ロシアの有名作曲家でありピアニストの「メトネル」について詳しくご紹介!

ロシアを代表する作曲家の一人、ニコライ・メトネルをご存知ですか?ロマン派を思わせる彼の曲にはファンも多いのですが、彼は最初から認められていたわけではありませんでした。
こちらではメトネルの生涯、そして彼の代表作といえる曲をいくつかご紹介します!

記事の目次

  1. 1.ラフマニノフと並ぶロシアの偉大な作曲家メトネルとは
  2. 2.メトネルが評価されたのは晩年だった
  3. 3.メトネルの代表作品
  4. 4.メトネルの生涯や代表作まとめ

ラフマニノフと並ぶロシアの偉大な作曲家メトネルとは

メトネルはモスクワに生まれモスクワ音楽院に学ぶ

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ロシアの作曲家というとまず名前が挙がるのがラフマニノフ、チャイコフスキー、ボロディン、ストラヴィンスキーなどでしょうか。クラシック音楽にあまり詳しくない、という方にも、このあたりの名前は知られているかと思います。

しかしもちろん、ロシアの作曲家はこの方たちだけではありません。ラフマニノフと親交も深かったとされる作曲家で、ニコライ・メトネルという人がいます。上記の作曲家たちと比べると、日本での知名度はそんなにあるわけではなく、今ここで初めて名前を聞いた、という方もいらっしゃるかもしれません。

メトネルは1880年にモスクワで生まれ、6歳の時に母親からピアノのレッスンを受けます。そして12歳より、モスクワ音楽院で学び、ピアノを専攻していました。最終的にはスクリャービンやラフマニノフも教えていたワシーリー・サフォーノフに3年師事し、1900年にはピアノ科の最優秀者として音楽院を卒業しました。

卒業後はピアニストとして活動を始めますが同時に作曲家としても才能を発揮していきます。その作曲の方面では1916年にグリンカ賞を受賞するなど、まさに軌道にのっていくように思えました。しかしタイミングの悪いことにここでロシア革命が勃発するのです。

ロシア革命後はドイツやパリを拠点に活動

メトネル
Photo byskeeze

革命が勃発するとラフマニノフらは演奏旅行として国外へと逃れました。メトネルもそれにならうようにして、妻と共に出ることにします。1925年にはパリに拠点を移しました。

しかし、彼の作風は当時パリで流行っていたようなものとは合っていませんでした。メトネルはバッハやベートーヴェンに影響を受けていたこともあり、その傾向が強かったのですが、時代は前衛的な音楽が主流だったのです。

ラフマニノフもメトネル同様、そういった前衛的な音楽に流れることなく、ロマン派的な曲を多く作りましたが、ラフマニノフは早くから受け入れられていたのと対照的に、メトネルの音楽はなかなか当時のパリでは認められることがありませんでした。

このあたりは不遇、不運であったといえるでしょう。彼の作品はもっと評価されるべきであった、と多くの評論家が言っています。

そんな中、メトネルの音楽はイギリスで高い評価を受け始めました。そのことを受け、彼は1935年にロンドンへと拠点を移すのです。

メトネルが評価されたのは晩年だった

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メトネルの曲が評価され始めたのは晩年になってからのことでした。支援者も多数現れ、彼らが私財で「メトネル協会」を設立してくれたことで自身の作品を録音することもできました。

このとき録音されたのが、協奏曲3曲を含むピアノ曲、そして声楽曲です。彼自身のピアノが録音されたことで、メトネルのピアノの技量が、そして彼の解釈がいかに優れたもので正確なものだったかが伝わる貴重な資料ともなりました。

彼は1951年に亡くなります。その後、祖国ロシア(当時のソビエト)から、作品全集を出したいという要望を受け、妻のアンナは彼の作品を持ち帰り、無事、全12集が発表されることとなったのです。

そして没後50年(2001年)を機に、ここ日本でもメトネルの楽譜が出版され、彼の曲を弾くピアニストも現れるようになりました。

そんなメトネルはどんな曲を作ったのでしょうか、代表作と言われるものを見てみましょう。

メトネルの代表作品

2つのおとぎ話

メトネルは60曲くらいのピアノ曲を作曲しています。その中に「おとぎ話(ロシア語でスカースカと言います)」というタイトルの曲が結構あります。その中でも特に演奏されることが多いのがこの「2つのおとぎ話」。

やや物悲しい哀愁漂う美しいメロディーが印象的です。難易度的には中級~上級レベルのものですが、弾きこなすには訓練が必要でしょう。

この壮大な盛り上がりが、ロマン派だなと思わせますね。

4つのおとぎ話

そして「おとぎ話シリーズ」からもう一つ。上に挙げたものに比べて優しく、幻想的なメロディーになっているのが特徴です。やや、ラヴェルやドビュッシーあたりの作風を思わせますね。

忘れられた調べ 第2集「春」

組曲「忘れられた調べ」の第2集から、「春」とタイトルづけられた曲です。

「春」というタイトルから穏やかな曲を想像しますが、テンポが速く、激しい曲調になっています。ロシア、祖国の春を思っての曲でしょうか、春の訪れの喜びを表現しているかのようですね。

悲劇的ソナタ

「忘れられた調べ」の2集から、こちらは「悲劇的ソナタ」と名付けられた曲です。曲調の激しさ、悲壮感漂うメロディーから、そのように名付けられるのも分かる気がしますね。

たしかに、そこはかとなくベートーヴェンから影響を受けただろう、という感じが伝わってくるものでもあります。難易度は難しいですが、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

メトネルの生涯や代表作まとめ

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こちらでは、ロシアを代表する作曲家の1人、ニコライ・メトネルについて、その生涯や代表曲についてまとめました。

日本で楽譜が出てから20年あまり、まだ彼の曲を演奏する演奏会はそう多くはないですが、触れる機会があれば是非、彼の音楽に触れてみてください。

ベートーヴェンなどがお好きな方であればハマるのではないでしょうか?

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