音楽記号「cresc.(クレッシェンド)」の意味を解説!
cresc.(クレッシェンド)、重要な音楽記号のひとつですね。これがあることで、音楽に流れが出てきます。ここでは、音楽記号「cresc.(クレッシェンド)」とその対となる「decresc.(デクレッシェンド)」についてご紹介します。
音楽記号「cresc.(クレッシェンド)」の意味とは?
音楽記号「cresc.(クレッシェンド)」とは、強弱記号のひとつです。
イタリア語で「だんだん強く」を意味します。
クレッシェンドすることで、抑揚をつけることができるため、音楽が自然な形で流れるようになります。
楽譜では、以下のように表現します。
- 「<」を横に伸ばしたような記号(上のクレッシェンドの記号①)
- 「cresc. 」もしくは「crescendo」
時間をかけて徐々に強くしたい場合は、「crescendo」の単語をわけて記譜されることもあります。(上のクレッシェンドの記号②)
また、クレッシェンドの終わりを明示するため、以下のように末尾に点線が記譜されることもあります。
cresc. - - - - - - - - -
「cresc.」の末尾に点線がない場合は、次の強弱記号が現れたところをクレッシェンドの終わりと解釈するのが一般的です。
クレッシェンドの種類
よく使われるクレッシェンドについてご紹介します。
poco a poco cresc.(ポコ・ア・ポコ・クレッシェンド)
「少しずつだんだん強く」の意味です。
poco cresc.(ポコ・クレッシェンド)
「少ししか強くしないで」の意味です。
cresc. subito(クレッシェンド・スービト)
「急に強くしていく」の意味です。
cresc. al ff(クレッシェンド・アル・フォルテッシモ)
「ffまでだんだん強く」の意味です。
cresc. ed animando(クレッシェンド・エド・アニマート)
「だんだん強く、そして元気よく」の意味です。
un poco cresc.(ウン・ポコ・クレッシェンド)
「時間をかけて少し強くしていく」の意味です。
più cresc.(ピウ・クレッシェンド)
「さらにだんだん強く」の意味です。
「だんだん強く」とは具体的にどうやる?
「だんだん強く」と指示があれば、なめらかに音量を大きくしていきます。
クレッシェンドの始まりの音量、終わりの音量、始まりから終わりまでの音量の配分を考えて(計算して)演奏します。
クレッシェンドの練習中によくあるのは、
- 途中で音が抜けてしまった、音が弱くなってしまった
- 始めから音量を出してしまい、それ以上は大きくできなかった
- 始めはよかったが、途中で大きくしてしまい、それ以上は大きくできなかった
途中で音が抜けるのは、ピアノだと指をまたいだり、指をくぐらせて弾く場合に起きることが多いかもしれません。手首の無駄な力は抜いて、音の粒が揃っているかをよく聴いてください。指遣いを変えることで綺麗に弾ける場合もありますので、見直してみてください。
楽曲によっては、既に大きな音量を出している状態でさらにクレッシェンドを要求するものもあります。そのような場合、さらにクレッシェンドしようにも、ほとんど変化のない演奏になってしまいます。
そのため、少し抜いた(弱くした)状態からクレッシェンドを始め、終わりに向かってだんだん強くしていきます。こうすることで、クレッシェンドがより映えて聴こえます。
デクレッシェンドの意味とは?
ここからは、クレッシェンドの対語となる音楽用語「デクレッシェンド(decrescendo)」についてご紹介します。
デクレッシェンドはイタリア語で「だんだん弱く」を意味します。
デクレッシェンドと同様の意味の音楽用語は「ディミヌエンド(dim.またはdimin)」です。
楽譜では、デクレッシェンドは以下のように表現します。
- 「>」を横に伸ばしたような記号(上のデクレッシェンドの記号①)
- 「decresc. 」もしくは「decr.」