劇場版『Fate/stay night [Heaven's Feel]』主題歌「花の唄」には色々な思惑が隠されている?!歌詞から独自に徹底考察!

Aimerの『花の唄』は、劇場版「Fate/stay night[Heaven's Feel]」の主題歌として大変人気が高い曲です。
こちらでは、Aimerの『花の唄』の歌詞を徹底考察!ヒロイン間桐桜の内面に、士郎への淡い恋心に迫ります!

記事の目次

  1. 1.大人気アニメ『Fate』シリーズは劇場版もすごい
  2. 2.映画「Fate/stay night [Heaven's Feel]」主題歌『花の唄』を歌うのはAimer
  3. 3.『Fate/stay night [Heaven's Feel]』主題歌「花の唄」には多くの伏線が隠されている?
  4. 4.Aimerが歌う「花の唄」、歌詞から意味を徹底考察
  5. 5.Aimerの『花の唄』歌詞の意味などまとめ

その日々は夢のように
臆病な微笑みと
やさしい爪を
残して行った

退屈な花びらのように
くるしみを忘れて
貴方の背中でそっと
泣いて笑った

映画では、桜の生い立ちは大分省略されていますので少し補足をしたいと思います。

間桐桜は元々は遠坂家の人間で、遠坂凛の妹にあたります。凛も桜も高い魔力を持っているため、今後後継者争いにならないよう、そして魔力が枯渇しそうになっていた間桐家の存続のために、桜は養女にされたのでした。

しかし間桐家における桜の扱いは酷いものでした。遠坂家と間桐家の魔術は全く違うものだったため、まず間桐家の魔術に無理やり身体を合わせさせられたり(そのやり方が大層エグい)、あまり良い扱いを受けることなく、間桐家では常に孤立して居場所がない、という状態でした。

主人公、衛宮士郎と出会ったとき、彼女の目は死んだ目をしていて、無感情、無表情でした。しかし、士郎と過ごす日々が、少しずつ彼女に希望を、幸せを感じさせていくことになるのです。

そんな背景を知った上でこの『花の唄』を聴くと、まさに桜の歌だ、となります。

「その日々」とは士郎と過ごす日々のこと、間桐家での時間と士郎と過ごす時間は全然違ってまるで夢のよう、そう感じているのでしょう。
しかしまだ心から笑うことはできず、臆病な微笑みになってしまう。そして「やさしい爪」の意味がどうなのか、少し解釈が難しいですが、今後2人が迎えるであろう運命の暗示でしょうか。

「くるしみ」とはまさに、間桐家での毎日のことでしょう。士郎との日々はそんな苦しみも忘れ、そして「退屈」とは彼女の本来の姿ではないでしょうか。桜はそもそも聖杯戦争には興味がない少女です。しかし大人たちの事情で翻弄されてしまう人生…しかし士郎といればただの「少女」でいられる、そういうことでしょう。

しかし士郎が見ていないところではそっと涙を流すのです。それでも、彼が振り返れば涙を隠し、笑顔を見せる、そんな健気な少女なのです。

帰らぬ日々を思うような
奇妙な愛しさに満ちた
箱庭の中で
息をひそめ

季節が行くことを忘れ
静かな水底のような
時間にいた

「帰らぬ日々」とは、遠坂家で過ごしていた時間のことでしょうか。その間は桜も幸せに過ごしていたでしょう。そして士郎との時間は遠坂家にいた時のような幸せを感じられる、ということでしょうか。
箱庭とはまさに、士郎との日々のことを指すのだと思います。自分は間桐家の者であり、士郎とはただの学友です。こんな幸せな時間が長く続くはずがないと分かっていても、「息をひそめ」て、少しでも長く続けばいいと思っているのでしょう。

