聴いてみるのも面白い発見があるかも知れませんね。
セグエンツを楽譜で見ていきましょう。1小節目のAの楽句が、Bでは音高を変えてそのまま繰り返されています。
このように同じ音の流れ方が、違う高さで繰り返されることがセグエンツです。繰り返しによる高揚感やコード進行に変化をつけるために、多くの楽曲で取り入られている方法です。