【Aimer】Fateアニメストーリーに沿って作られた『LAST STARDUST』とは?曲について独自に徹底考察!

Aimerが歌う『LAST STARDUST』が、Fateアニメのとある回のためにあるのではないかと思えるほどにぴったりハマる曲、とファンの間で人気です。
こちらでは『LAST STARDUST』の歌詞をその回とリンク、徹底考察しました!

記事の目次

  1. 1.アニソンに多く起用されるアーティストとして引っ張りだこのAimer
  2. 2.Fateシリーズとは
  3. 3.Fate/stay night [Unlimited Blade Works]挿入歌として起用された『LAST STARDUST』
  4. 4.アニメストーリーに沿って作られた『LAST STARDUST』について徹底考察
  5. 5.『LAST STARDUST』歌詞の意味考察まとめ

『LAST STARDUST』が起用された20話とはどんな内容か

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アニメ20話は、主人公である衛宮士郎が、アーチャーと対決するシーンが描かれます。
このアーチャーは実は士郎の未来の姿…士郎が英霊となったものなのです。

士郎は義父である衛宮切嗣の亡くなり際の言葉、「正義の味方になりたかった」を胸に、そうあろうと生きていました。しかしアーチャーのいた世界はまさに地獄、正義の味方どころか周りには死体が転がっています。

アーチャーはこの先、士郎を進ませないために、そして同じ道をたどることにないように士郎を殺しにきたのでした。

まさに今の主人公と未来の主人公との対決、それが20話です。

『LAST STARDUST』歌詞の意味徹底考察!

ふりしきる強い雨 描いた理想(ゆめ)の果て
震える肩濡らし 歩き続けた

擦り切れた小さな手 隙間を埋めるまで
色の消えた記憶 拾い集めた

この部分は、士郎が迎えることとなる、アーチャーがいる未来の自分が見た光景だと思います。
曲はちょうど、士郎が一旦アーチャーにやられ、倒れてから見る夢のようなシーン、士郎が目の前の殺伐とした風景に足を踏み入れようとするとき、背後から過去の自分が「その先は地獄だぞ」と言って引き留めようとするところで流れます。

士郎は正義の味方になることを夢みて生きてきましたが、それが叶うどころか彼は一人も救うこともありませんでした。
これが「士郎が描いた理想(ゆめ)の果て」でした。

震える肩を濡らして歩き続けるのは未来の士郎でしょう。そして、「色の消えた記憶 拾い集めた」の部分はまさに、士郎が制止も聞かずに地獄のような風景へと足を踏み入れ、グラスや何かの破片を泣きながら掘り起こすシーンとかぶります。

そしてそれは、冬木の大火災をかろうじて生き残った幼い頃の彼とも重なります。

愛しさ 優しさすべて投げ出してもいい
失くしたもの見つけたなら

失ってきたものがまた戻ってくるなら、優しさや愛しさと引き換えにしてもいい。
ここはアーチャーの心理かもしれませんね。正義の味方になりたいと願い、そのように生きていたはずで、そのためなら優しさ愛しさも全て捨ててきた、という…。
アニメやゲームでアーチャーをご存知の方は分かると思いますが、彼はだいぶ合理主義というか、わりとドライでクールな印象があります(FGOでは大分面倒見のいい優しいお兄さん風ではありますが)。
途中で、こんなはずではなかったと失ったものをなんとかかき集めようとするあまりにそういった人間らしい部分がそぎ落とされていったのでしょう。

しかし失ったものは見つからずに、今のこの地獄のような世界を迎えることになるのです。

傷つくのが運命(さだめ)だとしても 
心はまだ彩(いろ)を放つ
最後のStardust 舞いあがれ
Dust to Dust, Ash to Ash 彼方へ
願いの破片よ 届け

「傷つくのが運命だとしても~」の部分は、これは士郎の決断、士郎の想いでしょう。
アーチャーに、お前の行く先は地獄だぞと見せられたとしてもなお、彼は歩みをとめることなく進み続けるのです。

