【マイケル・ジャクソン】『Bad』は自身のダークな部分を描いた?歌詞から独自に徹底考察!
マイケル・ジャクソンの代表曲ともいえる『Bad』ですが、どういう歌詞なのか、何を伝えたかった歌なのか、考えたことはありますか?こちらではマイケル・ジャクソンの『Bad』を徹底考察!歌詞を紐解き、マイケルが伝えたかったことはなんだったのか迫ります!
それでは『Bad』の歌詞を和訳しつつ、考察していきましょう。
Your butt is mine
Gonna tell you right
Just show your face
In broad daylight
I'm telling you
On how I feel
Gonna hurt your mind
Don't shoot to kill
Come on, come on
Lay it on me
All right…
”お前の尻尾は掴んだ、お前に正しいことを教えてやるよ
ただ真昼間に出てきて顔を見せればいいのさ
お前に、僕がどう思ってるか言ってやる
お前を傷つけてしまうかもしれないけど、別に銃で撃ち殺すわけじゃない
さあ、ほら、僕に任せて”
PVに登場する3人の幼馴染みたちに向けている言葉のようにも受け取れますね。
実際、曲部分は彼らに反撃し始めたところから始まっていますから、彼らに語って聞かせる、という意味でも、そのように解釈したほうが和訳はしやすいと思います。
真昼間に~、というのは彼ら、あるいは影でコソコソと悪口をいうような人達全般のことをさし、堂々と日なたに出てきて勝負をしろ、という意味でもあると思います。
I'm giving you
On count of three
To show your stuff
Or let it be...
I'm telling you
Just watch your mouth
I know your game
What you're about
”じゃあ、3つ数えるまで待ってやるよ
お前の決意を見せるのか、それとももうそのまま、流されていくのか
だけど口の利き方には気を付けろよ
僕はお前たちのやり方は知ってるし
お前たちがどういう人間なのかもわかってるんだ”
stuffの訳が悩むところですが、ここは彼らに対して改心するつもりがあるのかどうかを聞いてるのだろうなと解釈しました。
ここで自分たちがやっていることは愚かなことだと気づいて反省するのか、それともただそのまま社会の悪循環に抗うことなく流されていくつもりなのかと問うているのでしょう。
Well they say the sky's the limit
And to me that's really true
But my friend you have seen nothin'
Just wait 'til I get through…
”みんな、空には限りがあるって言うしそれはホントのことだって僕に言ってきたけど
でもお前たちは何も見ようとしないんだな
僕がその限界を超えてやるから待ってろよ”
このあたりから、マイケルが実際にこれまで感じてきたであろう差別や偏見などさまざまなことに対する彼自身のメッセージがはっきりしてくるように思います。
マイケルがヒット曲を量産すればするほどに、「黒人のくせに」という当時の風潮は少なからずあったことでしょう。
しかしマイケルはそういう当時の風潮に対し、真向から勝負しよう、そして自分がその壁を乗り越えてみせるとはっきり宣言しているのです。
Because I'm bad
I'm bad-come on
You know I'm bad
I'm bad-you know it
You know I'm bad
I'm bad-come on you know
And the whole world has to answer right now
Just to tell you once again, Who's bad…
”だって僕はbad(かっこいい)だからさ
そう、僕はbad(かっこいい)なんだ
君らも知ってるだろ?
さあ、世界中が今すぐに答えをださなきゃならない
その上で君らにもう一度問うよ、誰がbadなのかってね”
黒人である、貧民街出身である、ということだけで進学や出世への壁ができてしまう…そういう風潮はたしかにはびこっていたのだと思います。しかしそれに甘んじて努力すらしないような人たち(PVに出てくる幼馴染みたちがそうですね)が多い中、彼は「自分はそれを乗り越えてみせる」と宣言しているのです。
こうなった社会が悪いんだと全部誰かのせいにして流されて生きている人たちと、努力をして開拓していく人と「どっちがbadなのか?」…断然後者である、と彼はこの歌でメッセージをわたしたちに伝えてくれているのだと思います。
このショートフィルムの、曲が終わったあとのシーンに注目してみてください。幼馴染みたちは完全に戦意喪失、そして「まあお前が言いたいことは分かったよ」という感じで、ダリルの意見は否定はせず、理解を示します。
本来なら「俺たちが間違ってたよ、俺たちも頑張る」な方向にいくのがハッピーエンドでしょう。しかしこのPVでは彼らは、ダリルの意見は理解しつつ、しかし若干引いたような感じで結局はまた元の世界に戻っていく様子が描かれます。
どんなに訴えても、分かり合えないものがある、という部分を見せつけられたようで、少し寂しさや虚しさも感じるラストですね。また、マイケル自身が、最期まで「理解されないまま」だった、という部分にも重ねてしまいます。
しかし1本のショートフィルム、PVを通して見事にテーマを描き、マイケルのメッセージも込めた素晴らしい作品ですね。
マイケル・ジャクソン『Bad』歌詞などまとめ
こちらでは、マイケル・ジャクソンの『Bad』について、その曲の背景にあるものや、曲の歌詞の意味、マイケルが伝えたかったことなどを深く考察しました。
差別や偏見の問題は、現代でも根強くありますし、そのことをテーマにした曲もたくさん作られてきています。しかしこの『Bad』はそういった言葉を出さずに曲にそういうメッセージを込めてきているのだなと感じました。
『Bad』は彼のダークな部分を描いた曲ではなく、世間が勝手に作った壁をぶち破ろうとすることのかっこよさを強く伝えた曲なのです。