グラスネイルって何?ギタリストなら知っておきたい
「グラスネイル」が何なのか、ギター奏者なら必ず知っておいてもらいたいくらい、サウンドの質を良くしてくれたり演奏の幅を広げてくれたりする非常に便利なものです。使い方や購入・使用時の注意点など、著名なギター弾きたちが愛用している「グラスネイル」について紹介します。
グラスネイルの使い方
グラスネイルを購入したら、さっそくコーティングしてみましょう。
簡単な使い方を紹介します。
グラスネイルの使い方①:消毒
基本的なことですが、コーティングの前に必ず手を綺麗にすることから始めてください。
汚れた状態で加工すると、そのまま薬剤と一緒に固まってしまいます。
手を洗ってから「キット4」を持っている方は爪角質取りを使って爪を擦り、角質を取ってください。
他のキットを購入した方は別売りの角質除去器具を使ったり、念入りに爪を洗いましょう。
次に消毒液をスプレーしますが、ない場合は除菌シートなど消毒効果のあるもので爪を完全に綺麗にしてください。
グラスネイルの使い方②:下準備
爪の長さ・形を整えます。
セットに入っているものや爪ヤスリ、爪切りなどを使って理想の爪にしてください。
整えたら脱脂液で細かい汚れを落としていきます。
この脱脂液はグラスネイルがコーティングされやすくなる効果もあるようです。
トライアルキットにはありませんが、スターターキット・キット4を購入した方は、この工程を必ず行いましょう。
グラスネイルの使い方③:塗る
コーティングする前の爪を綺麗にしたら、今度は加工を行います。
接着剤を刷毛にたっぷり付け、補強粉を2、3回軽くタッチして組み合わせてください。
すぐにセリー状になるので、直接爪に塗っていきます。
これを5回ほど繰り返して重ね塗りをし、10秒間ほどスプレーをかけると硬化完了です。
固まっているかどうかは、スティックを使って確認しましょう。
グラスネイルの使い方④:仕上げ
硬貨したら表面にできた凹凸や、はみ出した部分をネイルファイルで綺麗に整えてください。
「キット4」を持っている方は、形を整えた後にクリスタルシャインを使って爪を磨いてみましょう。
光沢が出てくるので最後に爪や爪の周りに保湿オイルを塗って完成です。
グラスネイルの使い方⑤:除去
グラスネイルは市販の除光液では剥がすことはできません。
除去剤がある場合は必ず除去剤を使いましょう。
無理矢理剥がすと爪がかなり痛みますので、注意してください。
除去剤をスポイトで取り、予め爪の大きさに切っておいたキッチンペーパーを爪の上に置いて、スポイントの除去剤を浸します。
アルミホイルを巻き10分放置した後、ティッシュを使ってキッチンペーパーごと素早く拭き取りましょう。
この工程を2回ほど繰り返すと綺麗に取れると思います。
バンドエイドでも代用できる
キッチンペーパーの代わりに、バンドエイドを使っても除去できます。
バンドエイドのクッション部分に除去剤を沁み込ませ、クッション部分を爪の表面に当てて貼り付けてください(指に対して垂直ではなく平行に貼る)。
その後にアルミホイルで包んで10分程時間を置くと説明しましたが、バンドエイドの場合は少し長めに待ちましょう。
あとは同じようにティッシュで素早くふき取ってください。
グラスネイルを購入・使用する前に知っておきたい注意点
グラスネイルは非常に便利ですが、購入・使用前に知っておくべきことがあります。
いくつかの注意点を、事前に把握しておきましょう。
グラスネイルの注意点①:塗るのが難しい
マニュキアもそうですが、グラスネイルはより綺麗に塗るのが難しいです。
上手くコーティングできたと思ってギターを弾いてみた時に、剥がれやすくなっていたり凸凹して想定した弾き心地を得られなかったりすることが多くあります。
爪からコーティング剤がはみ出てしまっていると、そこからヒビが入ったり剥がれることもあるようです。
上手に塗るには、少々練習が必要なようです。
グラスネイルの注意点②:重ね塗りがおすすめ
爪を強化する上では2重に塗ることをおすすめします。
1度塗っただけでストロークするとすぐに爪が割れてしまうし、ピッキング奏法した場合もブライトなサウンドが得られません。
ちなみに3重塗り以上は逆に剥がれやすくなってしまったり、凸凹になってしまうようです。
2重にするのが最も適当といえるでしょう。
グラスネイルの注意点③:接着剤用ブラシが固まりやすい
接着剤用のブラシは水だけで洗うと固まってしまいます。
ブラシだけではなくフタも固まってしまい、開かなくなることがあるようです。
ブラシを洗う時は除去液を使って、水でしっかり薬剤を落としましょう。
固まったブラシはより塗るのが難しくなるので注意です。
グラスネイルの注意点④:定期的なケアが必要
グラスネイルは2週間ほどすると自然と剥がれ始めます。
ギターの演奏を頻繁にしている人の場合は、1週間に1度塗り足す・塗り直す必要があるようです。
爪が伸びることで先端の形が変わるので、そのたびにヤスリを使って形を整えなければなりません。
そう考えるとグラスネイルを利用する場合は、かなり小まめなケアや手入れをすることになります。
ちなみに説明書を見ると補修する時は接着剤で塗り直すように書いてありますが、これが結構難しいようです。
部分的に手入れしたい場合は気になるところを除去液・ヤスリを使って削り、デザートオイルという薬剤を塗るギタリストも多くいます。
グラスネイルの注意点⑤:激しいプレイは割れる可能性も
ギター演奏のための、爪の強化に最も高い効果をもたらすグラスネイルですが、それでもストロークを何度も繰り返していると割れてしまうようです。
爪本体はしっかり保護されているものの、ギターの弾き心地やサウンドは変わります。
グラスネイル加工を施した爪でストロークを連続していると、だいたい1時間~2時間で割れてしまう人が多いです。
1曲全部ストロークの楽曲は、なるべくピックを使ったほうがよいでしょう。
グラスネイルの注意点⑥:プレイに合う爪の形を作る
グラスネイルでのコーティングに限らず、爪弾き奏者にとって爪の形はとても重要です。
爪のどの部分に当たったら弾きやすいのか自分なりに研究してから、その爪の形を保持する必要があります。
ちなみに爪弾きと指弾きを織り交ぜたい場合は、5本の指のうちグラスネイルを施す爪と施さない爪の両方を、演奏に合わせて整形しておくとよいでしょう。
おすすめの爪の形の作り方
爪弾きにしようと決意したのはよいけど、どのような爪の形が理想なのか分からない方も多いのではないでしょうか?
