「日本の有名なロックンロール」として愛され続ける『雨あがりの夜空に』とは一体?!
日本を代表するロックンロールとして、今でも歌い継がれているRCサクセションの『雨あがりの夜空に』。独特な歌詞やパフォーマンスで今でも人気の高い名曲『雨あがりの夜空に』について、歌詞や曲からその魅力を紐解いていきたいと思います。
ライブでこの曲のイントロが始まると誰もが「うおーキター!」となってしまう「雨あがりの夜空に」の歌詞について、その意味について、見ていきたいと思います。愛しあってるか〜い!!
この雨にやられてエンジンいかれちまった
俺らのポンコツとうとうつぶれちまった
どうしたんだ Hey Hey Baby
バッテリーはビンビンだぜ
いつものようにキメて フッ飛ばそうぜ
そりゃあ ひどい乗り方した事もあった
だけどそんな時にもおまえはシッカリ
どうしたんだ Hey Hey Baby
機嫌直してくれよ
いつものようにキメて フッ飛ばそうぜ
ザ・クロマニヨンズのマーシーも同じ事を言っていましたが、この曲を初めて聴いた時、日本語のロックでこんなダブルミーニングしている曲があるんだ!面白い!カッコいい!と興奮した記憶があります。ちょっぴり悪くてエッチなところも中学生2年生にはたまりませんでした。
車を女性に重ねて表現している歌詞に、非難の声もあったといいますが、男にとっては車は恋人も同然です。決して物として見ているわけではありません。愛のある洒落た表現だとおもいます。
愛車の調子がどうやら悪いようですね。“どうしたんだ、機嫌直してくれよ” なんだかご機嫌斜めのご様子です。バッテリーはビンビンなのに、勿体無いというか如何ともしがたい状況ですね。
因みにキヨシローの当時の愛車、日産サニーがこの曲のモチーフとなっているそうです。そのサニーは井上陽水への「帰れない二人」の印税で買ったものという事です。豆知識でした。
Ohどうぞ勝手に降ってくれ ポシャる迄
Woo…いつまで続くのか見せてもらうさ
こんな夜に おまえに乗れないなんて
こんな夜に 発車できないなんて
もう、日本一有名なロックのサビフレーズですね。並ぶとしたら「リンダリンダ」くらいじゃないでしょうか。
“お前に乗れないなんて” まあ、なんて赤裸々なフレーズ!と思いきや、次の瞬間には“はっしゃ出来ないなんて”と畳み掛けます。キャーッ!だんだんとその意味がわかってきた中学生くらいだと、わざと歌いたくなりもしますね。
でも流石に、学校の合唱祭では歌えませんよね。まあ、軽音部ではみんな喜んで歌ってますが。
ところで、このサビ前のフレーズ「どうぞ勝手に降ってくれ ポシャるまで いつまで続くのか 見せてもらうさ」というところは、ディレクターの意向で変えられたもので、元々は「雨あがりの夜空に吹く風が 早く来いよと 俺たちを呼んでる」というものでした。
実はそこが一番大事なところだった。ディレクターが悪いのではなく、拒否出来なかった自分たちの責任と、キヨシローと共にこの曲を作ったチャボはインタビューで話しています。だんだんとライブでは、元の歌詞に戻して歌うようになったといいます。
こんな事いつまでも長くは続かない
いい加減明日の事考えた方がいい
どうしたんだ Hey Hey Baby
おまえまでそんな事言うの
いつものようにキメて ブッ飛ばそうぜ
Oh 雨あがりの夜空に輝く
Woo…雲の切れ間にちりばめたダイヤモンド
こんな夜に おまえに乗れないなんて
こんな夜に 発車できないなんて
こんな事ってどんな事でしょうか?二人の関係性を色々想像してしまいます。叶わぬ恋なのでしょうか。“お前までそんな事いうの?”どんな事言ったのでしょうかね?聴く人の状況によって色々想像出来てしまうくだりですね。
この曲が軽音部のみならずプロのミュージシャンからも愛され、たくさんカバーされているのは、そのサウンドのノリの良さやダブルミーニングの面白さだけではなく、純粋に詩的な表現の素晴らしさも多分にあるのではないでしょうか。
例えばこの“雲の切れ間にちりばめた ダイヤモンド”なんて、すごく素敵な表現ではないでしょうか。
おまえについているラジオ感度最高!
