【EGOIST】Fateの世界観を完全再現?!『英雄 運命の詩』を徹底考察!
人気アニメFate/ApocryphaのOP曲『英雄 運命の詩』が、今とても注目されているのを知っていますか?アニメの世界観を完璧に表現するこの楽曲を生み出したのは音楽ユニットEGOISTです。EGOISTの正体や『英雄 運命の詩』の歌詞の考察を紹介します。
『英雄 運命の詩』を歌詞から独自に徹底考察
「うんめいのうた」と言われると、ブラームス作曲の合唱曲「運命の歌」を思い出しますが、楽曲の中に雰囲気が少し似た部分があるかもしれませんね。
ちなみにアニメ「Fate/Apocrypha」では主人公の少年を守る役割として、登場人物の少女に憑依したジャンヌ・ダルクの霊が出てきます。
『英雄 運命の詩』という楽曲タイトルの「英雄」とは、どうやらジャンヌ・ダルクを指しているようです。
ジャンヌ・ダルクは実在した人物で、フランスの誇り高き女性剣士・聖人として知られています。
特別悪いことをしたわけでもないし、証拠もないまま魔女扱いされ、火炙りの刑に処され亡くなりました。
「Fate/Apocrypha」のことを知らなくても『英雄 運命の詩』の歌詞を考察していくと、発見が多いです。
この曲をきっかけに、アニメ「Fate/Apocrypha」の内容に興味を持つ人も多いでしょう。
さっそく考察してみましょう。
ブラームスの「運命の歌」
運命の歌(Schicksalslied)
作曲:ヨハネス・ブラームス
『英雄 運命の詩』の歌詞を考察①:身を焦がす英雄
それは愚かなる名
だが時は求む
不屈の英雄
その物語を
小さく奏でた 愛は狭間を彷徨う
届かない 運命が嘲笑う
隔てる世界を 超えて貴方に会いたい
身を焦がす その愛が分かつまで
「身を焦がす」という一節から、愚かな存在と言われ火炙りにされたジャンヌ・ダルクを意味していることがわかります。
時代が変わる時というのは多くの場合、誰かの犠牲がつきものです。
ジャンヌは時代の犠牲者であり「英雄」であるという意味なのではないでしょうか?
愚か・嘲笑うなどのネガティブな要素を持った単語が出てくることから「時代が革命の物語を織りなす犠牲者を求めている」という意味に捉えられます。
彼女は自らを犠牲にし「愛」を分かつ時代が来るよう、動き出そうとしているようです。
『英雄 運命の詩』の歌詞を考察②:覇者
人は叫んだ、正義を
その旗を高く掲げ
覚悟胸に立て
闇を払い進め この身失うとも
恐怖(おそれ)よひれ伏せ 私が覇者となる
生あらば進め 眼前の勝利を
暁旅立て 夜明けはもうすぐ
This is our fate 「これは悲しき運命」
人々は自分の正義を胸に、戦争の旗を掲げました。
ジャンヌは人々に「自分に続け!」と先陣を切って、敵に向かっていきます。
目の前に勝利があると信じ、突き進んでいく彼女の勇ましい姿が描かれているようです。
このサビのメロディが終わった後、オペラのような歌唱で英語の歌詞が歌われます。
ここの部分は恐らくジャンヌの心情ではなく「神」や「時代」といった、彼女の悲しい定めを知っている者の声を表現しているのではないでしょうか?
『英雄 運命の詩』の歌詞を考察③:セレナーデ
育み与える
愛の花咲き知った
残された時はもう
僅かと
悲しい世界に
願いを一つ祈る
愛してる
さよならのセレナーデ
セレナーデとは夜曲・小夜曲のことで、愛する人の部屋の窓の下で歌うラブソングのことです。
曲の冒頭から描かれている「愛」が育まれたのに、その代わりにジャンヌが知ったのは「終わり」が近づいているということでした。
夜明け、すなわち自分の正義が叶う時は来るのでしょうか?
夜の闇の中で愛する人に自分の想いを伝えています。
『英雄 運命の詩』の歌詞を考察④:戦乱の世
人は選んだ 狂騒を
その旗を高く掲げ
他者の上に立て
闇を払い進め
多くを失うとも
自由をこの手に
時代の覇者となる
鉄槌を下せ
妨げるものよ
この空燃やして
二度と帰しはしない
This is our fate
狂った騒ぎと書く「狂騒」とは、まさに字から伝わる通り理性のない騒ぎのことです。
「鉄槌を下す」というのは厳しく処罰することで、この部分は恐らく争い合う世界そのものを意味しているのではないでしょうか?
空を燃やすほどの激しい戦争が、悲しい定めとして描かれています。
『英雄 運命の詩』の歌詞を考察⑤:出発
鳴り響く笛 忘れなの花よ
こんなにも美しく咲き誇る
“To give up who you are
and live without your faith
is more regrettable than dying,
than dying so young.”
「忘れなの花」とは勿忘草のことでしょう。
勿忘草の花言葉が「私を忘れないで」だというのは有名ですが「忘れなの花」と綴られているのも、勿忘草の花言葉を強調したいからだと思われます。
出発の合図を知らせる笛が鳴り響きました。
そしてもう、二度と愛する人には会えないのでしょう。
英語の部分は日本語に訳すと「自分自身を偽って信念が無いまま生きるなど、死んでもしたくないことだ」という意味を持っているようです。
英語の部分はオペラに似た歌唱のコーラス隊と、主旋律を歌うボーカルがユニゾンしています。
この部分においては、未来を知っている何者かの想いと、ジャンヌの想いが同じだということを表しているようです。
『英雄 運命の詩』の歌詞を考察⑥:最後の戦い
人は語るだろう 信念を
その旗を高く掲げ
自ら奮い立て
闇を払い進め
命運尽きるとも
誰より気高く
この名は汚さない
生(せい)あらば進め
眼前の勝利を
暁旅立て
夜明けはもうすぐ
ジャンヌの最後の戦いです。
自身でもこれが最後になることを分かっているようです。
しかしたとえ命が尽きようとも、信念を曲げず気高く生きる方を彼女は選びました。
彼女は最後まで戦います。
『英雄 運命の詩』の歌詞を考察⑦:物語の英雄として
英雄に詩を 多く失うとも
自由をこの手に 時代の覇者となる
残花枯れ落ちた物語となり
暁旅立つ 貴方と共になる
This is our fate
ジャンヌは時代の覇者として、後世に語り継がれる「英雄」となりました。
愛を象徴する「忘れなの花」は枯れ落ちますが、全ては信念を貫いた彼女の「物語」となり種のような存在として、その信念は次の時代へ継がれていきます。
やがて朝が来て「物語」として、2人はひとつになりました。
まとめ
難解なことでも知られている、EGOISTの楽曲『英雄 運命の詩』の歌詞を独自に解釈してみました。
今回紹介した解釈ではなく、さまざまな意味に捉えられるのもこの曲のよいところですよね。
「Fate/Apocrypha」のOP曲として人気の『英雄 運命の詩』ですが、歌詞を別の角度から見てみると、今の私たちの日常にもつながってくることが多々あります。
この記事をきっかけにEGOISTや「Fate/Apocrypha」の世界観へ、とことんハマって楽しみましょう。
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