SIAM SHADE『1/3の純情な感情』は多くのアーティストにカバーされ愛され続けている!
1/3の純情な感情はるろうに剣心の主題歌に起用されました。そのインパクトのある歌詞から未だに人気も高く、誰でも1度は耳にした事があるでしょう。今回は1/3の純情な感情の歌詞の魅力や、カバーしたアーティストについて紹介していきます。
どれだけ君を愛したら この想い届くのだろう
見つめられると言えない 言葉が宙に舞う
離れれば離れるほど 愛しい人だと気付く
求めれば求める程に 切ない距離を感じてる My heart
2回目のサビでは1/3というフレーズは使われていません。これは1/3というフレーズを多用せず、あえて際立たせる目的があると思われます。
主人公は君にこの想いをどう伝えれば良いか悩んでいます。実際に会って話をしていても、その事を打ち明けられません。そして君と会う「束の間」が終わり、君との距離が再び離れてしまうと、やはり君を愛しく感じている事を再確認するのです。この後は間奏となりますが、感情的なギターソロが主人公の気持ちを代弁しているようです。
My heart Give me smile and shine days
Give me smile and nice days
もしもこの腕で君と抱きしめ合えたなら…
どれだけ君を愛したら この想い届くのだろう
夢の中では確かに 言えた筈なのに
壊れるほど愛しても 1/3も伝わらない
純情な感情は空回り
I love youさえ言えないでいる My heart
My heart
歌詞はとうとう最後のサビに進みます。
Aメロで眠れなかった主人公は夢の中で君に逢い、想いを伝えます。しかしそれは夢の中でしかなく、結局は気持ちは伝えられません。
どれだけ君を愛しても、結局は1/3も伝わらない事に変わりはありません。この切ない気持ちを抱え、主人公は今日も生きていくのです。
1/3の純情な感情の魅力は歌詞だけでなく、コードにも隠されていた
とても切ない歌詞ですが、コード進行にもその魅力は隠されています。
この曲は何度も転調(キーが変わる事)が行われます。これは主人公の気持ちが目まぐるしく変わる事を表しています。
またAメロ Bメロでは2小節単位でコードが切り替わりますが、サビでは1小節の半分でコードが変わります。これは眠れない夜を過ごすAメロと、感情的に歌うサビの心境を効果的に表しています。
この楽曲のBメロ、サビはキーがE(ミの音)ですが、Eのコードが殆ど出て来ません。音楽理論的な話になりますが、キーがEの場合、サビ等の最後のコードはEだと落ち着いて聴こえます。この楽曲ではあえて落ち着いた響きのEのコードを使わない事で、煮え切らない主人公の態度を表しているのです。
Eのコードが使われるのはBメロの一部と、楽曲の最後です。主人公の心境を、最後はEのコードに収束させる事で、1つの希望を見出させたのかもしれません。夢の中で想いを伝え、少しは前身したのかもしれません。
歌詞だけでなく、コード進行も主人公の気持ちに寄り添っています。更に1/3という印象的なフレーズが相まっている事からもこの曲がヒットしたのは、「偶然ではなく必然」だったと言えます。
数多くアーティストにカバーされ、いろいろなところで採用されている!
この楽曲がリリースされたのは1997年ですが、未だに人気があり、多くのアーティストがカバーしています。今回はその中の一部を紹介します。
Buono!
惜しくも2017年に活動を完了したBuono!がカバーしています。女性目線からこの曲を歌うと、違った印象を与えます。ボーカルとしての歌唱力も申し分なく、気持ちが伝わらない切なさを良く表現出来ていますね。
Acid Black Cherry
2013年にリリースされたカバーアルバム「Recreation 3」に収録されています。同じくヴィジュアル系であるyasuがカバーする事で、ヴィジュアル系としてのSIAM SHADEのイメージとなっています。原曲よりもしっとりとしていますね。
FLOW
こちらはFLOWが2011年にリリースしました。ギターにはDAITAがゲスト参加しています。原曲にはない前奏が追加されています。FLOWはGO!等に代表されるよう、アニソンのヒット曲を多く制作しています。こちらはアニメとしてのSIAM SHADEのイメージでしょうか?ツインボーカルがやはり良い味を出していますね。
佐藤和夫
2019年10月よりJA全農いわてのいわて純情米のCMに楽曲が起用されています。稲穂役はのん、SaToMansionのボーカル佐藤和夫がカバーを務めています。
大自然の中で懸命に育つ稲穂を、透明感のある女優のんが演じる事で純情米の魅力を十二分に伝えていますね。
まとめ
1/3の純情な感情の魅力は伝わったでしょうか?歌詞の切なさと、印象的なフレーズ、そしてコード、全てが魅力的な楽曲です。この名曲は多くの人達の共感を呼び、今でも根強い人気を誇ります。カバーされた曲も聴く事で新たな発見があるかもしれませんね。是非皆さんも聴き比べてみましょう。
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