平行調・同主調とは何か一覧でご紹介!

ある調(キー)には関係の深い特定の調が存在します。これを関係調といいます。この記事ではその中でも特に関係性が近いと言われる「平行調」と「同主調」について説明をし、12調の「平行調」と「同種調」が一目でわかるよう一覧表を用いながらわかりやすく説明します。

記事の目次

  1. 1.平行調とは?
  2. 2.同種調とは?
  3. 3.平行調と同主調を一覧で紹介
  4. 4.まとめ 平行調と同主調

平行調とは?

平行調とは、同じ調号を持った調のことをいいます。
※調号とは、楽譜のはじめに示される♯や♭のことです。

たとえば、ト長調(G)は♯が1つの調ですが、♯が一つで示される調はもう1つ、ホ短調(Em)があります。

つまり、

  • ト長調(G)の平行調はホ短調(Em)
  • ホ短調(Em)の平行調はト長調(G)
であるといえます。

平行調の短3度の関係と構成音

主調(基準にして考える調)が長調(メジャーキー)であれば、平行調は主音が短3度下の短調(マイナーキー)、主調が短調の場合は平行調が短3度上の長調という関係にあります。

また、調号が同じであるということは、調の構成音が同じということになります。先ほどのト長調(G)とホ短調(Em)の関係でいうと、以下のようになります。3音ずつずれていますが、同じ音を使っていることがわかります。

平行調の構成音
ト長調 ファ♯
ホ短調 ファ♯

小まとめ 平行調一覧

ハ長調~ロ長調の12和音の主調と平行調を表にまとめます。
まずは長調から。

主調と平行調対応表(長調)
主調 平行調
ハ長調(C) イ短調(Am)
嬰ハ長調(C♯)
変ニ長調(D♭)
嬰イ短調(A♯m)
変ロ短調(B♭m)
ニ長調(D) ロ短調(Bm)
変ホ長調(E♭) ハ短調(Cm)
ホ長調(E) 嬰ハ短調(C♯m)
ヘ長調(F) ニ短調(Dm)
嬰ヘ長調(F♯)
変ト長調(G♭)
嬰ニ短調(D♯m)
変ホ短調(E♭m)
ト長調(G) ホ短調(Em)
変イ長調(A♭) ヘ短調(Fm)
イ長調(A) 嬰ヘ短調(F♯m)
変ロ長調(B♭) ト短調(Gm)
ロ長調(B)
変ハ長調(C♭)
嬰ト短調(G♯m)
変イ短調(A♭m)

続いて、短調の一覧表です。上の表の平行調と主調を入れ替えた関係になってます。

主調と平行調対応表(短調)
主調 平行調
イ短調(Am) ハ長調(C)
嬰イ短調(A♯m)
変ロ短調(B♭m)
嬰ハ長調(C♯)
変ニ長調(D♭)
ロ短調(Bm) ニ長調(D)
ハ短調(Cm) 変ホ長調(E♭)
嬰ハ短調(C♯m) ホ長調(E)
ニ短調(Dm) ヘ長調(F)
嬰ニ短調(D♯m)
変ホ短調(E♭m)
嬰ヘ長調(F♯)
変ト長調(G♭)
ホ短調(Em) ト長調(G)
ヘ短調(Fm) 変イ長調(A♭)
嬰ヘ短調(F♯m) イ長調(A)
ト短調(Gm) 変ロ長調(B♭)
嬰ト短調(G♯m)
変イ短調(A♭m)
ロ長調(B)
変ハ長調(C♭)

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同種調とは?

同主調とは、読んで字のごとく、音を持つ調のことです。
つまりは、同じ主音の長調(メジャーキー)と短調(マイナーキー)の関係です。
※主音とはハ長調だったらド(C)、イ短調だったらラ(A)のように、各音階の第1音のことを指します。

具体的には以下のような関係です。

  • ハ長調(C)の同主調はハ短調(Cm)
  • ホ短調(Em)の同主調はホ長調(E)

なお、英語ではパラレルキー(pararell key)といい、語感から平行調と混同しやすいので注意が必要です。

同主調が無い調がある

同じ主音を持つメジャーとマイナーということで、同主調は平行調よりも機械的に覚えることができます。しかし、一点注意が必要です。

たとえば、変ニ長調(D♭)の同主調として変ニ短調(D♭m)は基本的に使いません。なぜなら、それらの調は理論上はあり得るのですが、調号で表せないからです。

変ニ短調が存在するとして、構成音を見ると(レ♭・ミ♭・ファ♭♭・ソ♭・ラ♭・シ♭・ド♭)と、調号にダブルフラットがついてしまいます。このような場合は、通常異名同音の嬰ハ短調(C♯m)を使用します。

※異名同音とは、音名は違うが出てくる音が同じになる音のことです。

 