すぐにイイ音させてどこまでも飛んでく
どうしたんだ Hey Hey Baby
バッテリーはビンビンだぜ
いつものようにキメて フッ飛ばそうぜ
Oh 雨あがりの夜空に輝く
Woo…ジンライムのようなお月様
こんな夜に おまえに乗れないなんて
こんな夜に 発車できないなんて
こんな夜に おまえに乗れないなんて
こんな夜に 発車できないなんて
ラジオとは、またナイスな表現です。ダイヤルを調節したりなど、部品を弄ることで最高の感度が反応してしまうわけですね。
そんな感度の高い彼女は、すぐにいい声を出して、どこまでも昇ってしまうのです。
バッテリーは、やはりビンビンのままのようです。
“ジンライムのような お月様”ここも大好きです。とても綺麗なロマンティックな表現です。僕はこの曲の影響で、18歳の時に初めて入ったクラブ(銀座ではなく、DJがいる方です)で、思わずジンライムを頼んだのですが、その衝撃の味、香りを今でも鮮明に覚えています。「これが大人の味か」
キヨシローは、武道館でコンサートを行うくらいRCが売れてきた頃でも、風呂なしのアパートに住み、ボロボロのサニーに乗っていたそうです。
そんな愛着のある大好きな車を、大好きな女性に例えて、少年のようないたずら心と一流のソングライティング力で、ちょっとセクシーな意味も含ませて書き上げたのが、この大名曲という訳です。
雨あがりの夜空に/RCサクセション
「その調子だ! 札幌ベイベー!!」こちらは96年に札幌で開催された、グッドストックというイベントの時の映像です。キヨシローもチャボも本当に楽しそうで、涙が出てきます。
このライブでは「雨あがりの夜空に 吹く風が 早く来いよと 俺たちを 呼んでる」という、オリジナルの歌詞で歌っていますね。
それにしてもキヨシローは本当にチャーミングな人ですね。
ロック・バンドのイベントでは歌詞が刺激的な『雨あがりの夜空に』が最後にセッションで演奏されることも多い
プロ、アマチュア問わずにバンドを組んだら、まず音合わせでメンバーみんなが知っている曲を演奏しますが、そういう場面でこの誰もが聴いたことのある「雨あがりの夜空に」は非常によく演奏されているでしょう。
ライブハウスやバンドのイベントなどで、複数のバンドのメンバーが最後に「じゃあ、みんなで何か一曲やろうよ!」なんていう時にも、この曲は本当に威力を発揮します。
コード進行もシンプルで、キャッチーでノリやすく、誰もが楽しめる、ロックの素晴らしさを体感出来る楽曲です。
雨あがりの夜空に/宮本浩次
こちらはエレファントカシマシの宮本浩次による素晴らしいカバーです。キヨシローの追悼番組でしょうか。ひな壇には日本ロックシーンの重鎮達が座っていますが、歌が始まるとみんな少年のように嬉しそうです。
こんな風に、いつまでも僕たちを無邪気な心にさせてしまう曲を残してくれたキヨシローに心から感謝です。
映画 「ケンとメリー 雨あがりの夜空に」について
「ケンとメリー 雨あがりの夜空に」は
2013年に公開された日本の映画で、監督は深作健太。キヨシローの大ファンである竹中直人氏が主演を務めています。
「雨あがりの夜空に」をバックに展開する痛快爆笑ロードムービーです。なんと言っても竹中直人のギャグに注目ですね。
『雨あがりの夜空に』歌詞の考察から見えるその魅力についてのまとめ
『雨あがりの夜空に』の歌詞を中心にRCサクセションというバンドの、忌野清志郎という天才の魅力を見てきました。
キヨシローがもしいなかったら、日本の音楽シーンはまるで違ったものになっていたかも知れません。日本語でこんな風にカッコ良くロックが出来ることを教えてくれた、パイオニアといっても良いのではないでしょうか。
この名曲はきっと次の、そのまた次の世代にも歌い継がれていく事でしょう。忘れてならないのは、この曲がみんなが楽しめて、盛り上がれるようにという気持ちで書かれた事です。オーケーチャボ!サンキューキヨシロー!こっちは愛しあっているよー!!
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