【6選】これだけは聴いてほしい。ハマるインストバンドご紹介!

近年の邦楽シーンにおいて、よく『インストバンド』という形態のバンドを見かけるようになりました。ボーカルのいないバンド、つまり、インストゥルメンタルバンドの略称です。今回は気になるインストバンドと、そのおすすめ曲をご紹介いたします!

記事の目次

  1. 1.「インストバンド」って一体?
  2. 2.【6選】これだけは聴いてほしいインストバンドご紹介!
  3. 3.まとめ

「インストバンド」って一体?

『インストバンド』最近、日本の音楽シーンでよく耳にする言葉です。インストは『インストゥルメンタル』の事で、歌の入っていない、楽器の演奏のみによる楽曲の事をいいます。

言ってみれば、ボーカルのいないバンドともいえます。ギターやキーボード、管楽器などが主旋律となるメロディーを奏でているのが一般的です。

インストバンドブームは最近起きたムーブメントという訳ではありません。海外ではベンチャーズやブッカー・T &THE MG'S、ミーターズなど50〜60年代頃から活躍し、現在も聴かれているような人気インストバンドがたくさんいます。

ここ日本でも、寺内たけしとブルージーンズや太陽にほえろ!の主題歌などで知られる井上堯之バンドなど、素晴らしい演奏を残してるインストバンドはたくさんいます。

ジャズから派生したフュージョンと呼ばれるジャンルが日本でブームになった、1980年代に活躍したカシオペアやTHE SQUARE(現在のT-SQUARE)あたりは現在のインストバンドの、先駆け的存在と言っても良いでしょう。

日本の代表的なインストバンド、アーティストをご紹介しましょう。

朝焼け/カシオペア

カシオペアは現在唯一のオリジナルメンバーである、ギターの野呂一生さんを中心に1977年から現在も活動している、日本のフュージョン界の大御所バンドです。

ロックやファンクのビートをベースにし、ジャズの理論を用いた複雑さもありながらポップで聴きやすい音楽は、インストバンドがヒットチャートの上位を賑わすという、当時としては異例の功績を成し遂げています。

後のインストバンドは勿論、アーティストに与えた影響は大きく、吉川晃司さんや亀田誠治さんもファンであった事を明かしています。


こちらは1985年のライブ映像です。野呂さんのイントロのカッティングが、本当に気持ちいいですね。この『朝焼け』は日本のフュージョン史に残る、屈指の名曲だと思います。

ライディーン/YMO

YMOは主に1970年代後半から80年代初頭に活動し、テクノポップ、エレクトロという枠にも収まりきらない世界的人気を博したグループです。

ベースの細野晴臣さん、ドラムの高橋幸宏さん、そしてキーボードの坂本龍一さんという、とんでもない3人による伝説のユニットです。

歌入のものもありますが、基本的にはインストの音楽を、シンセサイザーなどを駆使して演奏していました。

この映像は2001年、細野晴臣さんのデビュー30周年の記念番組での映像です。温泉から帰ってきたおじさん達が、おもむろに演奏を始める。みたいな演出が良いですね。

3人ともゆる〜い感じですが、演奏が始まるといきなりスイッチが入るあたりがかっこいいです。完璧な演奏を見せてファンを喜ばせてくれます。特に高橋幸宏さんのドラムの正確さは、多くのミュージシャンからリスペクトを受けているだけの事はあります。

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Good Morning/スペシャル・アザース

スペシャルアザースは1995年、高校の同級生で結成されたバンドです。メンバーはギターの柳下武史さん、、ベースの又吉優也さん、キーボードの芹沢優馬さん、そしてドラムの宮原良太さんの4人組です。

2006年にアルバム『IDOL』でメジャーデビューを果たして以来、多数の音楽フェスに出演するなど、その名を世に知らしめ、「ポストロック」的なインストバンドの代表格として、高い人気を誇っています。

慰安旅行/サケロック

サケロックは、星野源さんが自由の森学園出身の友人と2000年に結成したバンドです。ハナレグミの永積タカシさんは彼らの先輩にあたります。

メンバーは現在、ソロで大活躍を果たしているリーダーでギターやマリンバを演奏する、星野源さん。トロンボーン担当の浜野謙太さん、ベースの田中馨さん、ドラムの伊藤大地さん。(結成当初にいたキーボードの野村卓史さんはラストアルバムで復帰を果たしています)

上にあげたYMOの細野晴臣さんの音楽に憧れていたサケロックのメンバーですが、ドラムの伊藤さんが細野さんのバンドで演奏していたり、星野さんは細野さんと一緒に雑誌の連載を持っていたりと、何かと関わりがあります。

惜しまれながらも、2015年に解散をしていますが、後進のインストバンドに間違いなく影響を与え続けているでしょう。

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【6選】これだけは聴いてほしいインストバンドご紹介!

Photo bylifeisgood

ではここからは、私のおすすめのインストバンドをご紹介いたしましょう。どのバンドも個性豊かで魅力的なので、たくさんの方に聴いていただきたいです!
 

