ギターネックの反りって一体何?わかりやすく徹底解説!
ギターのネックの反りとは、ギターのネックの部分の木が、湿度や弦の張力によって反ってしまうことを指します。ネックの反りが起こる頻度はギターの個体によってもさまざまです。ネックの反りが起こる原因や、その調整方法をご紹介していきます。
ギターメンテナンスの際によく聞く、「ネックの反り」とは
ネックの反りとは、ギターのネック(ボディーから出ている細長い部分のこと)の部分が反ってしまうことを言います。
ギターの多くは木で作られているので、さまざまな環境要因で曲がってしまうことが多いです。木も元々は生き物なので、さまざまな環境の変化に対応する性質が備わっています。
湿度や気温による変化や弦の張力でネックが反ってしまうことが多く、反りが起こるとギターが弾きにくくなったり、音が詰まったりしてしまいます。
しかし、ネックの反りは調整することが可能です。
ここではネックの反りの種類や、ギターの個体による反りの頻度の違いについてご紹介していきます。
最後にネックの反りの調整方法もご紹介してるので参考にしてみてください。
ネック反りの原因とは?
ネックの反りは、ネックに使われている木材が何らかの変化によって曲がってしまうことが原因で起こります。
その変化のほとんどは、
- 湿度による変化
- 弦の張力による変化
ネックの反りの大半は湿度が大きく影響しています。木は湿度によって膨張したり収縮したりするので、季節や保管場所によっては何度もネックが反ってしまいます。
また、弦の張力によって木板が引っ張られて、曲がってしまうのも原因の一つです。
ネックの反りの原因①湿度による変化
ネックの反りの原因として最も多く挙げられるのが、湿度の変化です。
夏になると部屋のドアが開きにくくなったり、冬になると閉まりやすくなった経験がありませんか?
木材は湿度によって膨張する物質です。よって湿度の変化が大きい場所に置いておくと、すぐにネックが反ってしまうことがあります。
しかし、日本は春夏秋冬と季節がはっきりしており、気温や湿度も一年を通して大きく変わる地域です。よって日本では、「ギターのネックは反ってしまうものだ」と思っておいたほうがよいかもしれません。
ギターのネック反りを全く起こさないようにするのは非常に難しいことで、楽器屋さんのような気温と湿度が一定の部屋を作ることが必要になります。
ネックを絶対に反らないようにしようという心構えも大切ですが、ちょっと曲がってしまったら調整しようという心持ちでいることが、ギターと長く付き合える方法かもしれません。
ネック反りの原因②弦の張力による変化
2つ目のネック反りの原因として考えられるのは、弦の張力による変化です。弦は常に引っ張られた状態でネックの上に並んでいるので、長い期間弦が引っ張られているとネックが反っていきます。
弦の張力によってネックが反るのは、長い期間(数ヶ月〜年単位)置いておくことで発生することが多いです。
1週間程度でネックが反るようであれば、弦の張力が原因ではないと考えられます。よって湿度や気温などのほかの原因である可能性が高いです。
1年や2年は弾かないようなギターを持っている方は、弦はゆるめて置いておくことをおすすめします。
ほとんど反らないギターもある?
先ほどまでギターのネックは反って当たり前のように書いてきましたが、実はギターによっても全く違います。
ギターの個体によってネックが反りやすいものと、全然反らないものがあるのです。これはギターに使われているそれぞれの木の個性のようなものなので、購入する際に見た目で見極めるのはとても難しいです。
ギターによっては、購入してから約10年間ネックの反りが起こらないこともあります。個人の経験では、2,3年に一度調整するものと、季節ごとに調整しなければいけないものがありました。
こればかりは購入してみないと分かりませんが、楽器店などで一度店員さんに質問してみるのも大切です。店員さんが、反りやすいギターなのかどうかを教えてくれる場合もあるので、ぜひ質問してみましょう。
ネックの反り方:順反りと逆反り
ネックの反り方には順反りと逆反りという2種類があります。他の方向に曲がることもありますが、大きく分けるとこの2つです。
順反りとは、弦を張っている方向とは反対にネックが反ってしまう状態を指します。弓のような形のイメージです。
順反りになってしまうと、弦をとネックの距離が大きくなり、押さえるときに大きな力をかける必要が出てきます。
順反りのせいで、普段より強い力でネックを押さえることになると、腕の痛みを引き起こしたり、ギターのプレイがスムーズにいかなくなるといった影響が出ます。
いつもより弦を押さえるのがつらかったり、なんとなくスムーズに押さえることができない、といった場合には調整してみましょう。
逆反りとは、弦のある方向に向かってネックが反ってしまう状態です。弓とは反対の形になります。
逆反りになると、開放弦を鳴らしても音がビビったり、1フレットや2フレットを押さえたときにも音の詰まりなどが発生します。
続いて逆反り、順反りになった場合の調整方法を次にご紹介していきます。
ネックの反った場合の調整方法
ネックの反りを直す方法は、トラスロッドを回すことです。
トラスロッドとはギターのネックの中に埋め込まれた金属の棒のことで、これを回すことで木の曲がっている状態を直すことができます。
長くギターに親しんできた方の中には、自分でトラスロッドを回して調整する人もいます。しかしトラスロッドの扱いは非常に難しいので、楽器店にギターを持って行って調整してもらうことをおすすめします。
トラスロッドを回しすぎるとギターが壊れてしまう恐れもあるため、基本的には自分で動かさないということを念頭に置いておくとよいかもしれません。
それでも自分で調整したい方は、リペアマンに相談したり、安いギターを購入してトラスロッドを回す練習をしてみましょう。
まとめ
ギターのネックは湿度や弦の張力によって反ってしまうことがよくあります。ギターの個体によっても反る頻度は全く異なるので、それぞれの特徴だと理解して、ギターと付き合っていきましょう。
反り方は大きく分けて2種類あります。ギターが弾きにくくなるときは「順反り」、音が詰まってる場合には「逆反り」になっていることが多いです。
調整する場合は、楽器屋さんに持っていき、リペアマンに調整をお願いすることをおすすめします。
湿度や弦の張力などによってネックが反ってしまった場合には、ぜひ調整してみて、ギターをスムーズに楽しく演奏できるようにしましょう。