楽譜の作り方にはコツがある!読みやすい楽譜を作るポイントや基本をご紹介
楽譜は読む事はあっても、書く事は意外に少ないかもしれませんね。
どうせ書くなら、読みやすい楽譜が作りたいものです。
楽譜には、読み方にも書き方にも色々ルールがあリます。
事前準備をしたり、書き方を少し工夫するだけで読みやすい楽譜ができます。
手順をご紹介しましょう
自分で楽譜を作ってみたい
自分で気に入ったオリジナル曲が作れた時、また自分のオリジナルやアレンジを人とコラボレーション演奏したいときは、楽譜を作りたいですね。
録音やメモだけしておく手もありますが。
自分1人で演奏するものとしても、時間が経つと細部を忘れてしまうことも。
また、人とコラボするなら、しっかりした楽譜があるほうが、断然正確に伝わりやすいです。
楽譜をイチから作るのは初めは多少ハードル高く感じるかもしれませんが、作るプロセスで色々なことが見えてきます。
次の章で、手順やポイントを説明します。
楽譜の基本の作り方
何に書いてゆくか考えよう
まず、楽譜を書くためのものを準備しましょう。
五線紙をダウンロードしたり、五線ノートなどに、手書きで書くのもよいですが、細い五線紙に音符の玉をきれいに書いていくのは少々大変かもしれません。
曲の編成や長さにもよりますが、あまり五線の幅が狭すぎないものを選びましょう。
また、大譜表の長い曲を書いてゆくのには、A4サイズで10~12段の五線だと書きづらいかもしれません。
その場合は、楽器店などでA3サイズの、長編楽譜を書きやすい五線紙も販売されています。
楽譜作成ソフトは、多機能で高価なものもありますが、以下のような、フリーでも機能が充実したものもあります。
有料でないと使えない機能もありますが、一通りある程度のことは賄えます。
これらの作成ソフトだと、繰り返しの小節パターンは、コピペで迅速に入力ができます。
また、打ち込んだ楽譜を音出し再生する機能がついているので、音の確認や間違いチェックをするのにも大変便利です。
楽譜のスタイルを決める
例えば、ピアノソロ曲なら大譜表、弾き歌いとピアノアンサンブル楽譜なら、メロディとピアノのパートが分かれているものなどと。
どのようなスタイルの楽譜にするか決めましょう。
楽器や音域によって、適したものが異なります
楽譜作成ソフトがある場合は、テンプレートでいろいろな編成パターンが用意されており、パートの増減などのカスタマイズもできます。
パートの特性(音域、音数)によって、ト音記号にするかへ音記号か?単独譜表にするか、大譜表にするかなど、考えて組むといいですね。
拍子、調(キー)の書き方は正確に
これらは、楽譜の一番初めに記載するものなので、正確に書かなくてはなりません。
拍子は、4分音符を基準にした、「4分の〜拍子」8分音符を基準にした「8分の〜拍子」などがありますね。
ポップス調の曲は「4分の4拍子」が比較的多いですね。
既成曲のアレンジなどなら、原曲の拍子記号を参考にすると良いでしょう。
オリジナルなら、拍をカウントしながら歌ったり弾いたりしてみて、何拍おきに句読点がくるか?しらべてみましょう。
また、小節の出だしがアウフタクト(不完全小節)の場合は書き方に注意が必要です。
図のような、不完全部分を、少し狭い小節内に収める記載になります。
キー(調)などがよくわからないものは、決まって♯や♭になる音をチェックすると、それは「調号」である可能性が大です。
下図(各キーの調号と主音図)を参考にして下さい。
途中で、明らかに転調する曲は、そのタイミングの小節で調号を書き換えることになります
曲の構成を把握しておく
曲には文章と同じように構成がありますね。
例えば、イントロ→A→B→C→間奏~などのように音楽の「段落わけ」が、されていると見やすいです。
いきなり楽譜に書いてしまわずに、一度メモで構成を書き出してみましょう。
段落分けと段落毎の小節数、繰り返しの有無も調べておくと、後で便利です
繰り返しマークの書き方を考えておく
前述のように、曲には歌ものなら一番と二番、器楽曲でもサビを何度か、など繰り返しが生ずることがあります。
その記述のための、1カッコや2カッコ、セーニョやcodaは便利ですが、多用しすぎると、あちこち飛んで目移りすることになります。
たまに、1小節のためだけにcodaをたくさん作り、セーニョとcodaが4〜5ローテーションもある楽譜が散見されます。
やむない場合もあるのですが、なるべく「目移りがはげしい」楽譜にならないよう考えてみましょう。