弾く人の好みや手・指の形、演奏時のフォームによっても変わってくるので一概に次の作り方が正しいとはいえませんが、最初に爪を整形する時の参考にしてみてください。
最終的には自分に合うのがどのような形なのか、研究して決定していきましょう。
- 長さは指の腹から見て1mm~2mm飛び出しているくらい
- 先端は尖らせる
- 爪の表面から見て親指は左側が緩やかに、他は右側が緩やかに傾斜している
グラスネイルを使っているアーティスト
グラスネイルを実際に使っているアーティストには、誰がいるのでしょうか?
確認してみるとアコースティックギターを使用している著名なプレイヤーやシンガーソングライターで、テクニカルな奏法を駆使している奏者に愛用者が多いようです。
過去に使っていた記録があるアーティストも含めて、紹介します。
グラスネイルを使っているギター弾き①:押尾コータロー
押尾コータロー(おしおコータロー)はアコースティックギターを使ってインストゥルメンタルを、フィンガーピッキングで演奏することで有名なアーティストです。
オープンチューニング・タッピング・スラッピングなど、テクニカルな奏法を駆使しています。
小指以外の4本の爪をコーティングしているようです。
グラスネイルを使用した第一人者とも言われており、彼に憧れてグラスネイルを試したギター奏者も多いでしょう。
爪弾きすることによって動きを最小限にし、自由度の高い演奏をしています。
グラスネイルを使っているギター弾き②:大石昌良
大石昌良(おおいしまさよし)はLS36という、YAMAHAのアコースティックギターをメインに演奏しているシンガーソングライターです。
J-POP・ロック・アニメソングなどのジャンルをメインとし、アコギ1本で行うツアーをほぼ毎年、冬に開催しています。
大石昌良のプレイの特徴は、グラスネイルで加工した爪を使ったストローク・アルペジオなどのスタンダードな奏法だけではなく、スラップ奏法を織り交ぜるところともいえるでしょう。
ベース・ドラムなどの楽器を思わせるサウンドを、アコギ1本で奏でることでも有名です。
グラスネイルを使っているギター弾き③:井草聖二
井草聖二(いぐさせいじ)は日本だけでなく、海外でも勢力的に活動しているアーティストです。
ギターはテクニックなプレイが目立ち、フィンガーピッキング奏法を用いた楽曲が多くあります。
グラスネイルは使用していた時期もあったようですが、数年前から加工を施さなくなったという情報もありました。
公演が連日続く場合はベースコートのみしているようです。
グラスネイルを使っているギター弾き④:中川イサト
中川イサト(なかがわイサト)はギタリストでありシンガーソングライターですが、昨今はフィンガーピッカーの活動を主とし押尾コータロー・ゴンチチなどの、著名なアーティストの活動を後押ししているようです。
ちなみに押尾コータローは、中川イサトと師弟関係にあります。
日本のフィンガーピッキング奏者の草分けになった人物の1人です。
グラスネイルを使っているギター弾き⑤:岸部眞明
岸部眞明(きしべまさあき)は日本を代表するフィンガーピッキング奏者の1人です。
2002年にアメリカで開催された、有名なフィンガーピッキングの大会で最終予選に残ったほどの腕前です。
スライド奏法の際にしばし用いられる、オープン・チューニングでの演奏が多く見られます。
グラスネイルを使っているギター弾き⑥:谷本光
谷本光(たにもとひかる)は主にインストゥルメンタルの演奏しているギタリストです。
「アコースティック・トリック・ギタリスト」の異名を持ち、アコースティックギターのみでいろいろな楽器のサウンドを表現しています。
アコギの限界を超越した超絶技法を持っており、現在は谷村新司・夏川りみなどの著名なシンガーのバックミュージックとしても活躍しているようです。
グラスネイルを使っているギター弾き⑦:星野源
星野源(ほしのげん)は高い人気を誇るシンガーソングライターです。
グラスネイルを使用しているかどうかは不明ですが、ネイルケア関係の商品で爪を強化し演奏していると語っています。
星野源の場合は親指の爪を長くし、あとの爪も少し長めです。
弾き語りのライブの際にはストロークもアルペジオも爪で弾いています。
まとめ
ギタリストが爪を保護・強化し、ブライトなサウンドで爪弾きするために最適だと注目されているグラスネイルですが、アコースティックギターで無駄のないプレイを目指している方に大変おすすめです。
この記事を参考にグラスネイルを使って、演奏の幅を更に広げましょう!
- 1
- 2