静かな水底のような時間、も、間桐家での苦痛の時間との対比でしょう。士郎との時間は穏やかで静かなものだと桜は感じているのでしょう。

冷たい花びら
夜に散り咲く
まるで白い雪のようだね
切なく
貴方の上に降った
かなしみを全て
払いのけてあげたいだけ

聖杯戦争に参加する士郎、そして否応なしに巻き込まれていくことになる桜。
桜はせめて、士郎が悲しむことがないように、士郎が正義を貫けるようにしたいと思うのです。
「貴方の上に降ったかなしみを払いのけたい」とはそういう気持ちの表れでしょう。
 

Aimer 花の唄
フリー写真素材ぱくたそ

貴方のこと傷つけるもの全て
私はきっと許すことは出来ない
優しい日々
涙が出るほど
帰りたい
貴方と二人で
見上げた
花びらが散った

聖杯戦争は始まってしまった、もうあの穏やかな日々に戻ることができないことを憂いています。
また、後々のネタバレになる、と言われていたところが徐々に表れてきている気がしますね。
桜が今後見せるであろう狂気の片りんがすでに見え始めているような気がします。
 

月が雲に隠れて
貴方は道を失くして
泣き出しそうな
目をしてた

ぎざぎざなこころだって
ふたつ合わせてみれば
優しいものがきっと
生まれてくるわ

士郎が「道を失くして泣きそうな目をしてた」というのは、おそらく彼の目指す正義がなんなのか、揺らいでしまうシーンでしょう。
冒頭では「一体何をすれば正義の味方になれるんだ」と士郎が吐露するシーンがあるのですがそれに呼応しているのだと思います。

士郎と桜、お互い過去に訳ありです。しかしそんなでこぼこ同士でも、合わされば一つの素敵なものが生まれてくるのではないか、桜はそんなふうに思っているんですね。

私を傷つけるものを
貴方は許さないでくれた
それだけでいいの

戯れに伸ばされた
貴方の手にしがみ付いた
諦めていた世界に
やがて温かな灯がともる

桜にとっての「正義」は、「自分を傷つけるものを許さないでいてくれた」ということなのです。
士郎はなにげなしに伸ばした手かもしれないですが桜にとってはこの手こそが救いだったのでしょう。
間桐家での辛い日々に明かりをともしてくれたのは士郎なのです。

冷たい花びら
夜を切り裂く
私が摘んだ光をみんな束ねて
貴方の上に全部
よろこびのように
撒き散らしてあげたいだけ

桜の献身的な部分が表れている歌詞だと思います。
しかし、「私が摘んだ光をみんな」士郎にあげてしまう、というあたりでやや不穏な感じもしますね。
自分はどうなってもいい、という自己犠牲的な愛情も感じます。

わるいことをしたらきっと貴方が
怒ってくれると約束したよね
だからきっともう一度
私を見つけてくれるよね
寂しいところに
もういなくていいね
一人で見上げた
花びらが散った

そしてこの曲の最後の部分が核だといってもいいでしょう。

「わるいことをしたらきっと貴方が怒ってくれると約束したよね」の部分は、映画の予告動画にあった、
「私が悪い人になったら許せませんか?」
「桜が悪いことをしたら怒る。誰よりも叱る」
の部分からきているのでしょう。
そして桜は笑いながらこう答えています。「良かった。先輩にならいいです」と。

わたしをもう一度見つけてくれるよね、は、桜が「悪いことをするから」、そうしたら叱るために士郎が来てくれるから、なのでしょう。それは映画の2作目、そして3作目で明らかになるのだと思われます。

さっきは二人で見上げていた花は、最後には一人で見ています。
ここも、今後のストーリーを予感させるものなのでしょう。

Aimerの『花の唄』歌詞の意味などまとめ

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こちらでは、劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」の主題歌となったAimerの『花の唄』について、歌詞などを考察しました。

見事なまでに、ヒロイン、間桐桜の気持ちを代弁したかのような歌詞になっていますよね。この曲を理解するには、映画を見る、あるいはゲームをプレイする、のが一番おすすめです。

是非、映画やゲームに触れてみて、そして共感してください。

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