【進撃の巨人】鬼気迫るような世界観を描く『紅蓮の弓矢』が大人気!歌詞から独自に徹底考察!
大人気作品「進撃の巨人」のアニメOPに起用された『紅蓮の弓矢』は、その歌詞が作品の世界とリンクしていると大変話題になりました。こちらでは『紅蓮の弓矢』の歌詞を徹底考察していきます。あなたも「進撃の巨人」の世界に引き込まれてみませんか?
それでは「進撃の巨人」のOPテーマ、Linked Horizonの『紅蓮の弓矢』の歌詞カードを考察します。
Seid ihr das Essen?
Nein, wir sind die Jäger!
開幕、いきなりドイツ語で始まります。
このドイツ語はどう読むかというと、「ザイト イーア ダス エッセン? ナイン, ヴィーア ズィント デァ イェーガー」となります。
英語の歌同様、そのまま単語ごとにカタカナで読むとうまく歌えないと思うので、耳で聴こえたとおりに発音すると「ザイティーア ダッセン ナィ ヴィーズィ ディ イェーガー」のようになるでしょうか。人それぞれ聴こえ方は異なると思いますがカラオケなどで歌う際には参考になさって下さい。
そして肝心の、このドイツ語部分の歌詞の意味ですが、「お前たちは獲物か?いや、私たちは狩人だ!」となります。
人間は巨人の食糧ではない、逆に人間が巨人を狩ってやるのだ、という強い決意表明といっていいでしょう。
踏まれた花の名前も知らずに
地に堕ちた鳥は風を待ちわびる
祈ったところで何も変わらない
不本意な現状(今)を変えるのは 戦う覚悟だ…
「踏まれた花」は、巨人に襲われ、踏みつぶされていく人間のことを描写しているものと思われます。「地に墜ちた鳥」も、巨人に襲われた人間、と受け取れますが、立体機動装置を使って飛びながら攻撃を仕掛ける調査兵団の隊員たち、とも思えますね。
人間の大きさとはくらべものにならないほど大きく、獰猛な巨人たちにどう立ち向かうのか途方に暮れる現実……しかしただ祈ったところでその祈りはなんの役にも立ちません。
「不本意な現状」で、「今」と読ませてきています。巨人なんて訳の分からない生命体に脅かされながら生きる日々は人間たち、とくにエレンにとって「不本意な現状」でしかありません。
しかし、生き残るためには巨人と戦わなければならない、その現状を突破するにはその意思を見せなければならない、そう歌っています。
屍踏み越えて 進む意思を嗤う豚よ
家畜の安寧… 虚偽の繁栄…
死せる餓狼の『自由』を!
「屍踏み越えて進む意思を嗤う豚」、ここは解釈が分かれるところかと思います。「屍を踏み越えて進む」のはエレンたちのこと、とみていいと思うのですが「豚」が誰を指すか、ですよね。
個人的には巨人ではなく、同じく人間たちのことだと解釈しています。
その次に出てくる「家畜」というのは壁の中に閉じ込められている人間たちを指していると考えられますし、実際エレンが作中で、一生壁の中で生きる自分たちのことを「家畜」と称しているシーンがあります。
ですから、この「豚」は人間たちを指す、と捉えました。巨人相手に抗ったって無駄、そう諦めている人々のことを指すのだと思います。
壁の中にいれば安全だとして動こうとしない人たち、しかしそれは真の繁栄とは言えません。飢えた狼のように自由を追い求めたい、エレンたちの強い意思が表れています。
囚われた屈辱は 反撃の嚆矢だ
城壁の其の彼方 獲物を屠るJäger
迸る殺意(しょうどう)に其の身を灼きながら
黄昏に緋を穿つ紅蓮の弓矢
「嚆矢」とは、何か事を始めること、の意味です。壁の中に囚われている、いわばカゴの中の鳥状態であることの屈辱はそれはそのまま反撃のための強い原動力となります。
イェーガーとは狩人、すなわちエレンたちのことです。
「殺意」と書いて「しょうどう」と読ませています。これはまさに、エレンが母親を巨人に殺され、エレンの巨人への殺意を「衝動」に置き換えているといっていいと思います。
自分の身を焦がすほどの怒り、復讐の念。それは「紅蓮の弓矢」となって巨人へと向けられていきます。
矢を番え 追い駆ける 標的(やつ)は逃がさない
矢を放ち追い詰める 決して逃がさない
限界まで引き絞る はち切れそうな弦
標的(やつ)が息絶えるまで 何度でも放つ
巨人を絶対逃すものか、一体残らず駆逐してやる、という強い意思の表れでしょう。
「限界まで引き絞る」はエレンの怒りを表現していると解釈しました。怒りは殺意に代わり、巨人に向けられて強い力で放たれていきます。
「息絶えるまで何度も放つ」にも強い殺意の意思が表れていますね。
獲物を殺すのは凶器(どうぐ)でも技術でもない
研ぎ澄まされたお前自身の殺意だ
技術や凶器そのものの高さや強さ、というものももちろん重要ではありますが、「絶対に殺す」という強い意思がなければなかなかその通りにはならないものでしょう。
人はそう簡単に誰かを殺せるものではありません。大抵は迷いが生じるものではないでしょうか。
だからこそ、「絶対に駆逐してやる」という強い意思が必要だ、と説いているのです。
Wir sind die Jaeger 焔のように熱く!
Wir sind die Jaeger 氷のように冷ややかに!
Wir sind die Jaeger 己(おのれ)を込めて!
Wir sind die Jaeger 全てを貫いて征け!
この繰り返されるドイツ語は一番最初にあるドイツ語と同じです。「我々は狩人である」と繰り返すことで強調しています。
調査兵団は「兵」という字のごとく、軍隊的な要素が多いに含まれています。彼らが整列し、胸に手を当てながらまるで自分たち自身に言い聞かせるように復唱している、そういうイメージも浮かびますね。