【マイケル・ジャクソン】『Bad』は自身のダークな部分を描いた?歌詞から独自に徹底考察!
マイケル・ジャクソンの代表曲ともいえる『Bad』ですが、どういう歌詞なのか、何を伝えたかった歌なのか、考えたことはありますか?こちらではマイケル・ジャクソンの『Bad』を徹底考察!歌詞を紐解き、マイケルが伝えたかったことはなんだったのか迫ります!
PVは実際のエピソードがモチーフとなっている
『Bad』の歌詞などを考察するまえに、この曲の背景になにがあるのかをみてみましょう。
『Bad』のPVは、貧困地区からスタンフォード大に進学する予定だった青年が、私服警官に強盗と間違われて射殺されてしまった事件を元に作成されました。
とくにショートフィルムを見ていただくと分かると思いますが、映像はドラマ仕立てのシーンがモノクロ、そしてダンスシーンからいきなり、マイケルの服もチェンジし、華やかなカラー映像へと切り替わります。
ドラマパート、そして、本来の主なシーン(歌とダンス)をきっちりと分けることで、見事に音楽のプロモーションビデオとして成り立っているのです。
ちなみにこのショートフィルムの撮影はマーティン・スコセッシ監督によるものです。
ショートフィルムは18分
背景を理解した上で、もう一度あらためてショートフィルムを見てみてください。
マイケルはこのドラマでは「ダリル」という1人の黒人青年を演じています。どうやら全寮制の高校か大学か、に通っているらしいのが、電車のシーンまででわかります。おそらく長期休暇で実家に帰るところなのでしょう。
その後乗り換えた電車で、その前の電車でも居合わせていた男性に「君を誇りに思う奴は何人いる?」と聞かれ、ダリルは「3人」と答えます。「頑張れよ」とその男性に言われて、嬉しそうなダリル。この男性は前の電車にも乗っていましたし、おそらく彼がどの学校の生徒か分かっていたのでしょう。
その上で「誇りに思う奴は」と聞いているのですから相当な進学校あるいは頭のいい大学にダリルが通っているのが推察できます。さらには彼が白人ならそんなことは聞かなかっただろうとも。
ところでダリルが答えた「3人」とは、家族のことではなく、おそらくその後に出てくる3人の幼馴染みだ、ということがなんとなくわかります。
ドラマはその後、ダリルが幼馴染みと久しぶりに再会するも、なんとなくギクシャクしてしまっている様子を描いていきます。3人はいわゆる貧困街でずっと育ち、言い方は悪いですがあまり品行方正とは言い難い様子なのが言動から分かります。
しかしダリルは良い学校に行き、夢や目標というものを持って生きています。その両者の「溝」がどんどんと露わになっていったところでドラマはクライマックスへ。
3人にカツアゲにいこうと誘われるダリルは拒否しますが、いちおう付き合って駅までやってきます。そこで彼は3人がターゲットにした老人を逃がします。3人が怒ってダリルに「You ain't bad!(この腰抜け)」と怒鳴り付けますが、ダリルは「You aint nothing!(お前たちこそ何もしてないじゃないか)」と言い返します。
そして映像はカラーになり、マイケル(ダリル)が服だけでなく印象もガラリと変わって、歌が始まります。
『Bad』の歌詞の意味と、合わせて込められた想いを徹底考察
PVの意味を理解し、歌詞「Bad」の意味を考える
PVを見た上で、改めて「Bad」の意味を考えてみましょう。badを普通に和訳すると「悪い」という意味になります。you're a bad guyとなれば「お前悪い奴だな」という和訳になりますよね。
しかしこのbadにはややスラング的な意味で「かっこいい」とか「イケてる」、「ヤバい(かっこいいという意味で)」などの意味もあるのです。マイケル自身、当時インタビューで「badはいい意味て使っている」と答えていました。ですからこの歌詞の「bad」も、いい意味のほうの和訳で解釈してみたいと思います。