ダウンタウンと槇原敬之がタッグを組んだ『チキンライス』を知っている?号泣必至の名曲を徹底考察
ダウンダウンと槇原敬之によるクリスマスソングである『チキンライス』。飾り気のない歌詞と温かみのあるメロディー、そして浜ちゃんとマッキーの歌声がマッチした名曲です。今回はそんな名曲『チキンライス』の歌詞を読み解いていきたいと思います。
『チキンライス』は実話を基にしたストーリー?
『チキンライス』は歌詞を書いた松本人志の実体験をもとにしていると言われています。シングルの2曲目に収録されている『チキンライスができるまで〜松本人志〜』の中で、歌詞のもととなった自身の泣ける幼少期について語っています。
その中で松本は、貧乏であった幼少時代を振り返りながら、それでもたまに家族で外食に行っていた思い出を語っています。
何でも頼みなさいと親は言ってくれますが、それは無理をしている事を、人志少年は知っていたのでしょう。毎回それほど好物ではなかったけど安価なメニューであったチキンライスを注文していたのだと言います。
子供っていうのは大人が思っている以上に、大人に気を使っているものです。でも最近の子供はこんな気持ち分かるのかな?歌詞のストレートな言葉によって、松本人志の子供時代に見てた景色を、まるで私たちも体験してきた事のように感じさせてくれます。
そしてそんな決してオシャレでも素敵でもない風景を、感動的なクリスマスソングに昇華させているのですから、槇原敬之のメロディーメーカーとしての才能はやはり疑いの余地がありません。
『チキンライス』の歌詞に注目
ダウンタウンにとってもマッキーにとっても、特別な楽曲となりました『チキンライス』の歌詞に注目していきましょう。松っちゃんの言葉を浜ちゃんが歌うというところも、すごく良いですよね。コンビっていいなって思います。
子供の頃たまに家族で外食
いつも頼んでいたのはチキンライス
豪華なもの頼めば二度とつれてきては
もらえないような気がして
親に気を遣っていたあんな気持ち
今の子供に理解できるかな?
『チキンライスができるまで』で松っちゃんが語っている世界が、そのまま歌詞に描かれています。豪華なもの頼んだら、もう連れてきてもらえないかも知れない。今の松本人志からは考えられない状況ですが、そういった下地があるからこそ、そういった心がベースにあるからこそ、こんなにも国民的なお笑いのスターで居続けられるのでしょう。
先日、日本中のファンに惜しまれながら亡くなった志村けんさんも、国民的スターでいながらも、庶民の感覚を忘れずにいた人でした。ドリフターズの付き人時代は、メンバーが食べたラーメンの、残った汁に白飯を入れて食べていたと言います。
そんな下積みがあるからこそ、どんな立場の人にも変わらず振る舞う、誰からも愛されるスターでいたのだと思います。
貧乏って何?って考える
へこんだとこへこんだ分だけ笑いで
満たすしかなかったあのころ
昔話を語り出すと決まって
貧乏自慢ですかと言う顔するやつ
でもあれだけ貧乏だったんだ
せめて自慢ぐらいさせてくれ!
最後は笑いに変えるから
今の子供に嫌がられるかな?
ここ辺りの歌詞は本当に胸にきますね。へこんだところを、笑いで満たすというのはまさにハングリー精神です。お笑い芸人でも何でも、頂点に立つ人というのは、こういったバネにする何かがあるのかも知れません。
あんなに貧乏だったんだから、せめて自慢ぐらいさせてくれよと言っています。ここ、かっこいいですよね。愚痴になるのではなく、むしろ自慢にしちゃう。この曲の肝みたいなところだと思っています。
そして、どんなにつらい事があっても、全部ネタにしたるわ。最後に笑わせたもん勝ちや。とてもポジティブなエネルギーを感じますね。この曲でも特に好きなところです。
酸っぱい湯気がたちこめる向こう
見えた笑顔が今も忘れられない
そしてこの曲の中で、一番好きな部分がここです。松本人志は、やはり凄いんだと思わせられる部分です。
『酸っぱい湯気』この表現は後にも先にもこの曲以外で聞いたことがありません。でも、凄く伝わってきます。チキンライスのケチャップでしょうか、その湯気の向こうに見えた家族の笑顔。
幸せってこういう瞬間の中にあるのではないかと思うのです。ハナレグミに『家族の風景』という名曲がありますが、私はそれと同じものをこの曲に感じています。
まとめ
作詞を担当した松本人志は2019年の12月に、こんなツイートをしています。『チキンライスはいい曲だ。1位になれずに、2位どまりだったところも、チキンライスらしくていい』
松っちゃんらしい照れ隠しもあるでしょう。チキンライスという主役にはなれないメニューだから、1位っていうのは似合わないよというところでしょうか。センスの塊みたいな人です。
松っちゃんはこの『チキンライス』以外でも『エキセントリック少年ボウイ』や『日影の忍者勝彦』などで作詞を手掛けています。最近ではあまり楽曲の作詞はしていないようですが、ファンとしてはまた松っちゃんに歌詞を書いてもらいたい気持ちでいっぱいです。
そしてもちろん、浜ちゃんの歌で聴いてみたい。そう思っているのは私だけではないはずです。いまや大御所となったダウンタウンの2人ですが、それでも『これが七面鳥か!思ったよりもデカいな!』なんてセリフが似合う、庶民のヒーローでいて欲しい私です。
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