サンバNO.7/ピラニアンズ

ピラニアンズは1991年に結成し、1994年にアルバム『ピラニアンズ』でデビューを果たしました。メンバーは日本で唯一のプロピアニカ奏者で、リーダーのピアニカ前田さん、ギターの塚本功さん、ベースの長山雄治さん、ドラム・パーカッションにASA-Changさん(脱退後は、坂田学さんが後任)という凄腕集団です。

ピアニカ前田さんによるほのぼのとした、時にはスリリングでもあるピアニカの懐かしいメロディが、確かなテクニックを持ったリズム隊のバッキングに乗って、聴いていると幸せな気分にさせてくれます。

特にライブは圧巻で、場所によってはPAなしの生音で演奏する事もあり、本人達曰く『日本1音の小さいライブバンド』ですが、その迫力には圧倒されてしまいます。この『サンバNO.7』はライブのラストの定番曲ですが、ソロ回しの、特に坂田さんのドラムソロではいつも涙が出そうになります。

SUN/jizue

『jizue』は2006年に京都で結成されたインストバンドです。ギターの井上典政さん、ベースの山田剛さん、ドラムの粉川心さんの3人で結成し、翌年にピアノの片木希依さんが加わりました。

バンド名の『jizue』はフランス代表で活躍したサッカー選手で、現在はスペインのレアル・マドリードで指揮をとっている、ジネディーヌ・ジダン氏の愛称『ジズー』からとっているそうです。サッカー好きなんですね。

彼らの音楽の印象は、現代的で、清涼感のあるジャズロックといった感じです。スペシャルアザースを感じさせる様な、少しロック色を感じさせる力強いサウンドで、聴く者をポジティブな気持ちにさせてくれます。

各人の高い技量が、バランス良く混ざり合って主張し合いながらも、お互いを引き立て合っています。この『sun』にしても、彼らのサウンドはとても透明感があって、綺麗なんですよね。

ボストーク/NRQ

『NRQ』は2007年にギターの牧野琢磨さんと、二胡の吉田悠樹さんのデュオとして結成されました。翌年にベースの服部将典さん、ドラムの中尾勘二さんが加わり、現在の4人となります。

2010年にファーストアルバム『オールド・ゴースト・タウン』をリリースし、その後も『のーまんずらんど』『ワズ ヒア』そして『RETRONYM』とコンスタントにアルバムを発表している彼らです。

バンド名の『NRQ』はNew Residential Quarters(新興住宅地の意)を略したものです。

ジャズやカントリーミュージック、ファンクの影響を匂わせつつも、何処かオリエンタルな雰囲気を感じさせるその音楽スタイルは、YMOにも近いものを感じます。

初恋/TICOMOON

『TICO MOON』は2001年にハープの吉野友加さんと、ギターの影山敏彦さんによって結成されたユニットです。

2003年に333DISCからファーストアルバム『lento』をリリースし、その後もコンスタントに作品を発表しています。アコースティックギターとハープのみの演奏は、シンプルでありながら優しく温かみがあり、一度聴いたらファンになってしまう人も多いようです。

全国のカフェやギャラリーなどで演奏する、独自の表現スタイルも彼らの魅力の一つです。

雨の降る日に、静かな部屋の中で紅茶を飲みながら、TICO MOONを聴いていると、心がとてもとても穏やかになって、全てうまくいくような気持ちになります。勿論、晴れた日でもクリスマスなんかでも、とても優しい気持ちになれる、おすすめのサウンドです。

Newdays/Schroeder-Headz

『Schroeder-Headz』(シュローダーヘッズ)はキーボードの、渡辺シュンスケさんによるソロプロジェクトです。

もともとサウンドプロデュースの仕事や、数多くのミュージシャンのサポートプレイヤーとして活動していた彼が、自身の新しいピアノトリオを始めようと立ち上げたプロジェクトです。

名前の由来はスヌーピーのマンガ『ピーナッツ』に登場する、トイピアノを弾くシュローダーから取ったものです。

ピアノとベース、ドラムにプログラミングのサウンドを加えて、エレクトロミュージックと生演奏が見事に融合された、美しい音の世界を作っています。

Back/あらかじめ決められた恋人たちへ

『あらかじめ決められた恋人たちへ』は、トラックメイカーの池永正二さんが中心となって活動しているインストバンドです。

鍵盤ハーモニカとトラックメイク担当の池永さんは1997年頃からソロユニットとして関西で活動していましたが、2008年に東京に活動の場を移し、現在はベースやドラムなどを入れ、バンドとして活動しています。

池永さん独自の、情熱とパッションに溢れたドラマチックな音作りから『叙情派インストバンド』なんて紹介される事も多いようです。

この『Back』は映像も相まって、胸がキュンとしてしまうような作品となっています。何と言ってもユニット名からして、『やられた!』と思ってしまいます。

まとめ

ここまで、日本の代表的なインストバンドや、私のおすすめのインストバンドをご紹介してきました。

今回まとめていく中で、日本にはこんなに素晴らしいインストバンドがたくさんいるのだ!という事を改めて感じました。ここに書き切れなかった良いバンドもたくさんあります。現在も精力的に活動を続けるスカパラも、日本を代表するインストバンドですね!

情報が溢れている現代は言葉が溢れていると言ってもいいかも知れません。そんな時言葉のないインストは、聴くものに少しの余白を与えてくれます。聴いた人が何を想うか、感じるかは、その人に委ねてくれます。

言葉の波に少し疲れてしまった時には、インストバンドの優しさであったり、ユーモアに触れてみてはいかがでしょうか。

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