アニメでは「根底にあったものは願いなんだよ」「誰かの力になりたかったのも、結局何もかもとりこぼした男の果たされなかった願いだ」という士郎のセリフが流れます。
何もかも取りこぼした男、とは切嗣のことです。
「最後のstardust」とはこの「願い」のことでしょう。

さらに、士郎が「たとえ偽善だったとしても俺は正義の味方を張り続ける」と決意を新たに剣を抜くシーンが流れます(ここはOPにもあり、この流れで出てくると本当に毎回泣きます)。

そう、ここで彼は切嗣の願いを継ぎ、決心をするのです。それがこの歌詞の「願いよ届け」の部分に繋がるのでしょう。

遠ざかる通り雨 消えてく夜の風
孤独だけが 傍にただずんでいた

選んだ正しさすべて間違いでもいい
信じたもの守れたなら

 

1番にあった雨は通り雨でもう今は静けさしかありません。
士郎のこの決断がもし間違いだったとしても、正しいと信じていたものがそうではなかったとしても、彼が信じたものが守れたらそれでいい、ということです。

アニメでは「おまえの正しさはただ正しいだけのものだ。そんなもの、俺はいらない」という、まさに士郎の名言中の名言ともいえるセリフが飛び出します。

世界の「正しい」と自分の「正しい」は違うんですよね。

LAST STARDUST
Photo by Flickr

傷だらけの硝子の心が
忘れかけた熱を灯す
最後の stardust 舞い上がれ
Dust to dust,earth to earth 彼方へ
願いの破片よ 永遠へ
 

一旦は折れそうになった心は、また強い力を宿します。アニメでは士郎は見守っていたセイバーによって助けられ、再び立ち上がることとなります。

このあとの歌詞は同じ流れなので繰り返しになります。

傷つくのが運命だとしても
心はまだ 彩を放つ
さよなら Judas 灰になれ
dust to dust. いつかの弱さへ

傷だらけの硝子の心が
忘れかけた熱を灯す
最後のstardust 舞い上がれ
dust to dust. ash to ash.彼方へ
願いの破片よ 永遠へ

そしてこのラストサビに出てくる「Judas」、ここに注目したいですね。
Judasとは誰のことでしょうか。Judasの意味はユダ、聖書に登場する、イエスを裏切ることになる人物のことです。このストーリーにおけるユダとは?

筆者は、自分の信念や「正義」というものを裏切ろうとする「心」のことではないかと考えました。そしてそれはアーチャー自身でもあるのではないかと。
続く「いつかの弱さへ」は、士郎の「お前が正しいと受け入れようとしていた俺が弱かった」というセリフに通じるものがあると思います。
貫こうとしていた正義を一瞬でも曲げようとしてしまった己の弱さ、それが「judas」が持つ意味なのではないでしょうか。

最終的に士郎はセイバーの力を借りて立ち上がり、アーチャーを打ち負かします。

最初の方の「最後のstardust」は切嗣の願いである、と書きましたが後半のこの言葉は、アーチャーの、本当はこうありたかったという願いかもしれません。

士郎はアーチャーに対しては最初は憧れのようなものを持っていました。こうありたいと思っていたこともありました。それがこんな形で、俺はお前の成れの果てだ、と言われたときの士郎の気持ちを思うと胸が抉られるような気持ちになりますね。

『LAST STARSUST』はまさに20話のために作られたのではないかと思えるほどに、ストーリーや内容にぴったり合う曲なのです。
 

『LAST STARDUST』歌詞の意味考察まとめ

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こちらではAimerの『LAST STARDUST』について、歌詞を深く掘り下げてみました。こうして振り返ると、本当に、「Fate/stay night」の20話のためだけに作られた曲のように感じます。

曲だけ知っていた、という方は是非アニメも視聴してほしいなと思いますし、どっちも知っていた、という方は是非、もう一度見返して浸ってみて下さい!

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