小まとめ 同主調一覧

ハ長調~ロ長調の12和音の主調と同主調を表にまとめます。
まずは長調から。記号*は、調号で表せない「無い」調を表します。

主調と同主調対応表(長調)
主調 同主調
ハ長調(C) ハ短調(Cm)
嬰ハ長調(C♯)
変ニ長調(D♭)
嬰ハ短調(C♯m)
ニ長調(D) ニ短調(Dm)
変ホ長調(E♭) 変ホ短調(E♭m)
ホ長調(E) ホ短調(Em)
ヘ長調(F) ヘ短調(Fm)
嬰ヘ長調(F♯)
変ト長調(G♭)
嬰ヘ短調(F♯m)
ト長調(G) ト短調(Gm)
変イ長調(A♭) 変イ長調(A♭)
イ長調(A) イ短調(Am)
変ロ長調(B♭) 変ロ短調(B♭m)
ロ長調(B)
変ハ長調(C♭)
ロ短調(Bm)

続いて、短調の対応表です。

主調と同主調対応表(短調)
主調 同主調
イ短調(Am) イ長調(A)
嬰イ短調(A♯m)
変ロ短調(B♭m)

変ロ長調(B♭)
ロ短調(Bm) ロ長調(B)
ハ短調(Cm) ハ長調(C)
嬰ハ短調(C♯m) 嬰ハ長調(C♯)
ニ短調(Dm) ニ長調(D)
嬰ニ短調(D♯m)
変ホ短調(E♭m)

変ホ長調(E♭)
ホ短調(Em) ホ長調(E)
ヘ短調(Fm) ヘ長調(F)
嬰ヘ短調(F♯m) 嬰ヘ長調(F♯)
ト短調(Gm) ト長調(G)
嬰ト短調(G♯m)
変イ短調(A♭m)

変イ長調(A♭m)

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平行調と同主調を一覧で紹介

ここまで紹介してきた平行調と同主調をまとめた対応表を以下に示します。
まずは長調から。

主調と平行調・同主調対応表(長調)
主調 平行調 同主調
ハ長調(C) イ短調(Am) ハ短調(Cm)
嬰ハ長調(C♯)
変ニ長調(D♭)
嬰イ短調(A♯m)
変ロ短調(B♭m)
嬰ハ短調(C♯m)
ニ長調(D) ロ短調(Bm) ニ短調(Dm)
変ホ長調(E♭) ハ短調(Cm) 変ホ短調(E♭m)
ホ長調(E) 嬰ハ短調(C♯m) ホ短調(Em)
ヘ長調(F) ニ短調(Dm) ヘ短調(Fm)
嬰ヘ長調(F♯)
変ト長調(G♭)
嬰ニ短調(D♯m)
変ホ短調(E♭m)
嬰ヘ短調(F♯m)
ト長調(G) ホ短調(Em) ト短調(Gm)
変イ長調(A♭) ヘ短調(Fm) 変イ長調(A♭)
イ長調(A) 嬰ヘ短調(F♯m) イ短調(Am)
変ロ長調(B♭) ト短調(Gm) 変ロ短調(B♭m)
ロ長調(B)
変ハ長調(C♭)
嬰ト短調(G♯m)
変イ短調(A♭m)
ロ短調(Bm)

続いて、短調の対応表です。

主調と平行調・同主調対応表(短調)
主調 平行調 同主調
イ短調(Am) ハ長調(C) イ長調(A)
嬰イ短調(A♯m)
変ロ短調(B♭m)
嬰ハ長調(C♯)
変ニ長調(D♭)

変ロ長調(B♭)
ロ短調(Bm) ニ長調(D) ロ長調(B)
ハ短調(Cm) 変ホ長調(E♭) ハ長調(C)
嬰ハ短調(C♯m) ホ長調(E) 嬰ハ長調(C♯)
ニ短調(Dm) ヘ長調(F) ニ長調(D)
嬰ニ短調(D♯m)
変ホ短調(E♭m)
嬰ヘ長調(F♯)
変ト長調(G♭)

変ホ長調(E♭)
ホ短調(Em) ト長調(G) ホ長調(E)
ヘ短調(Fm) 変イ長調(A♭) ヘ長調(F)
嬰ヘ短調(F♯m) イ長調(A) 嬰ヘ長調(F♯)
ト短調(Gm) 変ロ長調(B♭) ト長調(G)
嬰ト短調(G♯m)
変イ短調(A♭m)
ロ長調(B)
変ハ長調(C♭)

変イ長調(A♭m)

まとめ 平行調と同主調

各調(キー)に関係「関係調」の中から、「平行調」と「同主調」について紹介しました。一言でまとめると、

  • 平行調……同じ調号を持つ調
  • 同主調……同じ主音を持つ調
となります。関係調の中でもより近い関係にあるので、スムーズな転調ができるといわれています。

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