ページ数があまりに増えてしまうのも考えものですが、あまりにも小刻みになりすぎないレイアウトができたらいいですね。
楽譜を作る時のコツ
既成の楽譜をみて、書き方を研究しよう
楽譜ダウンロード販売サイトでは、かなり多くの既成曲が、色々な編成で出ています。
自分の好きなJポップなどがあれば、検索してみると、「ピアノソロ譜、弾き歌い譜、バンド譜、メロディとコード譜」など様々なパターンが見つかることが多いです。
自分が書きたい編成に近い物をダウンロード購入し、音源を聴きなから照らし合わせてみると、どのように書かれているか、とても参考になります。
それから、同じ曲が似たアレンジで出ている場合、アレンジャーによってかなり書かれ方が違う事があります。
どちらがみやすいか?、わかりやすいか?比べてみるのも面白いですよ。
コードネーム付き一段楽譜などでも、同じ曲でも複数の楽譜を見比べると、繰り返し記号の付け方が異なる場合もあります。
あと、Jポップは、メロディのリズムが細かく、繰り返しも多い場合がありますね。
そういった場合、リズムの書き表し方、曲の段落構成や繰り返しマークの付け方は、分析してみると勉強になります。
楽譜購入しない間でも、サンプル表示で概要をみることはできます。
また、ピアノやギターを弾く人は、弾いたことのある自分の手持ちの譜面を、再分析してみるのも手ですね。
大事なマークはなるべく「端」に
楽譜は左から右に見ていくので、段落番号は左端だと見やすいです。
そういう譜割になるように、楽譜を書く前に小節数も書き出してみるとよいです。
図の例ですと、はじめのものは段の途中にリハーサルマークが来てしまっています。
あとのものは、左端に揃っているため、見やすいです。
また、「〜 B 9小節 C8小節〜 」の例ですと。
大抵小節はは4の倍数で出来ていることが多いですが、前述の「B9小節」だと、C段落の頭が左端に来ませんね?
この場合は、図のようにB部分は「4小節と5小節」という風に変則でレイアウトしてあげると、C段落の頭が左端にうまく来ます。
また、D.Sマークは可能なら一段の中の途中でなく、右端に記載すると見やすいです。
セーニョマークは、可能な限り一段のなかの左端だと目に止めやすいです。
これらのマークが上手く端にくるように、一段の小節数割り振りを逆算して考えておくといいですね。
リズムの書き方は「拍」に沿って見やすく!
二つの例を見比べてみましょう。
左側のものは、リズムの長さが4つの拍を跨いでいて、拍のアタマがわかりにくいですね。
右のものは、拍のアタマがクリアで分かりやすいですね。
状況に応じ、拍をまたぐリズムがある場合は、図のようにタイを使って書くと、拍感が捉えやすい譜面になります。
なるべく、拍アタマに沿って表現できうるリズムは、そのように書いていきましょう。
音符がなるべく五線の中に収まるように書こう
図の楽譜1と2、3と4は、どちらも同じメロディを表したものですが、どれが見やすいかは一目瞭然ですね。
1はかなりト音記号にしては低い音域なので、下線だらけになっています。
2のようにヘ音記号だと五線内に収まります。
4の譜面は実音で書いていますが、高音域の為、下線が多いですね。
オクターブ記号(8va)で表すと、音符が読みやすくなります。
音符の加線があまりにも多いと、楽譜はよみづらくなります。
ト音記号とへ音記号の切り替えなども含め、なるべく五線の中に収めましょう。
五線の高さ、1小節中に入る音符の数に留意を!
フリーソフトだと難しい場合もあるかもしれませんが、可能なら、その曲の情報量に合わせて、五線をカスタマイズできるといいですね。
手書きの場合なら、一ページの小節の段数、五線の間隔など、多種類あるダウンロード五線紙で、適したものを選ぶといいです。
シンプルで音数が少ない曲なら、五線幅がせまく1小節の面積がせまくてもいいのですが。
特に、音数多いピアノ曲などは音符の両方によっては、狭い五線譜はごちゃごちゃとしてみづらくなります。
五線がカスタマイズできない場合は、音数の多い箇所だけは、一段を2〜3小節にして、音符が見やすくなるよう工夫しましょう。
既存のクラシック曲などでは、部分的にそういう仕様になっていることもあります。
まとめ
見やすい楽譜の作成手順、ポイントをいろいろご紹介しました。
自分で楽譜を作ったら、それを実際見ながら演奏し、もし見づらいことがあったら、上記のポイントをチェックしつつ手を入れてみてください。
既成の譜面なども大いに参考にし、研究してください。