リタルダンドの意味や記号の書き方は「rit.」?ラレンタンドとの違いも紹介!
リタルダンドとは、小学校や中学校の音楽の授業でも出てきますよね。ご存知の方も多いと思います。では、ラレンタンドについてはいかがでしょう。ここでは、リタルダンドについてご紹介します。合わせてラレンタンドとのニュアンスの違いについてもご紹介します。
リタルダンドとは?
リタルダンド(ritardando)とは、クラシック音楽で使われる速度記号のひとつです。
イタリア語で「だんだん遅く」を意味します。
曲の締めくくりや、曲想が変わる直前など、終わりや変化を強調する場合に使われます。
ちなみに、ritardandoを分解すると、以下のようになります。
- ra=強調を表す接頭語
- tardare=遅れる、延期するなど
- ando=現在進行形(~していく)
このことから、リタルダンド(ritardando)は「だんだん遅くしていく」の意味になるのです。
演奏時には、自然な形で徐々にスピードを落としていきます。
なお、リタルダンドと逆の意味の速度記号は、「だんだん速く」を意味する「アッチェレランド(accelerando)」です。
記号の書き方
楽譜での表記としては、「ritardando」が使われる場合もあれば、省略形の「rit.」「ritard.」が使われる場合もあります。
リタルダンドの開始は、リタルダンドの記号が書かれたところからですが、リタルダンドの終了は、曲想の変わる直前(次のテンポ指示のある部分)まで、もしくは曲の終わりまでとなります。
リタルダンドとラレンタンドとの違い
リタルダンドもラレンタンドも音楽用語としてはどちらも同じ意味です。
だんだん遅くなるように演奏しますが、両者はニュアンスが異なります。
リタルダンドは「時間に遅れる、予定が遅れる」という意味があり、ラレンタンドは「徐々に速度を落とす、意図的に遅らせる」という意味があります。
これらの意味の違いはおわかりいただけると思いますが、そのまま演奏に繋げていくには難しいですね。
楽曲をよく読み込み、作曲家がなぜラレンタンドを指示したのか、なぜリタルダンドを指示したのかを考えることで自然な演奏方法が見つかるかもしれません。
リタルダンドとフェルマータとの違い
リタルダンドとフェルマータは全くの別ものです。
フェルマータは、ひとつの音符や和音、ひとつの休符に対し、ほどよく伸ばすよう指示する記号です。
曲の最後の音や、最後のまとめの音に対してフェルマータが付いている場合は、曲の終わりを強調します。
上記以外の場合でも、曲の途中でフェルマータが付いている場合は、その音符や休符を強調します。
フェルマータにより、本来の音符の長さよりも長く伸ばすことで、曲が遅くなる感じがするのかもしれませんが、リタルダンドとは異なる音楽記号です。