ギターでアドリブを入れて盛り上げたい!アドリブの練習方法についてご紹介!
ギターを弾いている人は何度か壁にぶつかる事があります。その中でも高い壁となっているのが『アドリブ演奏』ではないでしょうか?今回はギターをもっと思いのままに弾けるようになりたい人に向け、アドリブの考え方やその練習法についてまとめてみました。
ギターのアドリブを気持ちよく弾く為には、先ずコード進行を理解する事です。そして、その曲のキーを掴み、そのキーにあったスケールを使い、曲にあったフレーズを弾いていけば、それがアドリブ演奏と言われるものになります。
繰り返しになりますが、アドリブの練習方法として最も効果的なのが、やはりスケールを指の動きで覚えてしまう事だと思います。
スケールを覚えてしまえば、指の動きは一緒で後はフレットをずらして、そのキーに合うところで弾くだけです。
上にも書きましたが、とにかく曲に合わせて弾いてみる事が、最も効果的で、最も早い上達法であると思います。
世界で最初にエレキギターでソロを弾いたと言われている、チャーリー・クリスチャンはレコードでブラスやサックスのフレーズを聴いてギターで弾いていたそうです。
自分が憧れるギタリストのプレイを何度も聴いて、先ずはそれを真似してみるという練習方法も、非常に有効であります。
また、こちらの方の動画はわかりやすく、面白く解説してくださっているので、アドリブ初心者の方にもお薦めです。
アドリブギターの名演ご紹介
『あの人みたいなソロを弾いてみたい!』『こんな感じのフレーズを弾きたい』と出来るだけ具体的なイメージを持つことも、思い通りのアドリブプレイができる為には重要かも知れません。
それでは筆者が選ぶ、ギターアドリブプレイの名演をいくつかご紹介いたしましょう。
Swig to bop/チャーリー・クリスチャン
上述したチャーリー・クリスチャンによる1941年の演奏です。クリーンな単音弾きによるアドリブソロは、確かにサックスのフレーズでも通用しそうです。
チャーリー・クリスチャンのシングルトーンによるギタープレイは、今から80年も前の演奏とはとても思えない程、瑞々しく輝きに満ちています。
チャーリー・パーカーと並ぶビ・バップの創始者と言われた天才ですが、放蕩の末わずか25歳でこの世を去っています。
Moon River/奇妙礼太郎&塚本功
個性的なボーカリスト『奇妙礼太郎』と日本が誇る天才ギタリスト『塚本功』の共演です。
達人・塚本功はどんな楽曲も自分のものにしてしまうギタリストで、愛器GIBSON ES-175を武器にどんな相手にも喰われないギターを弾いています。
まさに即興の作曲家といったメロディアスなフレーズや、リズムを強調したカッティングなど、自由自在です。
FULL HOUSE/ウエス・モンゴメリー
こちらはジャズ・ギターの巨匠、ウエス・モンゴメリーによる演奏です。彼の代名詞とも言われる、親指だけで弦を弾くスタイル、そしてオクターブ奏法といわれる、オクターブ離れた音を同時に奏でる演奏方法はジョージ・ベンソンなど、その後のギタリストに多大な影響を与えています。
チャーリー・クリスチャンによって開花した、ジャズにおけるエレキギターのシングル・ノートのソロを、ウエスはより進化させたのです。
なんと言っても親指だけで弾かれるので、スライドやハンマリング、プリングが多用されていて、それによって彼独特の抜群のスイング感が出ています。
そして、音の温かみ、優しさも彼ギターの最大の魅力となっています。拝啓、ウエス・モンゴメリー!あなたのギターはとても優しい〜い〜よー!
オハナレゲエ/ハナレグミ
こちらはハナレグミのライブ演奏です。とても楽しそうな雰囲気が伝わってきますね。ロックやポップスの楽曲の中でアドリブ演奏をしてみたいという方には、こういったライブ演奏が、実は一番参考になるかも知れません。
加藤隆志による、ミュートを効果的に使ったパーカッシブルなプレイや、ペンタトニックスケールを駆使した勢いのあるソロは本当に見事です。
ライブの演奏というのは、その場のノリや他のメンバーの演奏に合わせていくので、その時にしか生まれ得ないものです。だからこそ盛り上がりますし、感動が生まれるのでしょう。
東京/くるり
こちらは人気バンド『くるり』のデビュー曲である『東京』のライブ映像です。ライブでもこの『東京』は定番となっています。ファンの興奮も最高潮に達する時ですね。
クリストファーのドラミングも素晴らしいものがあります。そしてギターには大村達身。この2人がいた時ですから2003年頃のライブと思われます。今でも、この時のメンバーがライブバンドとして、最高であったという声も多いようです。
大村達身のギターはボトルネックやディレイを駆使したアドリブソロのプレイは、非常に幻想的な異次元空間に私たちを連れて行ってくれます。ライブ会場でこれを聴いていたら、トリップしてしまいそうなくらいです。
ホンキートンク・ウイメン/THE ROLLING STONES
最後はロック界の生きる伝説、ローリングストーンズの演奏をご紹介します。ローリングストーンズのベストアルバムには必ずといっていいほど顔を出す大名曲『ホンキートンク・ウイメン』のライブ演奏ですね。
キースがいい感じにルーズなアドリブソロを聴かせてくれます。よく聴いてみると、ほとんどペンタトニックスケールで弾いているようです。アドリブ初心者の方にはこの曲のような演奏のコピーから始める事をお勧めしたいです。
ペンタトニックスケールやそれを少し発展させるだけでも、こんなにカッコいいアドリブソロが出来るのです。
良い演奏をいっぱい聴いて、真似することから始めてみましょう。
ギターのアドリブについてまとめ
ここまで、ギターのアドリブ演奏についてお話をしてきました。簡単に言いますと、自分がかっこいいと思ったアーティストのフレーズをストックしておき、楽曲のキーに合わせてそれのピッチやリズムを変えて、つなぎあわせていけばオリジナルのソロになります。これは編集の作業に似ていると思います。
そこに、それぞれのセンスや閃き、さらには手ぐせなども入ってきますので、本当に人によって同じコード進行でも同じアドリブになる事は殆どないでしょう。
そこがアドリブの面白いところで、その人だからこそのメロディ、生きている人間のリアルタイムのリズムが、聴く人の心を熱くさせるのでしょう。
先日、事故で惜しまれながらこの世を旅立った、NBAのスーパースター、コービー・ブライアン。彼は数々のタイトルを残したレジェンドですが、誰よりもシュートを外した選手である事でも知られています。
つまり、失敗を恐れずに誰よりも果敢にゴールに向ったからこそ、最高の選手と呼ばれるまでになれたのです。
ギターに置き換えて考えれば、音を外したり失敗をしたりする事を恐れずにアドリブに挑戦していく事が、アドリブ上達への1番の近道なのです。
サッカー界のレジェンド、ロベルト・パッジオはこんな名言を残しています。『PKを外す事が出来るのは、PKを蹴る勇気を持ったものだけだ』
『アドリブで音を外す事が出来るのは、アドリブを弾く勇気を持ったものだけだ』パッジオではありませんが、私はそんな風に思うのです。ギターは長い友達です。皆さん、アドリブ演奏をどうぞ楽しんでください。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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